アルバムレビュー:Up All Night by East 17

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

cover

発売日: 1995年11月13日(UK)
ジャンル: ダンス・ポップ、R&B、ヒップホップ・ソウル、アーバン・ポップ


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概要

Up All Night』は、イースト・ロンドン出身のボーイバンド East 17 による3作目のスタジオ・アルバムであり、
前作『Steam』で確立したポップ×バラード路線を深化させつつ、クラブ/ストリート感を全面に押し出した“夜のEast 17”を描く意欲作である。

グループのリーダーである Tony Mortimer のプロデュース力が最も発揮された作品でもあり、
ラブソング、レイヴ・アンセム、スロージャム、レゲエ調のトラックまで、多彩なスタイルを自家薬籠中のものとして吸収している点が大きな特徴。

ただしアルバム制作時期はメンバー間の不和やトニーの脱退を間近に控えた時期と重なり、
本作をもってEast 17はオリジナル・ラインナップでの活動にいったん終止符を打つこととなる。

そのため『Up All Night』は、East 17“第一章”の終幕を飾る夜のサウンドトラックとして位置づけられる。


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全曲レビュー

1. Thunder(New Version)
『Steam』収録曲のリミックス版で幕を開ける。よりハードなビートが加わり、
アルバム全体の“夜”と“クラブ”のテーマを提示する強力なオープニング。

2. Do U Still?(Single Version)
別れた恋人に想いを馳せる切ないバラード。
情感を込めたボーカルと、メロウなコード進行が心に残る、East 17の名バラード群の一角。

3. I Remember
タイトル通り、過去への回想と郷愁をテーマにした楽曲。
ストリート的な回想詩と、穏やかなサビのコントラストが印象的。

4. Someone to Love
温もりを求めるソウル・ポップ。
バックコーラスとの絡みが美しく、East 17の“優しい側面”が際立つ。

5. Right Here With You
緩やかなクラブビートに乗せたスロージャム。
肌感覚のラブソングで、静かなグルーヴと官能性が心地よい。

6. Break It Down
レゲエとヒップホップを融合させたアーバンなミクスチャー。
East 17らしいジャンル横断型の実験精神が垣間見える。

7. Hold My Body Tight(Summer Mix)
名曲のサマーリミックス。よりトロピカルで軽やかなアレンジになっており、
オリジナルとはまた異なる魅力が楽しめる。

8. All for Love
愛にすべてを賭けるという直球のメッセージを、パワフルなバラードで表現。
エモーショナルな構成は『Stay Another Day』の延長線にある。

9. Sleepin’ in My Head
夢と現実、記憶と妄想の間を行き来する幻想的なナンバー。
軽くサイケデリックなサウンドが、タイトルの雰囲気とマッチする。

10. Out of the Blue
アルバムの中でも最もポップ寄りの楽曲。
“突然の出会い”をテーマにしたサビが明るく、アルバム中盤の清涼剤のような存在。

11. I’m Here for You
友人や家族へのメッセージとしても受け取れる誠実なソング。
East 17の人間味あふれる一面が垣間見える楽曲。

12. Oh Baby
クラシック・ソウルの影響を感じるシンプルなラブバラード。
温かく包み込むような音像が、ラストに向けた余韻を生む。

13. Just a Memory
過去の恋に対するエレガントな別れの歌。
センチメンタルな旋律が、アルバム終盤を美しく彩る。

14. Stay Another Day(Less Sad Mix)
代表曲の再録リミックス。ストリングスを抑えた構成で、
より日常に寄り添う“やさしい別れ”として再解釈されている。


総評

『Up All Night』は、East 17の音楽的成熟と多様性、そして**“ストリート・ソウルのUK的表現”の完成形**を記録したアルバムである。

この作品では、「アイドル」としてのEast 17ではなく、
“音楽で語ることを選んだ青年たち”のリアルな声が響いており、
夜に、別れに、友情に、過ちに、赦しに、じっと耳を傾けるようなアルバム体験
が味わえる。

一方で、トニー・モーティマーのグループ脱退を控えていたことから、
全体に漂う空気は、どこか切なく、終わりの予感に満ちている。

それでもこの『Up All Night』には、
**“声を上げ、感情を歌い、夜の街角で語り続けたEast 17の美しい残響”**が刻まれている。


おすすめアルバム(5枚)

  1. Take That『Beautiful World』
     大人になったボーイズグループの姿を描いたリユニオン作。『Up All Night』の延長線にある感情の成熟。

  2. Boyz II Men『Evolution
     R&Bバラード中心の作品。East 17の感情的バラードと通じる要素が強い。

  3. Blue『Guilty』
     2000年代UKボーイバンドのバランス型アルバム。『Up All Night』的ポップ+ソウルの流れを継ぐ。

  4. Damage『Since You’ve Been Gone』
     East 17と同じUK発ソウル寄りボーイグループ。都会的な夜の情景と感情表現が共通。

  5. MN8『To the Next Level』
     R&B/ソウル寄りのスタイルを追求したUKボーイバンド。East 17の“夜”の質感に近い。

後続作品とのつながり

本作をもってEast 17のオリジナル路線は一区切りを迎える。
トニー・モーティマー脱退後、グループは「E-17」名義で再出発するも、
かつてのバランスや感情の深みは戻らず、『Up All Night』は事実上“最終章”としての意味を帯びていく。

だからこそこのアルバムには、
**East 17の全盛期とその終焉、その両方が刻まれている──まさに“夜通し起きていた者だけが知る物語”**が、ここにある。

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