- 発売日: 2009年11月(EP)
- ジャンル: インディーロック、ドリームポップ、シューゲイザー
You Forget So Easilyは、ロンドン出身のインディーロックバンド、ExloversによるデビューEPで、ドリーミーで甘酸っぱいサウンドが特徴的である。このEPは、バンドが後にリリースするフルアルバム『Moth』の前に、彼らの音楽性とスタイルを予告するような作品となっている。Exloversは、シューゲイザー的なギターレイヤーと、どこか儚さを感じさせるメロディーライン、そして男女混声のハーモニーを特徴としており、My Bloody ValentineやThe Pains of Being Pure at Heartといったアーティストに影響を受けながらも、彼ら独自のやわらかく幻想的な音を作り上げている。
このEPは5曲から構成され、切ない恋や感情の複雑さを描いた歌詞と、ぼんやりと霞がかったようなサウンドスケープが心地よい。Exloversのメンバーが奏でる繊細なギターと、どこかノスタルジックな雰囲気が、この短い作品の中で印象的な余韻を残す。
トラック解説
1. Just a Silhouette
このEPのオープニングトラックで、軽やかなギタープレイと甘いメロディが印象的。恋愛の淡い感情と切なさを描いた歌詞が、サウンドにぴったりと溶け合い、リスナーにやわらかな心地よさを与える。男女のハーモニーが幻想的な雰囲気を醸し出している。
2. Weightless
ドリーミーなサウンドに乗せた浮遊感のある楽曲で、タイトルの「Weightless」が示す通り、重力から解き放たれたような軽やかな曲調が特徴的。繊細なギターリフとぼんやりとしたボーカルが、心を宙に浮かせるような体験をさせてくれる。
3. You Forget So Easily
タイトル曲であり、Exloversの叙情性が最も際立つ一曲。失恋や記憶の喪失に対する切ない思いが込められており、リリックが心に染み入る。ギターのアルペジオが儚く美しく、ボーカルが感情を抑えたように淡々と歌うことで、逆に強い感動を生む。
4. New Years Day
アップテンポで、どこか陽気さを感じさせるトラックだが、歌詞には切ない思いが隠されている。新年に期待を寄せながらも、不安や失望が表現された歌詞が、Exloversらしい複雑な感情を見事に描き出している。軽やかなギターと疾走感あるリズムが印象的。
5. The Ruins
EPの最後を飾るバラードで、儚さと哀愁が漂う一曲。失われたものや、壊れてしまった関係性を歌っており、タイトルが示す通り、何かが終わりを迎えた後の静寂を感じさせる。Exloversの歌詞とサウンドが、終わりにふさわしい余韻を残してくれる。
アルバム総評
You Forget So Easilyは、ExloversのデビューEPとして、彼らの音楽的特徴を凝縮した作品である。甘美でどこか切ないサウンドスケープと、男女のハーモニーが織りなす幻想的な雰囲気が、この短い作品の中で強く印象に残る。恋や失恋、記憶の喪失など、繊細な感情をテーマにした歌詞が、リスナーの心にそっと寄り添い、優しく包み込むような体験を与える。Exloversは、シューゲイズとインディーポップの要素を取り入れた独自のサウンドで、デビューから多くのファンを魅了している。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Treasure by Cocteau Twins
ドリーミーで幻想的なサウンドが特徴のアルバム。Exloversの持つ浮遊感や幻想性に共通する魅力が感じられる。 - Loveless by My Bloody Valentine
シューゲイザーの金字塔ともいえる作品で、Exloversが影響を受けたサウンドのルーツが詰まっている。歪んだギターと幻想的な音の壁が楽しめる。 - Strange Pleasures by Still Corners
ドリームポップとシンセポップの要素が美しく融合したアルバムで、Exloversの柔らかい音楽性と共鳴する作品。 - The Pains of Being Pure at Heart by The Pains of Being Pure at Heart
ノスタルジックで甘酸っぱいインディーポップが楽しめるアルバム。Exloversのメロディアスなスタイルと近しいサウンドが魅力的。 - In the Court of the Wrestling Let’s by Let’s Wrestle
ローファイとインディーの要素を組み合わせた独特なサウンドが特徴。Exloversのような淡く切ない歌詞とメロディが共通している。
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