アルバムレビュー:Poco by Poco

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※本記事は生成AIを活用して作成されています。

Spotifyジャケット画像

発売日: 1970年5月6日
ジャンル: カントリー・ロックフォーク・ロック、ウェストコースト・ロック


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概要

Poco』は、1970年にリリースされたアメリカのカントリー・ロック・バンド、Pocoによるセカンド・アルバムであり、前作『Pickin’ Up the Pieces』で確立した音楽性をさらに洗練させた作品である。
ジム・メッシーナとリッチー・フューレイを中心に、ラストン・ハーゲット、ジョージ・グランサム、ティモシー・シュミットといった後のイーグルスにも関わるメンバーによる演奏は、カントリーの暖かさとロックの軽快さを見事に両立している。

バンドとしてのまとまり、アンサンブルの完成度は前作以上であり、ハーモニーとペダル・スティール・ギターを基調にしたサウンドは、カントリー・ロックの理想形ともいえる。
また、アルバム完成直前にジム・メッシーナが脱退したこともあり、本作には一つの時代の終焉と、その後のPocoの変遷を予感させる“過渡期”としての魅力も備わっている。


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全曲レビュー

1. Hurry Up

アルバムのオープニングにふさわしいアップテンポなカントリー・ロック
恋愛の高揚感と焦燥をテーマにした歌詞が、跳ねるリズムと爽やかなコーラスに乗って軽やかに展開する。
冒頭からPocoらしさが全開。

2. You Better Think Twice

ジム・メッシーナ作の代表的楽曲で、バンドの初期サウンドを象徴する名曲。
リズムのキレ、ギターのカッティング、ペダル・スティールの切なさ、そしてハーモニーの美しさが一体となり、ジャンルの壁を越えた普遍的な魅力を放つ。
後年のオルタナ・カントリーにも通じる先進性を持つ。

3. Honky Tonk Downstairs

伝統的なカントリーのスタイルに則ったナンバー。
バーやサルーンでの風景が浮かぶような歌詞とアレンジが特徴で、Pocoのルーツ志向を感じさせる。
スチール・ギターの音色が懐かしさと哀愁を加える。

4. Keep on Believin’

ミドルテンポのフォーク・ロックで、“信じ続けること”の大切さを静かに語りかける。
シンプルながらも力強いリリックと、優しく包み込むようなハーモニーが心地よい。

5. Anyway Bye Bye

約7分に及ぶバラードで、ジム・メッシーナがPocoを去るにあたっての心情を託したかのような一曲。
スローで情感豊かな展開、叙情的なギター・ソロ、そしてコーラスの重なりが、別れと希望を同時に描く。
本作のエモーショナルな頂点。

6. Don’t Let It Pass By

穏やかで美しいラヴソング。
“チャンスを見逃さないで”というメッセージが、穏やかなアコースティック・サウンドに乗せて繰り返される。
牧歌的でありながら、どこか切なさが滲む。

7. Nobody’s Fool / El Tonto de Nadie Regressa

後半の組曲的トラックで、フューレイの作曲による実験的な構成が光る。
前半の「Nobody’s Fool」はバラード的展開、後半の「El Tonto de Nadie Regressa」はインストゥルメンタル主体のドラマチックな展開。
ラテン語調のタイトルは“誰にも戻れない愚か者”を意味し、哲学的余韻を残す。


総評

Poco』は、カントリー・ロックというジャンルの初期段階における完成形を体現した作品であり、洗練と素朴さのバランスが極めて巧妙に取られたアルバムである。
スタジオ技術に頼らず、演奏とコーラス、アンサンブルそのものが楽曲を支えることで、アコースティック音楽としての豊かさがじっくりと味わえる。

ジム・メッシーナの貢献は特に顕著で、彼のメロディメイキングとアレンジ力が、Pocoの音楽的アイデンティティを決定づけたといえる。
同時に、彼の脱退によって次作以降のバンドの変化も避けられないものとなり、本作はある意味で“最初で最後のオリジナルPocoの完成形”とも位置づけられる。


おすすめアルバム(5枚)

  1. Loggins & Messina – Sittin’ In (1971)
     ジム・メッシーナ脱退後のプロジェクトで、Pocoの叙情性と躍動感が引き継がれている。
  2. EaglesEagles (1972)
     Pocoの音楽性をポップに進化させた後継者的存在。コーラスワークに共通点多数。
  3. The Flying Burrito Brothers – Burrito Deluxe (1970)
     カントリー・ロックの深化形。『Honky Tonk Downstairs』と親和性が高い。
  4. Crosby, Stills, Nash & YoungDéjà Vu (1970)
     ハーモニー重視のロックという点でPocoと並ぶ重要作。時代の空気を共有。
  5. New Riders of the Purple SageNew Riders of the Purple Sage (1971)
     グレイトフル・デッドの流れを汲む西海岸カントリー・ロックの代表格。

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