アルバムレビュー：Velvet by Adam Lambert

アルバムレビュー

2025.03.13

発売日: 2020年3月20日
ジャンル: ファンク、ディスコ、グラムロック、ポップ

アダム・ランバートの成熟したファンク＆ディスコ・グルーヴ
全曲レビュー
総評
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アダム・ランバートの成熟したファンク＆ディスコ・グルーヴ

Adam Lambertの4thアルバムVelvetは、彼のキャリアの中でも最も洗練された作品であり、70年代のファンク、ディスコ、グラムロックの影響を色濃く反映したアルバムだ。前作The Original Highのエレクトロポップ寄りのサウンドから一転し、よりオーガニックでソウルフルなアプローチを取っており、彼の音楽的な成長と洗練を感じさせる。

このアルバムは、トレンドに左右されないタイムレスな魅力を持ち、ファンキーなベースライン、グルーヴィーなギター、温かみのあるシンセが絶妙に絡み合ったサウンドが特徴となっている。エレクトロポップ全盛の現代ポップシーンの中で、クラシックなディスコとロックの要素を取り入れたユニークな作品に仕上がっている。

全曲レビュー

Velvet
- タイトル曲であり、アルバムの方向性を示すファンクナンバー。スムーズなベースラインとセクシーなボーカルが魅力的で、70年代のディスコの影響を強く感じさせる。
Superpower
- 強烈なギターリフとグルーヴィーなリズムが特徴のアンセミックな楽曲。自信に満ちた歌詞とパワフルなボーカルが印象的。
Stranger You Are
- レトロなロック＆ファンクを融合させた一曲。プリンスやデヴィッド・ボウイを彷彿とさせるアートポップ的な要素が加わっている。
Loverboy
- 80年代のシンセポップとファンクが融合したミッドテンポのラブソング。シンプルながらも洗練されたアレンジが魅力。
Roses (feat. Nile Rodgers)
- チック・ナイル・ロジャースがギターで参加したディスコファンクナンバー。クリーンなカッティングギターと軽快なベースが心地よいグルーヴを生み出している。
Closer to You
- エモーショナルなバラード。ピアノ主体のシンプルなアレンジとAdamのソウルフルな歌唱が、楽曲に深みを与えている。
Overglow
- ダンサブルなディスコトラック。ドリーミーなシンセと軽快なビートが心地よい。
Comin in Hot
- ミステリアスでセクシーな雰囲気を持つミッドテンポのファンクナンバー。スモーキーなボーカルが印象的。
On the Moon
- 宇宙的なシンセとジャジーなコード進行が特徴の楽曲。幻想的で洗練されたサウンドが魅力的。
Love Don’t
- モダンなR&Bとレトロなファンクが融合したミッドテンポのナンバー。メロディの美しさが際立つ。
Ready to Run
- シンプルなギターリフとダンサブルなリズムが心地よい、疾走感のある楽曲。70年代のソウルやロックの影響を感じさせる。
Feel Something
- アルバムを締めくくる感動的なバラード。アコースティックなアレンジと切ないメロディが、アルバムのラストにふさわしい余韻を残す。

総評

Velvetは、Adam Lambertがアーティストとしての成熟を遂げた作品であり、70年代のファンク、ディスコ、グラムロックのエッセンスを取り入れたユニークなアルバムとなっている。前作までのエレクトロポップやダンスミュージックから距離を置き、よりオーガニックでクラシカルなサウンドへとシフトした点が特徴的だ。

特に「Superpower」や「Roses」のようなファンキーなナンバーは、彼のボーカルとグルーヴ感を最大限に引き出しており、一方で「Closer to You」や「Feel Something」では、エモーショナルなバラードの魅力も際立っている。

ポップミュージックの主流とは異なる方向性を取りながらも、時代を超えた魅力を持つ楽曲が詰まっており、Adam Lambertの音楽的な探求心と個性が存分に発揮されたアルバムとなっている。

このアルバムは、ディスコやファンク、クラシックロックを愛するリスナーにとっては必聴の一枚であり、彼の新しい音楽スタイルを堪能できる作品となっている。