発売日: 2011年3月14日
ジャンル: インディーロック / ガレージロック
「What Did You Expect from The Vaccines?」は、イギリスのバンドThe Vaccinesによるデビューアルバムで、2010年代初頭のインディーロックシーンに大きなインパクトを与えた作品だ。本作は、シンプルでキャッチーなメロディ、疾走感のあるビート、そして若者の情熱や失望をストレートに描いた歌詞が特徴的で、パンクやガレージロックのエネルギーを現代的に再構築している。
アルバムには、「Post Break-Up Sex」や「If You Wanna」といったシングルが収録され、どちらも大きな成功を収めた。約35分というコンパクトな収録時間にエネルギッシュな楽曲が詰め込まれ、無駄のないアルバム構成がリスナーを一気に引き込む。
各トラック解説
1. Wreckin’ Bar (Ra Ra Ra)
アルバムの幕開けを飾る疾走感のあるトラック。わずか1分半の短さながらも、パンチの効いたギターとエネルギッシュなボーカルでインパクト抜群。
2. If You Wanna
アルバムを代表するアンセミックな楽曲。失恋後の心情を歌いながらも、軽快なリズムとキャッチーなコーラスが希望を感じさせる一曲。
3. A Lack of Understanding
テンポを落とし、メランコリックな雰囲気が漂うトラック。切ない歌詞と浮遊感のあるギターサウンドが心に残る。
4. Blow It Up
ノスタルジックなメロディとリズムが特徴の楽曲。若者の無鉄砲さと自由を象徴する歌詞が印象的。
5. Westside
静かで穏やかなトラック。内省的な歌詞と控えめなアレンジが、アルバムの中で一息つける瞬間を提供する。
6. Nørgaard
アルバム最短の楽曲で、エネルギッシュなビートとユーモアたっぷりの歌詞が特徴。若者らしい勢いが詰まった一曲。
7. Post Break-Up Sex
失恋後の複雑な感情を歌った、切なくもキャッチーな楽曲。ボーカルの感情的な表現とシンプルなメロディが心に刺さる。
8. Under Your Thumb
ダークでシリアスな雰囲気が漂うトラック。ミニマルなアレンジと焦燥感のある歌詞が楽曲の緊張感を高めている。
9. All in White
アルバムの中で特に壮大な楽曲。静と動を巧みに使い分けた構成がドラマチックで、結婚式をテーマにした歌詞が独特の視点を提供している。
10. Wolf Pack
疾走感のあるビートと鋭いギターリフが印象的な楽曲。青春のエネルギーと焦燥感が詰まったトラック。
11. Family Friend
アルバムを締めくくる長尺のトラック。徐々に盛り上がる展開が特徴で、若者の葛藤と成長を象徴するようなエモーショナルな一曲。
アルバム総評
「What Did You Expect from The Vaccines?」は、The Vaccinesの持つ勢いとセンスが詰め込まれたデビューアルバムであり、現代的なインディーロックとクラシックなガレージロックが融合した作品だ。疾走感のあるトラックと切なくもキャッチーなメロディがリスナーを惹きつける一方、若者の感情をストレートに描いた歌詞が多くの共感を呼ぶ。特に「If You Wanna」や「Post Break-Up Sex」は、バンドの代表曲として今なお高く評価されている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not by Arctic Monkeys
疾走感のあるサウンドと青春の感情を描いた歌詞が、「What Did You Expect from The Vaccines?」に通じる。
Is This It by The Strokes
ガレージロックとポップセンスが融合した傑作で、The Vaccinesの影響源としても知られる。
Employment by Kaiser Chiefs
エネルギッシュでキャッチーなトラックが揃い、Vaccinesファンにもおすすめ。
Hot Fuss by The Killers
ポップとロックの絶妙なバランスが、「If You Wanna」のようなトラックが好きな人に響く。
Franz Ferdinand by Franz Ferdinand
踊れるロックとシンプルなメロディが特徴で、「Wreckin’ Bar」や「Nørgaard」のような楽曲が好きな人にぴったり。
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