1. 歌詞の概要
「Come as You Are」は、Nirvanaが1991年にリリースしたアルバム『Nevermind』からの2枚目のシングルで、バンドの代表曲の一つです。この曲は、重厚なギターリフとエコーを効かせた独特のサウンドが特徴で、Nirvanaのダークで繊細な一面を象徴しています。
歌詞では、「そのままの自分で来てほしい」と語りかけながらも、矛盾や疑念が散りばめられています。これにより、表面的な歓迎と、内面的な葛藤や不安が同時に描かれています。楽曲全体に漂う曖昧さとダークな雰囲気が、カート・コバーンのソングライティングの特徴をよく表しています。
2. 歌詞のバックグラウンド
「Come as You Are」は、カート・コバーンがピクシーズやジョイ・ディヴィジョンといったバンドに影響を受けて書いた楽曲で、タイトルそのものが持つ「そのままでいい」というメッセージ性が特徴です。しかし、歌詞には皮肉や疑念が含まれており、単なる受容の歌ではありません。
リリース当時、この曲のギターリフがThe Damnedの「Life Goes On」に似ているとの指摘を受けましたが、Nirvanaはこの曲をシングルとしてリリースすることを決定しました。この楽曲は、Nirvanaの持つポップセンスとオルタナティブな感性を見事に融合させ、商業的にも批評的にも大きな成功を収めました。
3. 歌詞の抜粋と和訳
英語
Come as you are, as you were
As I want you to be
日本語訳
そのままでおいで、かつての君のままで
僕が望むままの君でいてほしい
英語
Take your time, hurry up
The choice is yours, don’t be late
日本語訳
ゆっくりしてもいい、急いでもいい
選ぶのは君だ、でも遅れないで
英語
And I swear that I don’t have a gun
No, I don’t have a gun
日本語訳
誓うよ、僕は銃なんて持っていない
本当に持っていないんだ
4. 歌詞の考察
「Come as You Are」の歌詞は、シンプルでありながら深い意味を持っています。「そのままで来てほしい」というラインには、一見したところ無条件の受容のメッセージが込められていますが、その一方で歌詞全体には矛盾や不確かさが散りばめられています。この曖昧さは、カート・コバーンが抱える内面の葛藤や不安を象徴しているとも言えます。
特に、「I swear that I don’t have a gun(僕は銃なんて持っていない)」という繰り返しは、カートの不安や自己防衛的な心情を暗示していると解釈されています。このラインが楽曲全体に不穏なトーンを与え、ただの安らぎの歌ではなく、Nirvana特有のダークな美学を体現するものとなっています。
また、リフレインの繰り返しやエコーの効いたギターサウンドは、歌詞の持つテーマと相まって、リスナーに感情的な深みを感じさせます。
5. この曲が好きな人におすすめの曲
- “Smells Like Teen Spirit” by Nirvana
同じアルバムに収録されており、若者の疎外感や反抗心を描いた代表曲。 - “Something in the Way” by Nirvana
ミニマルで感傷的な雰囲気が「Come as You Are」と共通しています。 - “Where Did You Sleep Last Night” by Nirvana(Unplugged)
ダークで感情的な要素が強く、カート・コバーンの歌声が際立つ一曲です。 - “Heart-Shaped Box” by Nirvana
複雑な感情と暗いテーマを扱った楽曲で、「Come as You Are」に通じるものがあります。
6. 楽曲の影響と評価
「Come as You Are」は、Nirvanaのキャリアにおいて重要な楽曲であり、オルタナティブロックの名曲として広く評価されています。この楽曲は、ビルボードのチャートでも成功を収め、『Nevermind』の大ヒットを支える要因となりました。また、商業的な成功だけでなく、批評家からも絶賛され、Nirvanaの音楽的な深みを証明する楽曲として評価されています。
特に、ミュージックビデオでは、水中の映像や逆再生のシーンが特徴的で、曲の持つ幻想的で不穏な雰囲気を視覚的に表現しています。
「Come as You Are」は、カート・コバーンのソングライティングの才能と、Nirvanaの持つ音楽的な独自性を象徴する楽曲として、今なお世界中のリスナーに愛され続けています。
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