発売日: 1989年6月20日
ジャンル: ハードロック、アリーナロック
Mr. Bigは、アメリカのロックバンドMr. Bigのデビューアルバムであり、ハードロックとアリーナロックを融合させたサウンドで瞬く間に注目を集めた作品である。エリック・マーティンのパワフルでソウルフルなボーカルと、ビリー・シーンの超絶技巧ベース、ポール・ギルバートのテクニカルなギター、そしてパット・トーピーの堅実なドラミングが合わさり、楽曲に高い完成度と躍動感が加わっている。このアルバムは、バンドの持つエネルギーとメンバーの高い演奏力が存分に発揮され、ハードロックの魅力が詰まった一枚だ。
プロデューサーには、JourneyやAerosmithといったアーティストの作品で知られるケヴィン・エルソンが参加しており、クリーンで力強いサウンドが特徴。シングル「Addicted to That Rush」をはじめ、技巧派のミュージシャンシップが光る楽曲が揃い、デビューアルバムながらも堂々たる存在感を放っている。Mr. Bigは、ロックシーンに新風を吹き込んだバンドの実力を証明する作品であり、特にハードロックやアリーナロックファンにとっては必聴のアルバムである。
トラックごとの解説
1. Addicted to That Rush
アルバムのオープニングを飾るハイテンポでエネルギッシュなナンバーで、ポール・ギルバートの超絶ギタープレイとビリー・シーンのタッピングベースが圧巻。バンドのテクニカルな側面が強く打ち出されており、デビューシングルとしてふさわしい一曲。
2. Wind Me Up
キャッチーなリフとエリック・マーティンの力強いボーカルが際立つトラック。サビのメロディが耳に残り、バンドの持つポップセンスが光る楽曲である。
3. Merciless
ハードなギタートーンと疾走感のあるリズムが特徴のロックナンバー。シーンのうねるようなベースラインが曲を支え、バンド全体の一体感が際立っている。
4. Had Enough
ドラマチックでメロディアスな楽曲で、やや哀愁を帯びたサウンドが魅力的。エリック・マーティンの表現力豊かなボーカルが印象的で、アルバムの中で感情的な側面を感じさせる一曲。
5. Blame It on My Youth
リズミカルでファンキーなベースラインが特徴のトラック。バンドの遊び心が感じられ、異なる音楽性を見せる楽曲となっている。
6. Big Love
ロマンチックで情熱的なラブソングで、アリーナロックの王道サウンドが展開される。シンプルなメロディとキャッチーなコーラスが印象的な一曲。
7. How Can You Do What You Do
明るく軽快なリズムとキャッチーなメロディが魅力の曲。リスナーを引き込むポップな要素が詰まっており、アルバムの中でも耳に残る楽曲である。
8. Anything for You
バラード調の楽曲で、エモーショナルなボーカルと美しいメロディが際立つ。バンドのハードな一面とは異なる、柔らかい表情を見せている。
9. Rock & Roll Over
アップテンポで激しいリズムが特徴のロックチューンで、ライブ映えしそうな一曲。ギルバートのギターソロが炸裂し、バンドのエネルギーが溢れている。
10. 30 Days in the Hole (Humble Pieカバー)
Humble Pieの楽曲をカバーしたトラックで、Mr. Big流に力強く再解釈されている。エネルギッシュで骨太な演奏が際立つ。
アルバム総評
Mr. Bigは、バンドの持つ卓越した演奏技術とキャッチーなメロディが見事に融合したデビューアルバムであり、ハードロックの名盤といえる一枚である。ポール・ギルバートとビリー・シーンのテクニカルな演奏がリスナーを圧倒し、エリック・マーティンのボーカルが楽曲に力強さとエモーションを加えている。特に「Addicted to That Rush」や「Wind Me Up」といった楽曲は、バンドの魅力が詰まったロックアンセムであり、Mr. Bigの名を一躍有名にした。ハードロックやアリーナロックファンにとってはもちろん、技巧派ミュージシャンのファンにもおすすめのアルバムである。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Extreme II: Pornograffitti by Extreme
テクニカルなギタープレイとキャッチーな楽曲が特徴で、ハードロックの中に豊かなメロディを感じられる。Mr. Bigファンにおすすめ。
Lean into It by Mr. Big
Mr. Bigの2作目で、バンドのヒット曲「To Be with You」を収録。メロディアスでポップな要素が加わり、彼らの代表作となっている。
Slip of the Tongue by Whitesnake
テクニカルなギターとハードロックの融合が楽しめる作品で、ポップセンスとテクニックが光る。Mr. Bigのファンに響く一枚。
Eat ‘Em and Smile by David Lee Roth
ビリー・シーンが参加したアルバムで、ハードロックと技巧的なプレイが融合。Mr. Bigのファンにとっては見逃せない作品。
Out of the Cellar by Ratt
キャッチーなメロディと派手なギタープレイが魅力の一枚で、アリーナロックのエネルギーが満載。Mr. Bigのファンにおすすめ。
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