発売日: 2018年5月25日
ジャンル: ポップ、ポップロック、R&B
Shawn Mendesは、Shawn Mendesのセルフタイトルでリリースされた3枚目のスタジオアルバムで、アーティストとしてさらに成熟した姿を見せる作品である。本作では、ポップやポップロックに加え、R&Bやエレクトロニックの要素を取り入れることで、新たな音楽的領域に踏み込んでいる。これまでの作品と比較して、愛や心の葛藤、成長をテーマに、より個人的で深みのある楽曲が並んでおり、彼のボーカルと音楽スタイルの進化が存分に感じられる。
アルバムには、プロデューサーのTeddy Geiger、Ryan Tedder、Louis Bellなど、多彩なプロデューサー陣が参加しており、それぞれの楽曲に独特なエッセンスが加わっている。セルフタイトルにふさわしく、Shawn Mendesがどのようなアーティストとして成長を遂げたのかを示す作品となっており、聴く者に彼の音楽的な多様性を感じさせる一枚である。
トラックごとの解説
1. In My Blood
リードシングルとしてリリースされたパワフルなロックバラードで、自己の不安やプレッシャーと向き合う姿勢が描かれている。メロディは徐々に盛り上がり、サビで感情が爆発する構成が印象的。Shawn Mendesの個人的な悩みと強さが伝わる一曲で、聴く者に勇気を与える。
2. Nervous
軽快でリズミカルなポップソングで、恋に落ちた時のドキドキ感をシンプルに表現している。キャッチーなギターリフが楽曲に活気を与え、Mendesのキュートでチャーミングな一面が垣間見える楽曲。
3. Lost in Japan
R&Bとファンクの影響を受けたグルーヴィーなナンバーで、恋人に会いに行くために日本へ飛んでいきたいというロマンチックな気持ちを表現している。セクシーで洗練されたサウンドが新鮮で、Mendesの音楽的な多様性が感じられる一曲。
4. Where Were You in the Morning?
ゆったりとしたR&B調のバラードで、突然姿を消した恋人への切ない思いを歌っている。ミニマルなギターとメロディが繊細に絡み合い、Mendesのエモーショナルなボーカルが際立つ。
5. Like to Be You (feat. Julia Michaels)
Julia Michaelsとのデュエットで、恋人同士の葛藤をリアルに描写している。二人のボーカルが美しく重なり合い、甘くもほろ苦い雰囲気が曲に漂う。アコースティックギターのシンプルなアレンジが歌詞を引き立てている。
6. Fallin’ All in You
エド・シーランが共作した一曲で、恋愛の喜びと喜びの深さが歌われている。Mendesの柔らかいボーカルとシンプルなギターが織り成すメロディが美しく、ラブソングとしての魅力が詰まった一曲。
7. Particular Taste
ファンキーでアップビートな楽曲で、恋愛における遊び心と相手のユニークな魅力が描かれている。独特のリズムと軽快なサウンドが心地よく、Mendesの明るい一面が感じられる。
8. Why
静かなギターのメロディとMendesの優しいボーカルが際立つバラードで、恋愛における迷いや複雑な感情が歌われている。感情的なサビが印象的で、心に響く楽曲。
9. Because I Had You
過去の恋愛に対する後悔と感謝を描いた楽曲で、アコースティックなアレンジがシンプルながらも効果的。切ない歌詞と柔らかなメロディが調和し、聴き手に深い印象を与える。
10. Queen
少し皮肉の効いた一曲で、自信過剰な相手への思いをユーモラスに表現している。ポップなメロディと軽快なリズムが印象的で、Mendesのチャーミングな側面が光る楽曲。
11. Youth (feat. Khalid)
Khalidとのコラボレーションで、若者の強さと可能性をテーマにした力強いメッセージが込められている。社会的なメッセージ性も含まれており、Mendesがアーティストとして次のステージに進んでいることを示している感動的な曲。
12. Mutual
関係における相手との距離感とその葛藤をテーマにした楽曲で、繊細でリアルな歌詞が印象的。シンプルでメロウなサウンドがMendesのボーカルに寄り添い、感情的な深みが増している。
13. Perfectly Wrong
切ないメロディとエモーショナルな歌詞が際立つバラードで、破れかけた恋愛の複雑さが表現されている。感情豊かなMendesのボーカルが楽曲に深みを与え、リスナーの心に響く。
14. When You’re Ready
アルバムのラストを飾る温かいラブソングで、恋人が準備ができるのを待つ気持ちが歌われている。Mendesの優しさが溢れる一曲で、シンプルなアコースティックサウンドが美しく、希望と安心感に満ちたフィナーレにふさわしい。
アルバム総評
Shawn Mendesは、セルフタイトルにふさわしく、Shawn Mendesがアーティストとしてさらに成長し、音楽的に幅を広げた作品である。アルバム全体を通して、ポップ、R&B、ファンク、ブルースの要素が巧みに融合され、彼の多面的な魅力が引き出されている。恋愛の喜びと苦悩、自己の葛藤、社会へのメッセージが含まれた歌詞が印象的であり、Mendesの成熟が伝わる一枚だ。
また、KhalidやJulia Michaelsといったアーティストとのコラボレーションもアルバムに深みを与えており、楽曲ごとに異なる感情が丁寧に表現されている。Shawn Mendesが音楽的にも個人的にも成長し、アーティストとしてのアイデンティティを確立していく過程が感じられるアルバムであり、今後のさらなる進化を期待させる作品となっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Fine Line by Harry Styles
ポップとロックが融合し、感情的な歌詞が豊かに表現された一枚で、Shawn Mendesと同様に音楽的成長が感じられる。
Divide by Ed Sheeran
ギターを基調としたポップとフォークが融合し、Shawn Mendesのシンプルなサウンドと同様の温かみが楽しめる作品。
American Teen by Khalid
青春や成長、恋愛について描いたアルバムで、Khalidとのコラボが好きなリスナーにおすすめ。
Voicenotes by Charlie Puth
ポップとR&Bの要素が巧みに融合したアルバムで、シンプルでキャッチーなサウンドがMendesの作品と共鳴する。
Handwritten by Shawn Mendes
Shawn Mendesのデビューアルバムで、シンプルで純粋なギターサウンドと、誠実な歌詞が詰まった作品。彼の初期の音楽スタイルを楽しみたい人に最適。
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