アルバムレビュー:No Pocky for Kitty by Superchunk

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

発売日:1991年10月8日

ジャンル:Indie Rock / Alternative Rock

概要

No Pocky for Kittyは、ノースカロライナ州チャペルヒルで結成されたSuperchunkが1991年に発表した2作目のスタジオ・アルバムである。前年のセルフタイトル作に続く作品で、Mac McCaughan、Laura Ballance、Jim Wilbur、Chuck Garrisonという編成で制作された。録音を担当したのはSteve Albiniで、バンドが自ら運営に関わるMerge Recordsからリリースされている。メジャーレーベルによるオルタナティヴ・ロックへの関心が急速に高まっていた時期に、Superchunkは独立した活動基盤を維持しながら作品を作っていた。

前作にあった荒々しいパンクの勢いを残しつつ、本作ではギター同士の絡みやメロディの輪郭がより明確になった。McCaughanの高く切迫した声、Ballanceの太いベース、勢いよく前進するドラム、二本のギターが作るノイズが基本だが、単純に速い曲を並べているわけではない。ギターの音量を落として緊張を溜めたり、同じフレーズを繰り返してから一気にサビへ入ったりと、音量差を利用した構成が多い。後のSuperchunkにつながる「大きなギターと強いメロディを同時に鳴らす」という方法が、アルバム単位ではっきり形になった作品である。

全曲レビュー

1. 「Skip Steps 1 & 3」

鋭いギターが勢いよく飛び出し、リズム隊もほとんど助走なしで前進する。McCaughanのボーカルは演奏の上にきれいに収まるというより、大音量のバンドに負けないよう声を張り上げており、その危うさが曲のエネルギーになっている。ギターにはノイズが多いが、中心にあるメロディは意外なほど明快だ。荒い音と覚えやすい歌を対立させず、一緒に押し出す本作の基本形を最初から提示している。

2. 「Seed Toss」

細かく刻まれるギターとベースがせわしなく動き、ドラムがその下を一直線に走ることで独特の推進力を作る。ヴァースではボーカルを囲むようにギターが鳴る一方、サビでは演奏全体が開き、McCaughanのメロディが前へ出てくる。歌声には怒りと高揚の中間のような切迫感があり、言葉を完全に聞き取れなくても感情の強さは伝わる。初期Superchunkを代表する、ノイズとポップ感覚の結びつきがよく分かる曲だ。

3. 「Cast Iron」

前の2曲ほど一直線には走らず、ギターの反復を利用して少し重い足取りを作る。硬く乾いたドラムと低いベースの上でギターが擦れるように鳴り、そこへ高いボーカルが入るため、低音と声の落差が大きい。サビだけを派手に膨らませるのではなく、同じ緊張を保ちながら少しずつ音を厚くしていく構成も特徴である。速さ以外の方法でも強度を作れることを示し、序盤の流れに変化を加えている。

4. 「Tower」

ギターのざらついたコードと力強いリズム隊を中心にしながら、歌の部分には十分な隙間が残されている。McCaughanの歌唱は整った発声から遠く、語尾がひっくり返るような高音まで含めて感情を押し出すが、それが演奏の粗さと自然に結びつく。曲が進むにつれてギターの存在感が増し、メロディとノイズの境界も曖昧になっていく。録音を磨きすぎないAlbiniとの相性がよく表れた一曲である。

5. 「Punch Me Harder」

タイトルの攻撃的な響きとは対照的に、曲の中心にはかなり親しみやすいメロディがある。リズムは前のめりだが、ギターが短いフレーズを差し込むことで単純なコードの連打にはならず、演奏には細かな凹凸が生まれている。McCaughanの声も叫び一辺倒ではなく、メロディを追う瞬間と力任せに押し切る瞬間を行き来する。パンクの速度を保ったままポップソングとして成立させるSuperchunkの強みが端的に出ている。

6. 「Sprung a Leak」

前半の密度から少し距離を取り、反復するギターを軸にじわじわと曲を動かしていく。楽器同士を完全に一体化させるのではなく、ベース、ドラム、左右のギターがそれぞれ別の輪郭を持って聞こえるのが面白い。特にギターはコードを厚く敷き詰めるより、隙間を残して音をぶつけることで緊張を作っている。アルバム中盤で勢いを一度整理し、後半へ向けて耳を切り替える役割も果たす。

7. 「30 Xtra」

短いフレーズを何度も繰り返しながら、その周囲の音量を変化させることで曲を前進させる。リズム隊が安定しているため、ギターが多少荒れても演奏そのものは崩れず、むしろ上物だけが暴れているような感覚が生まれる。McCaughanの高音も楽器の一部に近く、意味を丁寧に伝える歌唱より、ギターと一緒に曲の圧力を高める役割が強い。簡潔な材料から大きな音像を作る初期のバンドらしいアレンジだ。

8. 「Tie a Rope to the Back of the Bus」

題名の長さとは反対に、演奏は余計な装飾をほとんど持たない。ドラムが強い拍を刻み、Ballanceのベースが低い位置で動きを支える上を、二本のギターが異なる質感で横切っていく。きれいなギターソロを用意するのではなく、コード、フィードバック、短いフレーズを重ねて盛り上げるのがSuperchunkらしい。バンド全員が同じ方向へ突進しているようで、実際には各楽器の役割がかなり整理されている。

