Yes Starship Trooper(1971)楽曲解説

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

楽曲の概要

「Starship Trooper」は、Yesが1971年に発表した3rdアルバム『The Yes Album』に収録された楽曲である。約9分半の長さを持ち、「Life Seeker」「Disillusion」「Würm」という3つのパートから構成されている。

作曲クレジットもパートごとに異なる。「Life Seeker」はJon Anderson、「Disillusion」はChris Squire、「Würm」はSteve Howeによるものだ。複数のメンバーが持っていた別々のアイデアをつなぎ、一つの長い作品へまとめるという、1970年代のYesを代表する作曲方法がすでにはっきり表れている。

また、『The Yes Album』はギタリストSteve Howeが初めて参加したYesのアルバムである。「Starship Trooper」では、アコースティックギターから鋭いエレクトリックギター、終盤の長いソロまでHoweの幅広い演奏が重要な役割を担う。

タイトルはRobert A. HeinleinのSF小説『Starship Troopers』から取られている。ただし、歌詞は小説の物語を再現したものではない。宇宙や旅を思わせる言葉を使いながら、意識、人生、自由、自然といった抽象的なテーマへ向かう曲である。

歌詞の概要

「Starship Trooper」の歌詞には、最初から最後まで続く具体的な物語はない。宇宙船に乗った兵士の冒険を描く曲でもなければ、Heinleinの小説を音楽化した作品でもない。

Jon Andersonが書いた「Life Seeker」では、語り手が誰かへ問いかけながら、人生や知覚について考えている。日常的な出来事を説明するのではなく、空、母なる生命、川といった大きな自然のイメージが使われる。

重要なのは「見る」「聞く」「知る」といった感覚に関する言葉だ。世界をただ目で見るだけではなく、その背後にあるものを理解しようとする姿勢が感じられる。語り手は答えを持っている人物というより、何かを探している人物として読むことができる。

「Disillusion」では雰囲気が変わる。ここでは、それまで信じていたものへの疑いや、自分自身を見つめ直す感覚が強くなる。タイトルの「Disillusion」は「幻滅」や「幻想から目覚めること」を意味する。

そして最後の「Würm」には歌詞がない。言葉による問いかけが終わり、同じコード進行を繰り返す長いインストゥルメンタルへ移る。歌詞で答えを説明する代わりに、音楽そのものによって別の場所へ進んでいく構造になっている。

制作背景・時代背景

『The Yes Album』はYesにとって大きな転換点となった作品である。1969年の『Yes』、1970年の『Time and a Word』ではカバー曲も取り上げていたが、『The Yes Album』では全編がバンド自身による楽曲となった。

さらにPeter Banksに代わってSteve Howeが加入した。Howeはロックギターだけでなく、フォーク、カントリー、ジャズ、クラシックなど幅広い奏法を持っていた。彼の加入によって、Yesは一曲の中で音色や演奏スタイルを大きく変化させられるようになる。

アルバムは主にロンドンのAdvision Studiosで録音され、Eddie Offordがエンジニア/共同プロデュースを担当した。後に『Fragile』『Close to the Edge』でも続く、YesとOffordの重要な制作関係が本格的に始まった時期でもある。

「Starship Trooper」は最初から一曲として書かれたわけではない。「Life Seeker」を中心に、Chris Squireが以前から持っていた「Disillusion」、Steve Howeの「Würm」を組み合わせて作られた。

「Disillusion」はYesの初期曲「For Everyone」の一部から発展したものだった。一方、「Würm」はHoweがYes加入以前に在籍していたバンドBodastで演奏していた「Nether Street」に由来する。

つまり「Starship Trooper」は、複雑な曲を一人の作曲家が設計したというより、メンバーが別々の時期に作った素材を組み直した作品である。この方法は、その後のYesの大作志向にもつながっていく。

歌詞の抜粋と和訳

“Speak to me of summer”

和訳:夏について僕に話してほしい。

ここでの「夏」は、単なる季節の説明というより、生命や明るさ、開放感を思わせるイメージとして使われている。

「Starship Trooper」の歌詞には、このように意味を一つに固定しにくい自然の言葉が多い。物語を理解しようとするより、空や川、夏といったイメージがどのような感覚を作っているかに注目したほうが、この曲の歌詞はつかみやすい。

サウンドと歌詞の考察

「Starship Trooper」は約9分半あるが、同じ演奏を長く引き伸ばした曲ではない。3つのパートで演奏方法が大きく変わり、それぞれが別の役割を持っている。

最初の「Life Seeker」は、Steve Howeの鋭いギターから始まる。ギターは重いコードを長く鳴らすのではなく、細かな音を組み合わせながら動く。その下でChris Squireのベースも活発に動き、Bill Brufordのドラムが細かなアクセントを加える。

