発売日: 2023年5月19日
ジャンル: ポップ、ブルー・アイド・ソウル、インディーポップ
ルイス・キャパルディの2枚目のアルバムBroken by Desire to Be Heavenly Sentは、デビュー作の延長線上にありながら、より成熟し、感情的な深みを増した作品だ。このアルバムでは、キャパルディの特徴的なソウルフルなボーカルと心を打つ歌詞が一層輝きを放っている。恋愛、喪失、孤独といった普遍的なテーマを描きながらも、彼特有の自己反省的でユーモアを交えたトーンが楽曲全体を貫いている。
プロダクション面では、ミニマルなピアノとギターアレンジを中心に据え、キャパルディの声とリリックを前面に押し出している。前作同様、リスナーの感情を揺さぶるメロディが揃っており、「Forget Me」や「Pointless」などのシングルは既に多くの共感を呼んでいる。
トラックごとの解説
1. Forget Me
アルバムのオープニングを飾るアップテンポな楽曲。失恋後の相手に忘れられたくないという複雑な感情を率直に表現している。キャッチーなメロディと切ない歌詞が絶妙にマッチしている。
2. Wish You the Best
ピアノバラードとして際立つ感動的な楽曲。別れた相手の幸せを願いながらも、苦しい感情がにじみ出る。「あなたの幸せを願う」というテーマに共感する人も多いだろう。
3. Pointless
このアルバムを象徴するようなラブソング。愛する人がいないと全てが無意味だというテーマを、美しいメロディに乗せて歌い上げる。キャパルディの感情的なボーカルが心を揺さぶる。
4. Heavenly Kind of State of Mind
少しアップテンポなこの曲は、希望や解放感をテーマにしている。愛に包まれた瞬間を描いた歌詞が印象的で、アルバムの中でも明るいエネルギーを持つ楽曲。
5. Haven’t You Ever Been in Love Before?
エモーショナルなバラードで、恋愛に不慣れな相手に自分の感情を問いかける内容。シンプルなアレンジがキャパルディの歌詞とボーカルを引き立てている。
6. Love the Hell Out of You
タイトル通り、強い愛情を表現した楽曲。情熱的で、キャパルディのボーカルが楽曲にエネルギーを与えている。
7. Burning
過去の恋愛に縛られる心の苦しさを歌った楽曲。キャパルディの声の感情表現が際立ち、聴く人の心に深く響く。
8. Leave Me Slowly
別れの瞬間の痛みを繊細に描いたトラック。サビに向けての盛り上がりがドラマチックで、アルバムのハイライトの一つ。
9. How This Ends
恋愛の行方が分からない不安を歌った曲。穏やかなピアノ伴奏とキャパルディの力強いボーカルが融合している。
10. Any Kind of Life
人生の不確実性と希望をテーマにした曲。アルバム全体の中で前向きなメッセージが光る一曲。
11. The Pretender
自分の本音を隠してしまう状況に焦点を当てた楽曲。ギターアレンジが中心で、どこかインティメイトな雰囲気を感じさせる。
12. Before You Go
アルバムの最後を飾る壮大なバラード。心に残るメロディと深い歌詞が、アルバム全体を感動的に締めくくる。
アルバム総評
Broken by Desire to Be Heavenly Sentは、ルイス・キャパルディが持つ感情の深さと音楽的才能をさらに広げた作品だ。失恋や愛の喜びと痛みといった普遍的なテーマを、シンプルで心に響くメロディとともに描き出している。このアルバムを通じて、キャパルディは彼特有の率直さと感情的なパフォーマンスをさらに強調しており、リスナーに親しみやすいと同時に深い印象を残す。
「Forget Me」や「Pointless」のようなキャッチーなトラックから、「Wish You the Best」のような感動的なバラードまで、幅広い楽曲が揃っているこのアルバムは、キャパルディが現在のポップシーンにおいて特別な存在であることを改めて示している。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
“Fine Line” by Harry Styles
感情的な歌詞とポップなメロディが特徴で、キャパルディの作品に通じる。
“In the Lonely Hour” by Sam Smith
失恋や孤独をテーマにした感動的な楽曲が多く、キャパルディのスタイルに似ている。
“Hozier” by Hozier
ソウルフルなボーカルと詩的な歌詞が魅力的。キャパルディのファンにおすすめ。
“x (Multiply)” by Ed Sheeran
親しみやすいメロディと感情的な歌詞が、キャパルディの楽曲と共鳴する。
“Chaos and the Calm” by James Bay
シンプルなアレンジと心に響く歌詞が特徴で、キャパルディのリスナーにも響くはず。
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