発売日: 2018年2月2日
ジャンル: ポップ、R&B、ネオソウル、カントリーポップ
『Man of the Woods』は、Justin Timberlakeの5枚目のスタジオアルバムであり、これまでのモダンR&Bやエレクトロポップを基盤としたスタイルに、カントリーやフォークの要素を加えたユニークな作品だ。アルバムタイトルは、彼の息子Silasの名前の意味に由来し、家族、愛、自然、アイデンティティへのリスペクトがテーマとして描かれている。
このアルバムでは、Pharrell WilliamsとChad Hugo(The Neptunes)、Timbalandといった長年のコラボレーターが引き続き参加し、アコースティック楽器とエレクトロニックビートを融合したサウンドが特徴だ。さらに、自然と結びついた歌詞が独特の雰囲気を醸し出している。一方で、これまでの都会的で洗練されたサウンドからの転換が、賛否を呼ぶ結果にもなった。
以下、各トラックの詳細を解説する。
1. Filthy
アルバムのオープニングを飾るエレクトロファンクトラックで、Timbalandによる未来的なプロダクションが特徴。大胆で挑戦的なサウンドが、アルバムの新たな方向性を示している。
2. Midnight Summer Jam
軽快なファンクグルーヴが際立つ楽曲で、Pharrell Williamsのプロダクションが光る。カントリーフェスティバルの楽しさを想起させる一曲。
3. Sauce
セクシーでファンキーなトラック。The Neptunesの得意とする遊び心あるプロダクションとJustinの滑らかなボーカルが際立つ。
4. Man of the Woods
アルバムのタイトル曲で、カントリーとR&Bを融合したユニークなサウンドが特徴。家族や愛をテーマにした歌詞が心温まる。
5. Higher Higher
アコースティックギターと柔らかなビートが心地よいトラック。自然と自己肯定を歌うポジティブなメッセージが込められている。
6. Wave
ポップとR&Bの軽快な融合が特徴の楽曲で、冒険と自由をテーマにしている。楽観的な雰囲気が楽しい一曲。
7. Supplies
Timbalandのプロダクションが光るダークでエッジの効いたトラック。社会的なメッセージを含み、Justinの政治的な視点が感じられる。
8. Morning Light (feat. Alicia Keys)
Alicia Keysとのデュエットによる感動的なラブソング。ソウルフルで温かみのあるトラックで、二人の声が美しく調和している。
9. Say Something (feat. Chris Stapleton)
カントリーポップとR&Bの要素を融合した楽曲で、Chris Stapletonとのデュエットが際立つ。ギターを基調としたシンプルなサウンドと感情的な歌詞が心に響く。
10. Hers (Interlude)
語り形式のインタールードで、愛と親密さをテーマにしている。アルバムの親密な雰囲気を強調している。
11. Flannel
フォークの影響を受けた穏やかなトラックで、ノスタルジックな雰囲気が特徴。歌詞には、家族や愛への感謝が込められている。
12. Montana
R&Bの要素が強いトラックで、自然への憧れとロマンチックな思いを歌った一曲。洗練されたプロダクションが魅力。
13. Breeze Off the Pond
自然の美しさと心の平穏をテーマにした楽曲。滑らかなギターメロディとJustinの柔らかなボーカルが心地よい。
14. Livin’ Off the Land
カントリーとポップを融合させたアップビートなトラック。自己啓発的なメッセージが込められている。
15. The Hard Stuff
アコースティックギターを中心にしたフォーク調のバラード。愛の困難を乗り越える強さをテーマにしている。
16. Young Man
息子Silasへのメッセージを込めた感動的な楽曲。父親としての愛と希望がストレートに表現されている。
アルバム総評
『Man of the Woods』は、Justin Timberlakeがこれまでの都会的なサウンドから一歩離れ、より個人的で自然に根ざしたテーマに挑戦した意欲作だ。カントリーとR&Bを融合させたサウンドは新鮮で、家族や自然への愛を歌った歌詞には誠実さが感じられる。
一方で、これまでのエレガントなポップスタイルを期待していたファンからは、アルバムのスタイルや方向性について賛否が分かれた。しかし、「Say Something」や「Morning Light」などの楽曲は広く評価され、Justinの音楽的な多様性を証明している。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Chris Stapleton – Traveller
カントリーとソウルを融合した音楽で、『Man of the Woods』のカントリー要素に共通点がある。
Pharrell Williams – G I R L
ファンキーでエネルギッシュなサウンドが多く、Justinとのコラボレーションに通じる。
Bon Iver – 22, A Million
自然と内省的なテーマを取り入れたアルバムで、Justinの実験的なアプローチに似ている。
John Mayer – Born and Raised
フォークとポップを融合したサウンドで、『Man of the Woods』のアコースティックな要素と共鳴する。
The Lumineers – Cleopatra
シンプルで感情的なフォークポップアルバムで、『Man of the Woods』の暖かい雰囲気に近い。
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