発売日: 2016年3月18日
ジャンル: テクノ / プログレッシブハウス / アンビエント
「Barbara Barbara, We Face a Shining Future」は、Underworldが6年ぶりにリリースしたアルバムであり、長いキャリアの中で新たな一歩を示した作品だ。アルバムタイトルは、メンバーであるリック・スミスの亡き父が母に宛てた言葉に由来しており、希望と前向きなエネルギーが音楽の中に込められている。
本作は、Underworldの得意とするクラブ向けのビートとアンビエントなサウンドスケープを融合させつつ、感情的でリフレクティブな雰囲気を持つ作品となっている。7曲という短い構成ながらも、どの楽曲も深い没入感を提供し、リスナーを独自の音楽体験へと誘う。
各トラック解説
1. I Exhale
アルバムのオープニングを飾る、エネルギッシュで勢いのあるトラック。繰り返されるボーカルフレーズとドライビングなリズムが特徴で、ライブ感覚あふれる一曲。
2. If Rah
軽快なビートと流れるようなシンセサウンドが融合した楽曲。実験的なアレンジが際立ち、リラックスした雰囲気が心地よい。
3. Low Burn
エモーショナルなメロディと高揚感のあるビートが絡み合うトラック。アルバムの中でも特に希望を感じさせる楽曲で、タイトルにふさわしい輝きがある。
4. Santiago Cuatro
アコースティックギターのサウンドが印象的なアンビエントトラック。短いながらもアルバムに静寂と深みを加える一曲。
5. Motorhome
カール・ハイドの詩的なボーカルが際立つミッドテンポのトラック。メロウな雰囲気が心地よく、聴き手を引き込む。
6. Ova Nova
浮遊感のあるシンセと穏やかなリズムが特徴の楽曲。再生や希望をテーマにしたような、感情的な余韻を残す。
7. Nylon Strung
アルバムのラストを飾る感動的なトラック。開放感のあるメロディと前向きな歌詞が心に残り、作品を締めくくるのにふさわしいフィナーレ。
アルバム総評
「Barbara Barbara, We Face a Shining Future」は、Underworldがこれまで培ってきた音楽性を凝縮しながらも、新たな方向性を示した作品だ。7曲というコンパクトな構成ながらも、それぞれの楽曲が独自の魅力を持ち、アルバム全体で一つの統一感を生み出している。特に「I Exhale」や「Low Burn」といったトラックは、クラブシーンだけでなく、リスニングにも適したバランスの良い仕上がりとなっている。長いキャリアを持つUnderworldが、希望と前向きなエネルギーを音楽に込めたこのアルバムは、彼らの進化と持続的な創造力を示す重要な一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Second Toughest in the Infants by Underworld
緻密なサウンドスケープと感情的なメロディが楽しめる、Underworldの傑作。
Tomorrow’s Harvest by Boards of Canada
アンビエントとエレクトロニカの融合が、「Barbara Barbara」の雰囲気に通じる。
Dig Your Own Hole by The Chemical Brothers
ダンサブルで実験的なトラックが揃った作品で、Underworldのエネルギーに共感できる。
Leftism by Leftfield
ダブとテクノを融合させたアルバムで、「Barbara Barbara」のファンにおすすめ。
The Race for Space by Public Service Broadcasting
ドラマチックなエレクトロニカが特徴で、Underworldのリスナーにも響く内容。
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