発売日: 2017年5月17日
ジャンル: インディー・ポップ, ドリーム・ポップ, ベッドルーム・ポップ
『Roy Pablo』は、ノルウェー出身のインディー・ポップバンド、Boy PabloによるデビューEPであり、YouTubeでの急速な人気を背景に、彼らの名前を一気に広めた作品だ。フロントマンのニコラス・ミュノスを中心に結成されたBoy Pabloは、独特のDIYスタイルと甘酸っぱいメロディで、ベッドルーム・ポップの代表的な存在となった。このEPは、ドリーム・ポップやローファイ・ポップの要素を取り入れながら、シンプルでキャッチーなメロディが印象的で、青春の不安や恋愛の感情がストレートに描かれている。
プロダクションはローファイな質感を持ちながらも、軽快で爽やかなサウンドが特徴で、ギターのジャングリーなリフと、ミュノスの感情的なボーカルが優しく響く。YouTubeにアップロードされた「Everytime」のMVが一夜にして注目を浴び、Boy Pabloの知名度を世界的に高めた。この作品は、気取らないスタイルと甘くメランコリックな雰囲気が魅力的で、多くの若者に共感を呼んだ。
それでは、『Roy Pablo』のトラックを順に見ていこう。
1. Yeah (Fantasizing)
アルバムの幕開けを飾るこの曲は、軽快なギターリフと穏やかなボーカルが印象的だ。甘酸っぱいメロディが心地よく、ローファイな質感の中にドリーミーな雰囲気が漂う。恋愛に対する漠然とした憧れと、不安な感情が混ざり合った歌詞が、リスナーを青春の記憶へと誘う。シンプルながらも美しい一曲だ。
2. Dance, Baby!
この曲は、キャッチーなメロディとリズミカルなギターが特徴のアップテンポなナンバー。タイトル通り、軽快なビートに乗せて踊りたくなるような軽快さがあり、ボーカルのメロディラインが耳に残る。歌詞は、恋愛の楽しさと不安定さが描かれ、ポップでありながらも切なさが感じられる。
3. Everytime
Boy Pabloの名前を一気に広めたこの代表曲は、軽快なギターリフと柔らかいボーカルが魅力的なインディー・ポップの名曲だ。歌詞には、失恋の痛みと後悔が描かれており、特にサビの「Everytime, I see you」フレーズがキャッチーで、聴く者の心に深く残る。ビデオも含めて、若者の甘くほろ苦い感情を完璧に表現した楽曲だ。
4. Bee with Me
この曲は、少しスローなテンポで進行し、ミュノスの優しいボーカルが際立つ。アコースティックなサウンドが中心となり、シンプルなギターと控えめなリズムが、歌詞の親密な雰囲気を引き立てている。歌詞には恋人への思いが込められており、タイトルの「Bee(ハチ)」がメタファーとして使われているのが印象的。
5. I Don’t Care
疾走感のあるギターと軽快なリズムが特徴のトラック。歌詞には、恋愛や人間関係に対する不安や無関心さが描かれており、ポップなメロディに乗せて深刻な感情が歌われている。シンプルなサウンドながらも、その無垢で率直な表現がリスナーに共感を呼ぶ。
6. Ur Phone
この曲は、ローファイなギターサウンドとボーカルが際立つ一曲で、軽やかなリズムとともに淡々と進行する。歌詞には、電話を通じて相手との距離感を感じる様子が描かれており、現代的な恋愛の悩みを反映している。シンプルなアレンジが、歌詞のメッセージを際立たせている。
アルバム総評
『Roy Pablo』は、Boy PabloのデビューEPとして、彼らの音楽スタイルを象徴する作品だ。ローファイな質感と甘酸っぱいメロディが、恋愛や青春の微妙な感情をシンプルに、しかし美しく表現している。特に「Everytime」のキャッチーさとメランコリックなトーンは、この作品のハイライトであり、インディー・ポップの名曲として多くのリスナーに愛されている。DIYのスタイルを持ちながらも、共感しやすい歌詞と軽快なサウンドが、Boy Pabloの魅力を最大限に引き出している。短いながらも感情が詰まったこの作品は、次世代のベッドルーム・ポップの代表作として、今も多くのリスナーに影響を与えている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- 『Bcos U Will Never B Free』 by Rex Orange County
甘くメランコリックなインディー・ポップが特徴のアルバム。Boy Pabloのローファイな感覚と恋愛のテーマに共鳴する。 - 『What Do You Think About the Car?』 by Declan McKenna
ユースフルなエネルギーとインディー・ポップの軽快なサウンドが特徴。Boy Pabloの若々しい感覚が好きな人におすすめ。 - 『Salad Days』 by Mac DeMarco
ジャングリーなギターとローファイな質感が、Boy Pabloの音楽性と共通する。軽やかでありながらも感情的なサウンドが魅力。 - 『I Think You’re OKAY』 by Temporex
ローファイなベッドルーム・ポップで、Boy Pabloのシンプルで心地よいサウンドに近い。甘いメロディが印象的な作品。 - 『In the Shower』 by Homeshake
ドリーミーでミニマルなインディー・ポップアルバム。Boy Pabloのリラックスした雰囲気とよく似ており、ゆったりとしたムードが心地よい。
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