発売日: 2017年12月15日
ジャンル: ヒップホップ、ファンク、オルタナティブR&B、エレクトロポップ
『No One Ever Really Dies』は、Pharrell Williamsが率いるN.E.R.D(Pharrell Williams、Chad Hugo、Shay Haley)の5枚目のスタジオアルバムであり、7年ぶりの復活作だ。社会的・政治的テーマを大胆に取り入れつつ、グループの特徴である革新的でエネルギッシュなサウンドを展開している。アルバムタイトルには、「真の死は存在しない」という希望的なメッセージが込められている。
本作は、ファンクやヒップホップを基調に、エレクトロやポップの要素を融合したサウンドが特徴的だ。さらに、Rihanna、Kendrick Lamar、Ed Sheeranなどの豪華なゲストアーティストが参加し、トラックごとに異なるエネルギーが感じられる。リリース直後から批評家とリスナーの両方から高い評価を受け、N.E.R.Dの音楽的な進化と挑戦を示す作品となっている。
以下、各トラックの詳細を解説する。
1. Lemon (feat. Rihanna)
アルバムのリードシングルで、Rihannaのラップが話題を呼んだ楽曲。鋭いビートとシンプルながらクセになるリフが特徴で、エネルギッシュな雰囲気が全編にわたって漂う。
2. Deep Down Body Thurst
ファンクとポップを融合させたグルーヴィーなトラック。自己探求と癒しをテーマにした歌詞が印象的。
3. Voilà (feat. Gucci Mane & Wale)
Gucci ManeとWaleをフィーチャーしたヒップホップナンバー。個性豊かなビートとゲストラッパーたちの存在感が楽曲を盛り上げている。
4. 1000 (feat. Future)
Futureを迎えたトラックで、強烈なビートと社会的メッセージが融合した楽曲。アルバムの中でも特に攻撃的なサウンドが印象的。
5. Don’t Don’t Do It! (feat. Kendrick Lamar)
警察暴力をテーマにした楽曲で、Kendrick Lamarが鋭いラップで参加している。感情的なテーマに加え、N.E.R.Dらしい実験的なサウンドが際立つ。
6. ESP
エレクトロニカとファンクを融合させたトラック。サイケデリックなサウンドと鋭いリリックが特徴。
7. Lightning Fire Magic Prayer
長尺の楽曲で、複数のセクションに分かれた実験的な構成が特徴的。N.E.R.Dの革新性を象徴するトラックの一つ。
8. Rollinem 7’s (feat. André 3000)
André 3000が参加したトラックで、複雑なビートとラップが絡み合う。彼の独特なスタイルが楽曲をさらに際立たせている。
9. Kites (feat. Kendrick Lamar & M.I.A.)
Kendrick LamarとM.I.A.を迎えたエネルギッシュなトラック。多文化的な要素が融合し、風変わりでユニークなサウンドに仕上がっている。
10. Secret Life of Tigers
グルーヴ感あふれるファンクトラックで、力強いリズムと実験的なアプローチが魅力。
11. Lifting You (feat. Ed Sheeran)
Ed Sheeranを迎えたトラックで、優しいメロディと希望に満ちた歌詞が印象的。アルバムを締めくくるにふさわしい一曲。
アルバム総評
『No One Ever Really Dies』は、N.E.R.Dが持つ革新性とエネルギーを存分に発揮したアルバムであり、彼らの音楽的な進化を示す作品だ。政治的・社会的なテーマを扱いつつも、エレクトロ、ファンク、ヒップホップの要素を大胆に融合したサウンドは聴き応え抜群である。
「Lemon」や「Don’t Don’t Do It!」といった楽曲では、鋭いメッセージ性とキャッチーなサウンドが絶妙に調和しており、「Kites」や「Rollinem 7’s」のようなトラックでは、ゲストアーティストとのコラボレーションが新たな刺激を生んでいる。『No One Ever Really Dies』は、現代社会の問題に向き合いながらも、リスナーにエネルギーと希望を届ける傑作だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Childish Gambino – Awaken, My Love!
ファンクと社会的テーマが融合したアルバムで、『No One Ever Really Dies』と共鳴する。
Kanye West – Yeezus
実験的なサウンドと鋭いメッセージ性が、N.E.R.Dのアルバムに近い。
Run the Jewels – RTJ4
社会的メッセージを含む攻撃的なヒップホップで、『No One Ever Really Dies』のファンにおすすめ。
OutKast – Stankonia
ジャンルを超えた音楽的冒険と実験的なアプローチが、『No One Ever Really Dies』と似ている。
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