
発売日: 2003年9月8日
ジャンル: ヒップホップ、ファンク、R&B、ブレイクビーツ
- 豪華ゲストと共に創り上げた、ジャンル横断型ヒップホップ/ファンクのデビュー作
- 全曲レビュー
- 1. Intro
- 2. Bluegrass Stain’d (feat. Nappy Roots & Anthony Hamilton)
- 3. Ooh Wee (feat. Ghostface Killah, Nate Dogg & Trife Da God)
- 4. High (feat. Aya & Rhymefest)
- 5. I Suck (feat. Rivers Cuomo & Jack White)
- 6. International Affair (feat. Sean Paul & Tweet)
- 7. Diduntdidunt (feat. Saigon)
- 8. On the Run (feat. Mos Def & M.O.P.)
- 9. Here Comes the Fuzz (feat. Freeway & Nikka Costa)
- 10. Bout to Get Ugly (feat. Rhymefest & Anthony Hamilton)
- 11. She’s Got Me (feat. Daniel Merriweather)
- 12. Tomorrow (feat. Q-Tip & Debi Nova)
- 総評
- おすすめアルバム
豪華ゲストと共に創り上げた、ジャンル横断型ヒップホップ/ファンクのデビュー作
2003年にリリースされたHere Comes the Fuzzは、プロデューサー/DJであるMark Ronsonのデビューアルバムであり、ヒップホップ、ファンク、R&Bをブレンドした実験的かつ野心的な作品である。本作の最大の特徴は、その豪華なゲスト陣で、Ghostface Killah、Mos Def、Nate Dogg、Sean Paul、Jack Whiteらが参加し、それぞれの個性を最大限に生かした楽曲が収録されている。
当時の音楽シーンでは、The NeptunesやTimbalandといったプロデューサーが台頭していたが、Ronsonはより生演奏にこだわったファンク&ヒップホップサウンドを展開。このアプローチは後のVersion(2007年)やAmy Winehouse – Back to Black(2006年)などのプロダクションにも繋がる、本作ならではの独自性を生んでいる。
全曲レビュー
1. Intro
アルバムの幕開けを飾るインストゥルメンタルトラック。ファンクのグルーヴとターンテーブリズムが融合し、Ronsonの世界観を予告するような雰囲気を持つ。
2. Bluegrass Stain’d (feat. Nappy Roots & Anthony Hamilton)
Nappy Rootsによるサザンヒップホップとファンクの融合が光る楽曲。Anthony HamiltonのスムーズなR&Bコーラスが加わり、グルーヴィーながらもユニークなサウンドが印象的。
3. Ooh Wee (feat. Ghostface Killah, Nate Dogg & Trife Da God)
アルバムの代表曲であり、最もヒットしたシングル。Nate DoggのシルキーなフックとGhostface Killahの攻撃的なラップが融合し、Ronsonのホーンを多用したファンキーなビートと見事にマッチしている。パーティーアンセムとしての要素も強い。
4. High (feat. Aya & Rhymefest)
ジャジーな雰囲気が漂う楽曲で、Ayaのヴォーカルが妖艶なムードを醸し出す。Rhymefestのフロウがトラックのリズムと巧みに絡み合い、ブレイクビーツとヒップホップのバランスが絶妙。
5. I Suck (feat. Rivers Cuomo & Jack White)
WeezerのRivers CuomoとThe White StripesのJack Whiteが参加した異色のロック×ヒップホップコラボ。ギターリフとヘヴィなビートの組み合わせが刺激的で、ロックとブレイクビーツの融合を試みた楽曲。
6. International Affair (feat. Sean Paul & Tweet)
Sean PaulのダンスホールスタイルとTweetのR&Bヴォーカルを組み合わせたクロスオーバーなトラック。レゲエ/ダンスホールのリズムが心地よく、Ronsonのプロダクションが際立つ。
7. Diduntdidunt (feat. Saigon)
NYアンダーグラウンドシーンのラッパーSaigonを迎えたストリート感の強い楽曲。ビートのハードさとSaigonのタイトなフロウがマッチし、シリアスなトーンを持つトラック。
8. On the Run (feat. Mos Def & M.O.P.)
Mos DefとM.O.P.という豪華な顔ぶれによる、エネルギッシュなヒップホップトラック。M.O.P.のハードコアなラップとMos Defのスムーズなフロウが対比を生み、バウンスの効いたビートが曲全体をドライブする。
9. Here Comes the Fuzz (feat. Freeway & Nikka Costa)
アルバムタイトル曲であり、サウンド的にもハイライトのひとつ。FreewayのラップとNikka Costaのソウルフルなヴォーカルが交差し、Ronsonのプロダクションが最も炸裂したファンク×ヒップホップの名演。
10. Bout to Get Ugly (feat. Rhymefest & Anthony Hamilton)
ブルース/ソウルの要素を強く感じる楽曲で、Ronsonの「生演奏×ヒップホップ」スタイルが特に際立つ。Anthony Hamiltonのヴォーカルがトラックに深みを加えている。
11. She’s Got Me (feat. Daniel Merriweather)
後にRonsonの作品で頻繁にコラボするDaniel Merriweatherが参加した楽曲。スロウなR&Bナンバーで、Merriweatherのソウルフルな歌声が心地よい。
12. Tomorrow (feat. Q-Tip & Debi Nova)
A Tribe Called QuestのQ-Tipをフィーチャーした楽曲。ジャジーなビートとスムーズなラップが心地よく、アルバムの締めくくりにふさわしい洗練されたトラック。
総評
Here Comes the Fuzzは、Mark Ronsonがプロデューサー/DJとしての才能を示し、ヒップホップ、ファンク、R&Bの境界を超えた実験的なデビュー作となった。本作の最大の特徴は、その多彩なゲスト陣とジャンルのクロスオーバーにあり、特に「Ooh Wee」や「On the Run」などは今も色褪せない名曲として評価されている。
商業的には当時そこまで大きな成功を収めなかったものの、後のRonsonのプロダクションスタイル(Amy WinehouseのBack to BlackやUptown Specialでのヴィンテージ・ファンクの探求)へと繋がる作品であり、彼の音楽キャリアを知る上で重要なアルバムとなっている。
特に生演奏を活かしたビートメイキングや、ジャズ、ファンクの要素を巧みに融合させたアレンジは、後の音楽シーンに大きな影響を与えた。Ronsonの原点を知りたいリスナーにはぜひ聴いてほしい作品だ。
おすすめアルバム
- Mark Ronson – Version (2007)
- Here Comes the Fuzzの後にリリースされた、UKロックとヒップホップ/ソウルの融合が際立つ作品。
- Amy Winehouse – Back to Black (2006)
- Ronsonのプロデュースワークが最も評価された作品で、ヴィンテージサウンドへの愛が感じられる。
- The Neptunes – Clones (2003)
- 同じ時期に活躍したプロデューサーユニットThe Neptunesの作品で、ヒップホップとファンクの融合が特徴。
- Gorillaz – Demon Days (2005)
- ヒップホップ、ロック、エレクトロのクロスオーバーが感じられる作品。
- DJ Shadow – The Private Press (2002)
- ブレイクビーツを主体にしたヒップホップ/エレクトロニカ作品で、Ronsonの初期サウンドと共通点がある。
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- ブレイクビーツを主体にしたヒップホップ/エレクトロニカ作品で、Ronsonの初期サウンドと共通点がある。
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