9. 「Press」

冒頭から切迫したテンポで進み、McCaughanの声も息を整える余裕がないほど演奏に食らいつく。ここではメロディの甘さよりもリズムの圧力が前面に出ており、ギターも長く伸ばすより短く強い音を繰り返す。Steve Albiniの録音らしくドラムの打撃音が過度な残響に包まれず、バンドが部屋で鳴っているような距離感が残る。終盤でも速度を落とさず、アルバムの緊張をもう一度引き締める。

10. 「Sidewalk」

大音量のギターを使いながら、曲の輪郭を決めているのはむしろ歌のメロディである。ヴァースからサビへ自然に上昇していく旋律に対して、ギターは背景をきれいに整えるのではなく、ところどころでノイズをはみ出させる。この「歌いやすさ」と「演奏の荒さ」のずれによって、どちらか一方だけでは出せない高揚感が生まれている。後年のSuperchunkがさらに磨いていくギター・ポップ的な作曲を先取りしたような曲だ。

11. 「Creek」

終盤に置かれた「Creek」では、アルバムの勢いを保ちながらも、ギターの重なり方にやや広がりが生まれる。単純なパワーコードだけで壁を作るのではなく、一方のギターがリズムを支え、もう一方がその隙間へノイズや旋律を入れるため、大音量でも各パートを追いやすい。McCaughanのボーカルは最後まで切迫しているが、バンドの演奏には序盤よりわずかな余裕が感じられ、終曲へ自然につながっていく。

12. 「Throwing Things」

アルバムの最後を飾るのは、Superchunkのポップな側面が強く表れた曲である。荒いギターはそのままだが、声の動きにははっきりした抑揚があり、騒々しい演奏の中からメロディが何度も浮かび上がる。感情を細かく説明するより、投げつけるような歌唱と反復によって苛立ちや衝動を伝える作りで、最後まで音を整えすぎない。激しさだけでなく「騒音の中に歌を残す」という本作の特徴を確認するように締めくくる。

総評

No Pocky for Kittyを単純なパンク・アルバムにしないのは、演奏の速さ以上に、Superchunkのメロディ感覚が強いからである。McCaughanの曲はコードや構成そのものを複雑にするより、短い旋律を大音量のギターの中で繰り返し、耳に残る形へ変えていく。サビになった途端に別の曲のように華やかになるのではなく、ヴァースで溜めた力をそのまま一段上へ押し上げる曲が多い。この連続性によって、アルバム全体にライブ演奏のような勢いが生まれている。

Steve Albiniとの録音も重要である。ギターを何層にも重ねて巨大に加工するより、ベースやドラムを含めた各楽器の物理的な鳴り方が残されているため、音が荒くても混濁しすぎない。特にBallanceのベースとGarrisonのドラムが安定しているからこそ、McCaughanとWilburのギターはノイズを出したり、タイミングをずらして音を重ねたりできる。整然とした演奏を意図的に汚しているというより、四人が同時に鳴らした結果として生じる粗さを、そのまま作品の質感にした録音である。

同時に、本作には90年代初頭のアメリカン・インディー・ロックが持っていたDIYの感覚が具体的な形で残っている。大手レーベル向けにサウンドを拡大するのではなく、荒い録音や高く不安定な歌声まで含め、自分たちの特徴として押し出している。ただし、音が粗いこと自体を目的にはしていない。騒々しい演奏の中心には常に覚えやすい旋律があり、このポップ志向がSuperchunkを単なるハードコア由来の高速ギター・バンドとは違う存在にしている。

後の作品と比べれば、曲ごとの音色やテンポの幅はまだ狭く、中盤では似た強度の演奏が続く部分もある。しかし、その統一感は本作の短所であると同時に魅力でもある。デビュー作の衝動を失わないまま、二本のギターの配置や静と動の作り方を整理したことで、Superchunk独自のスタイルがはっきりした。90年代インディー・ロックの一作品としてだけでなく、バンドがその後長く使い続ける音楽的な基本設計を固めたアルバムとして聞くことができる。

おすすめアルバム

Superchunk by Superchunk

1990年のデビュー作で、No Pocky for Kittyよりさらに荒く、パンク由来の勢いが直接出ている。2作を続けて聞けば、わずかな期間でギターの配置やメロディの見せ方が整理されたことが分かる。

On the Mouth by Superchunk

1993年の次作。高速な演奏と高いボーカルという基本は同じだが、曲の展開とメロディはさらに練られている。No Pocky for Kittyで固まった方法が次の段階へ進む過程を追える。

Slanted and Enchanted by Pavement

ノイズを残したギターと親しみやすいメロディを結びつけた1992年作。Superchunkほど一直線に走らず、崩したリズムや脱力した歌唱を使う点を比較すると、当時の米国インディーの幅が見えやすい。

Repeater by Fugazi

硬いリズム隊と二本のギターを使い、装飾を抑えながら強い緊張を作った1990年作。音楽性は異なるものの、独立した活動姿勢と、スタジオ加工よりバンドの演奏そのものを重視する感覚に共通点がある。

24 Hour Revenge Therapy by Jawbreaker

荒いギターと切迫したボーカルの中に強いメロディを通した1994年作。Superchunkより歌詞と感情表現を前面に出すが、パンクの速度を保ちながらギター・ポップへ接続する方法を比較できる作品である。

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