発売日: 1971年11月8日
ジャンル: ハードロック、フォークロック、ブルースロック
Led Zeppelin IVは、ロックの歴史において最も重要なアルバムの一つとされる作品であり、レッド・ツェッペリンの音楽性が頂点に達したアルバムである。正式なタイトルはなく、アルバムカバーにはシンボルのみが描かれているため、「IV」や「Untitled」として知られる。本作は、ハードロック、ブルース、フォークの要素が融合し、エネルギーと叙情性を兼ね備えた傑作に仕上がっている。特に「Stairway to Heaven」は、彼らの代表作として語り継がれる伝説的な楽曲であり、バンドの神話的なイメージを確立した。
アルバムには、重厚で力強いサウンドと繊細で美しいメロディが共存しており、各メンバーの個性が存分に発揮されている。ジミー・ペイジのギターリフ、ロバート・プラントのソウルフルなボーカル、ジョン・ボーナムのパワフルなドラム、ジョン・ポール・ジョーンズの多彩なアレンジが絶妙に融合。アルバム全体に神秘的な雰囲気が漂い、ロックとフォーク、ブルースがバランスよく混ざり合っている。Led Zeppelin IVは、ハードロックの頂点を極め、現代のロックシーンにも多大な影響を与え続ける名盤である。
トラックごとの解説
1. Black Dog
力強いギターリフとボーナムのリズミカルなドラムが特徴のナンバーで、ペイジのギターリフとプラントのボーカルが相互に絡み合う。ブルースとロックが融合し、エネルギーに満ちた開幕曲となっている。
2. Rock and Roll
タイトル通り、ロックンロールのエッセンスが詰まった軽快な曲で、ボーナムのドラムがアクセントを効かせている。シンプルで親しみやすい構成ながら、ツェッペリンの演奏力が炸裂する。
3. The Battle of Evermore
フォーク色が強いナンバーで、プラントがサンディ・デニー(フェアポート・コンヴェンション)とデュエットしている。マンドリンを用いたアレンジが印象的で、中世の戦場を描写する詩的な歌詞が美しい。
4. Stairway to Heaven
アルバムのハイライトであり、ロック史における名曲。静かなアコースティックギターのイントロから始まり、徐々にエレクトリックに展開する構成が魅力。神秘的な歌詞とペイジのギターソロが圧巻で、ツェッペリンの音楽性が詰まった象徴的な楽曲。
5. Misty Mountain Hop
エレクトリックなサウンドと軽快なリズムが特徴的なナンバーで、ジョン・ポール・ジョーンズのキーボードが楽曲に深みを与えている。歌詞には1960年代後半のヒッピー文化への言及が含まれている。
6. Four Sticks
変拍子が特徴的な実験的な曲で、ボーナムがドラムスティックを4本使用して演奏したことがタイトルの由来。リズムの不規則な展開がスリリングで、バンドの音楽的な挑戦心が感じられる。
7. Going to California
アコースティックギターを主体とした美しいバラードで、カリフォルニアを求めて旅する心情が歌われている。プラントの柔らかなボーカルとペイジのギターが詩的な雰囲気を作り出し、アルバムに叙情的な一面を加えている。
8. When the Levee Breaks
ミシシッピ・シークスのブルース曲を大胆にアレンジした作品で、ボーナムのドラムが圧倒的な存在感を放つ。重厚で深みのあるサウンドが特徴的で、プラントのブルース感あふれるボーカルがリスナーを引き込む。
アルバム総評
Led Zeppelin IVは、レッド・ツェッペリンの最高傑作として広く認知され、彼らの音楽的な野心と完璧な演奏が見事に結実した作品である。ハードロック、ブルース、フォークが融合した多彩な楽曲が詰まっており、ロックの歴史における重要な一枚であると同時に、ジャンルの枠を超えた普遍的な魅力を持っている。収録曲はどれも個性豊かで、特に「Stairway to Heaven」はロックの神話的な存在として愛され続けている。Led Zeppelin IVは、ロックファンなら必ず聴いておくべき不朽の名作であり、バンドの創造力が頂点に達した瞬間を捉えている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Who’s Next by The Who
力強いロックサウンドと叙情的なメロディが楽しめるアルバムで、Led Zeppelin IVのファンに響く一枚。
Paranoid by Black Sabbath
ヘヴィでダークなサウンドが特徴の名盤で、ツェッペリンの重厚なサウンドが好きなリスナーにおすすめ。
Déjà Vu by Crosby, Stills, Nash & Young
フォークとロックが融合したアルバムで、The Battle of EvermoreやGoing to Californiaのフォーキーな雰囲気を気に入った人に最適。
Sticky Fingers by The Rolling Stones
ブルースとロックが融合した名盤で、ツェッペリンと同様に時代の先端を行く革新性と荒々しさが楽しめる。
Machine Head by Deep Purple
ハードロックの名盤で、ギターリフとドラムが際立つ。Led Zeppelin IVのパワフルなサウンドが好きな人におすすめ。
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