発売日: 1980年8月27日
ジャンル: ニューウェーブ、ポストパンク、ダンスロック
「Wild Planet」は、The B-52’sが1980年にリリースした2作目のスタジオアルバムであり、デビュー作「The B-52’s」の成功を受け、その奇抜でエネルギッシュなスタイルをさらに洗練させた一枚である。ダンスロック、サーフロック、ニューウェーブの要素が詰まった楽曲群は、バンドのユニークなキャラクターと創造性を引き続き表現している。
本作では、Fred Schneiderの朗読調のボーカル、Cindy WilsonとKate Piersonの息の合ったハーモニー、Ricky Wilsonの鋭いギターリフ、そしてKeith Stricklandのタイトなリズムが一体となり、デビュー作以上にバンドとしての完成度を高めた印象がある。テーマは宇宙やSF、サーフィンといった風変わりなものが多く、ユーモアと奇抜さにあふれている。
トラック解説
- Party Out of Bounds
アルバムの幕開けを飾る楽しいダンスナンバー。パーティーの混乱をテーマにした歌詞がユーモラスで、軽快なギターリフとシンセがリスナーを引き込む。 - Dirty Back Road
サーフロックの影響が強いトラックで、軽快なリズムとCindy Wilsonのセクシーなボーカルが魅力的。シンプルながらも中毒性のある一曲だ。 - Runnin’ Around
Cindy WilsonとKate Piersonのハーモニーが際立つポップな楽曲。歌詞は自由奔放な生活を描き、軽やかでリズミカルな展開が楽しい。 - Give Me Back My Man
Cindy Wilsonがリードボーカルを務める感情的な楽曲。恋人を取り戻そうとする切実な願いが歌詞に込められており、シンプルなギターリフがドラマチックな雰囲気を演出している。 - