発売日: 2017年6月16日
ジャンル: ポップ / アートポップ / エレクトロポップ
『Melodrama』は、ロードの2作目となるスタジオアルバムであり、彼女のアーティストとしての進化と内省的な視点が凝縮された作品である。このアルバムは、恋愛、失恋、孤独、そして成長をテーマに、壮大な感情の旅路を描いている。前作『Pure Heroine』のミニマルで冷静なスタイルから一転し、よりドラマチックで色彩豊かなプロダクションが採用されている。
アルバムの制作には、ジャック・アントノフが主に関わり、彼のシンセサウンドやエモーショナルなプロダクションが、ロードの詩的な歌詞と見事に調和している。リードシングル「Green Light」をはじめ、「Perfect Places」や「Liability」といった楽曲が注目を集め、アルバムは批評家からも絶賛された。『Melodrama』は、第60回グラミー賞で「最優秀アルバム賞」にノミネートされ、ロードのキャリアの重要な転機となった。
トラック解説
1. Green Light
アルバムを象徴するリードシングルで、別れをテーマにしたダンスアンセム。エネルギッシュなピアノとシンセサウンドが印象的で、解放感と悲しみが交錯する。
2. Sober
アルバムのダークでミステリアスな一面を描いた楽曲。パーカッションとシンセサウンドが絡み合い、夜のパーティーの雰囲気を完璧に再現している。
3. Homemade Dynamite
遊び心あふれるナンバーで、友情や若さのエネルギーを歌っている。キャッチーなメロディとリズムが楽しい一曲。
4. The Louvre
恋愛の高揚感と崇高な美しさを描いた楽曲。ドリーミーなサウンドと詩的な歌詞が、アルバムの中でも特に感情的なトラックとなっている。
5. Liability
ピアノバラードで、自己反省と孤独をテーマにした感動的な楽曲。ロードの繊細なボーカルが楽曲の感情的な深みを際立たせている。
6. Hard Feelings / Loveless
アルバムの中でも最も実験的なトラック。前半は感情の喪失を描いたエモーショナルなパート、後半は皮肉的でポップなアプローチを取っており、対照的な構成がユニーク。
7. Sober II (Melodrama)
「Sober」の続編的な楽曲で、壮大でシネマティックなサウンドが特徴的。アルバムのドラマ性を象徴するトラック。
8. Writer in the Dark
ロードのボーカルが際立つ感情的なバラード。ピアノを中心としたシンプルなアレンジと心に刺さる歌詞が魅力。
9. Supercut
過去の思い出や未練をポップでキャッチーなメロディに乗せたトラック。シンセサウンドが楽曲のエネルギーを引き立てている。
10. Liability (Reprise)
「Liability」のリプライズ版で、短くも感動的なインストゥルメンタルが、アルバムの物語性を深めている。
11. Perfect Places
アルバムを締めくくるアンセム的な楽曲。若さや人生の不完全さを祝福する歌詞と壮大なサウンドが、リスナーに深い余韻を残す。
アルバム総評
『Melodrama』は、ロードのアーティストとしての成長を示すだけでなく、ポップミュージックにおける芸術的な可能性を探求した作品である。恋愛と失恋、孤独と再生といった普遍的なテーマを通じて、ロードの成熟した視点と感情表現が光っている。『Pure Heroine』の冷静さに対し、『Melodrama』は大胆で色彩豊かなサウンドが特徴で、聴く者を感情の旅へと誘う。特に「Green Light」や「Liability」、「Perfect Places」は、ロードの代表曲として今なお愛されている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Pure Heroine by Lorde
ロードのデビューアルバムで、ミニマルで詩的なスタイルが特徴。『Melodrama』の原点を感じることができる。
Norman Fucking Rockwell! by Lana Del Rey
ポップとアートが融合した作品で、ロードのエモーショナルなスタイルが好きなリスナーに響く。
Golden Hour by Kacey Musgraves
内省的な歌詞と感情豊かなサウンドが特徴で、『Melodrama』のファンにおすすめ。
Anti by Rihanna
ジャンルを超えた多様なサウンドと感情的な表現が特徴で、ロードの実験的な側面に共感するリスナーに。
When We All Fall Asleep, Where Do We Go? by Billie Eilish
ロードに影響を受けたアーティストによるダークでミニマルなポップアルバム。
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