発売日: 1986年8月5日
ジャンル: ポップ、R&B、ソウル
ライオネル・リッチーの3枚目のソロアルバムDancing on the Ceilingは、彼が80年代のポップミュージックシーンで築いた成功をさらに拡大した作品である。本作は、大ヒットした前作Can’t Slow Downの成功を受けて制作され、ポップで華やかな楽曲と、感情豊かなバラードのバランスが見事に取られている。ライオネルの個性豊かなボーカルとキャッチーなメロディラインは健在で、彼の多彩な音楽性を示している。
このアルバムは、タイトル曲「Dancing on the Ceiling」をはじめ、「Say You, Say Me」や「Ballerina Girl」など、当時のポップチャートを賑わせた数々の楽曲を収録している。商業的にも成功を収め、全米アルバムチャートでトップ10入りを果たし、全世界で400万枚以上を売り上げた。
トラックごとの解説
1. Dancing on the Ceiling
アルバムのタイトル曲であり、最大のヒット曲の一つ。エネルギッシュで楽しい雰囲気を持つダンスナンバーで、ファンキーなビートとキャッチーなサビが印象的。歌詞には「天井を踊り場に変える」という自由で陽気な感覚が込められている。
2. Se La
カリブ海のリズムが取り入れられた軽快な楽曲。ライオネルのボーカルがリラックスしたトーンで、楽曲に親しみやすさを加えている。心地よいグルーヴが印象的な一曲。
3. Ballerina Girl
繊細でロマンティックなバラード。ライオネルが父親として娘への思いを込めた楽曲で、ピアノとストリングスが美しく調和している。彼の優しいボーカルが感動を与える。
4. Don’t Stop
アップテンポのファンクナンバーで、エネルギッシュなビートが際立つ。ダンスフロアを意識した楽曲で、アルバムの中でも特に楽しい雰囲気を持つ一曲。
5. Deep River Woman (feat. Alabama)
カントリーとR&Bの融合が印象的なバラード。カントリーグループAlabamaとのコラボレーションで、ライオネルの音楽的幅広さを感じさせる。温かみのあるコーラスが楽曲に深みを加えている。
6. Love Will Conquer All
感情的なバラードで、愛が困難を乗り越える力を持つことを歌っている。ライオネルのボーカルとサビの高揚感が印象的で、アルバムの中でも際立つ一曲。
7. Tonight Will Be Alright
滑らかなミッドテンポの楽曲で、リラックスした雰囲気が特徴。アコースティックなアレンジが、ライオネルのボーカルを引き立てている。
8. Say You, Say Me
映画『ホワイトナイツ』のテーマソングとして大ヒットした楽曲。ライオネルにアカデミー賞の「最優秀オリジナルソング賞」をもたらした感動的なバラードで、彼のキャリアの中でも最も象徴的な楽曲の一つ。
9. Night Train (Smooth Alligator)
アルバムを締めくくるファンキーでリズミカルな楽曲。楽しいエネルギーに満ちており、アルバムの最後を陽気に飾る。
アルバム総評
Dancing on the Ceilingは、ライオネル・リッチーが持つエンターテイナーとしての魅力を存分に発揮したアルバムだ。ポップ、R&B、バラードの要素がバランスよく融合し、どの楽曲も彼の音楽的な幅広さを感じさせる。
特に「Dancing on the Ceiling」や「Say You, Say Me」といったヒット曲は、80年代のポップミュージックを語る上で欠かせない存在であり、アルバム全体に親しみやすいエネルギーが満ちている。また、「Ballerina Girl」や「Deep River Woman」のような繊細で感情的なトラックも収録されており、彼の人間的な温かみが伝わる作品となっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
“Can’t Slow Down” by Lionel Richie
本作の前作にあたり、同じくポップとバラードのバランスが秀逸なアルバム。
“Thriller” by Michael Jackson
ダンスナンバーと感情的な楽曲の融合が魅力。ライオネルのポップ性と共通する。
“Songs in the Key of Life” by Stevie Wonder
ソウルフルな楽曲と感情豊かな歌詞が特徴で、ライオネルの作品と響き合う。
“Toto IV” by Toto
ポップとロックが融合したアルバムで、洗練されたアレンジが本作と共通する。
“No Jacket Required” by Phil Collins
80年代ポップの名盤で、ダンスナンバーと感動的なバラードのバランスが楽しめる。
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