Yesの特徴は、ベースが単に低音を支えるだけではないことだ。Squireは高音域まで使い、ギターに答えるようなフレーズを弾く。ベースなのに輪郭が非常にはっきりしており、ときにはもう一本のリード楽器のように聞こえる。

そのため演奏には、ギターが主役でほかの楽器が伴奏するという単純な上下関係がない。Howe、Squire、Bruford、Tony Kayeのキーボードがそれぞれ動きながら、同じ方向へ進んでいる。

ここへJon Andersonの高い声が入る。楽器が忙しく動いているのに、ボーカルのメロディは比較的長い音を使う。そのため演奏の細かさの上に、声だけが浮かんでいるように聞こえる。

Andersonの声はYesの音楽に独特の明るさを与えている。ブルースロックの男性ボーカルに多い荒れた低音ではなく、高く透明な声を使うため、歌詞に登場する空や生命といったイメージとも相性がいい。

さらにChris SquireとSteve Howeのコーラスが重なると、声の層が大きく広がる。Yesでは楽器だけでなく、複数の声もアレンジの重要な部分だった。

「Life Seeker」で面白いのは、演奏が複雑なのに重苦しくならないことだ。各楽器が細かく動く一方、音色は比較的明るい。プログレッシブ・ロックというと難解で暗い音楽を想像することもあるが、この時期のYesには非常に開放的な響きがある。

その明るさが歌詞とも結びつく。語り手は人生や世界について問いかけているが、絶望しているわけではない。何か新しいものを発見しようとする好奇心があり、演奏も常に次の場所を探しているように変化する。

そこから「Disillusion」へ入ると、空気が大きく変わる。

バンド全体の密度が下がり、Steve Howeのアコースティックギターが前へ出る。先ほどまで複数の楽器が細かく動いていたのに、突然近い距離で人が演奏しているような音になる。

この落差が非常に重要だ。「Life Seeker」が外へ向かって世界を探しているとすれば、「Disillusion」は自分の内側へ戻る時間のように聞こえる。

Chris Squireが書いたこの部分には、Yesの初期作品とのつながりもある。新しいバンドとして前進している『The Yes Album』の中へ、過去のアイデアが別の形で戻ってくる。

Andersonの歌もここでは柔らかくなる。声を高く伸ばして壮大な景色を作るのではなく、アコースティックギターに寄り添う。歌詞の「幻滅」という感覚に合わせて、曲が一度華やかな装飾を外しているようにも聞こえる。

ただし、「Disillusion」は長く続かない。曲は再びバンド演奏へ戻り、最終セクション「Würm」へ向かう。

この「Würm」こそ、「Starship Trooper」を特別な曲にしている部分である。

基本となる仕組みは意外なほど単純だ。同じコード進行を何度も繰り返し、その上で楽器を少しずつ増やしていく。前半のYesらしい細かな展開とは逆に、ここでは「変えないこと」が音楽の中心になる。

最初は比較的静かだが、反復するたびに演奏の重量が増す。ベースとドラムが土台を強くし、ギターがその上へフレーズを加える。

同じ進行なので、聞き手は次に何が来るのか予測できる。しかし、そのたびに音が少し大きくなり、Steve Howeのギターも自由になっていく。

この方法によって、曲には階段を一段ずつ上がるような感覚が生まれる。コード進行自体はほとんど変わらないのに、演奏の密度とギターの動きによって景色だけが広がっていく。

Bill Brufordのドラムも重要だ。単純に音量を上げるのではなく、細かなフィルやシンバルによって少しずつ緊張を増やす。そのため、長い反復が機械的にならない。

Chris Squireのベースはここでも強い存在感を持つ。低音を長く伸ばしているだけではなく、コードの中を動きながらギターを押し上げる。Howeのソロだけを聞いていると見落としやすいが、「Würm」の巨大さはリズムセクションによって作られている。

そしてSteve Howeのギターソロが徐々に前面へ出る。

最初から速いフレーズを大量に弾くのではなく、長い音や短い旋律を使いながら少しずつ高揚させる。曲が十分に大きくなったところで、ギターもより高い音域へ上がる。

ここではギターが歌詞の代わりをしていると考えると分かりやすい。「Würm」には言葉がない。しかし、前半で繰り返されていた人生や知覚への問いが消えたわけではなく、音楽だけでその先へ進む。

歌詞で「答えはこれだ」と説明する代わりに、同じコードを繰り返しながら徐々に視界を広げる。そのため終盤には、宇宙へ飛び出していくような巨大な感覚が生まれる。

タイトルの「Starship Trooper」と最も直接的に結びついて聞こえるのも、この部分だろう。歌詞には宇宙戦争の物語がないのに、音楽だけを聞くと、長い航行や上昇を思わせる。

ただし、これはSF的な効果音によって作られているわけではない。シンセサイザーで宇宙船を再現するのではなく、ギター、ベース、ドラムの反復だけで「遠くへ進む」感覚を作っている。

この点が1971年という時代にも関係している。プログレッシブ・ロックのバンドは、ポップソングの3〜4分という長さから離れ、アルバムという形式を使って大きな構成を作り始めていた。

Yesも『The Yes Album』で「Yours Is No Disgrace」「Perpetual Change」などの長い曲を制作した。「Starship Trooper」は、その中でも複数の曲の断片をつなぐことで長い構成を作った代表例である。

後の「Close to the Edge」のように、一曲全体が緻密に設計された大作とは少し違う。むしろ「Starship Trooper」には、違う曲を大胆につないだ跡が聞こえる。

しかし、その継ぎ目が欠点になっていない。「Life Seeker」の外向きのエネルギー、「Disillusion」の静かな内省、「Würm」の長い上昇という順序によって、一つの旅のような流れが生まれている。

歌詞にも明確な物語がなく、音楽にも単一の形式がない。それでも全体を聞くと、何かを探し、立ち止まり、最後には言葉を離れて前へ進むという大きな動きが感じられる。

それが「Starship Trooper」の核心である。複雑さそのものを見せるための曲ではない。異なるアイデアを並べ、それぞれの音の性格を生かすことで、約9分半の中に距離と時間を作っている。

特に「Würm」は、Yesのライブでも長く重要な場面となった。スタジオ版よりソロを拡張できるため、Steve Howeを中心にバンド全体が少しずつ演奏を高めていく場所として機能する。

「Starship Trooper」は、Yesが後に得意とする長大なプログレッシブ・ロックの完成形ではない。むしろ、その作り方を発見し始めた瞬間が聞こえる曲である。複数の作曲者、異なる時期の素材、ロックとフォーク、複雑な演奏と単純な反復。それらを一曲の中に共存させる方法が、ここで大きく開かれた。

この曲が好きな人におすすめの曲 5曲

「Yours Is No Disgrace」 by Yes

同じ『The Yes Album』のオープニング曲。Steve Howeのギター、Chris Squireの動くベース、Bill Brufordの細かなリズムが絡み合う。「Starship Trooper」の「Life Seeker」にある、全員が同時に主張する初期Yesの演奏をさらに長い形で味わえる。

「Perpetual Change」 by Yes

同じアルバムの終盤を飾る大曲。変化し続ける世界と個人の視点を扱い、複雑なリズムへ展開する。「Starship Trooper」で始まった長い曲の構成が、より緻密な方向へ進んでいることが分かる。

「Heart of the Sunrise」 by Yes

1971年の次作『Fragile』収録曲。静かなボーカル部分と激しいバンド演奏を大きく往復する。「Starship Trooper」の強弱をさらに極端にし、Chris SquireのベースとBill Brufordのドラムを前面へ出した一曲である。

「Roundabout」 by Yes

同じ『Fragile』からの代表曲。Steve Howeのアコースティックギターから始まり、ベース、オルガン、エレクトリックギターへ展開する。「Starship Trooper」よりコンパクトで、Yesの複雑な演奏を強いポップなフックへまとめている。

「Starless」 by King Crimson

1974年の『Red』収録曲。直接的な影響関係ではなく、長い反復から巨大なクライマックスを作る点で「Würm」と共通する。こちらははるかに暗く緊張感が強く、同じ「反復による上昇」を別方向へ発展させた例として聞ける。

まとめ

「Starship Trooper」は、Yesが1970年代を代表するプログレッシブ・ロック・バンドへ進む過程で、長い曲をどのように組み立てるかをつかみ始めた作品である。一つのアイデアを9分以上引き伸ばすのではなく、「Life Seeker」「Disillusion」「Würm」という性格の違う3つの素材をつなぐことで大きな流れを作っている。

サウンドの中心には、『The Yes Album』から加入したSteve Howeのギターがある。しかし、Chris Squireのベース、Bill Brufordのドラム、Tony Kayeのキーボード、Jon Andersonの高い声がそれぞれ独立して動くことで、単なるギター中心の大作にはならない。

特に終盤の「Würm」は重要だ。同じコード進行を何度も繰り返しながら少しずつ演奏を厚くし、最後にはHoweのギターが大きく広がる。前半で人生や知覚について問いかけていた歌詞が消え、最後は音楽だけで上昇していく。

タイトルはSF小説から取られているが、曲は宇宙戦争を描いてはいない。むしろ宇宙的な広がりを、歌詞の説明ではなく構成と演奏によって感じさせる。「Starship Trooper」は、異なる曲の断片を一つの旅へ変えるというYesの方法が確立されていく、初期の重要作である。

参照元

  • Yes『The Yes Album』
  • Yes公式ディスコグラフィ『The Yes Album』
  • Rhino Records『The Yes Album』
  • Steve Howe『All My Yesterdays』
  • Chris Welch『Close to the Edge: The Story of Yes』

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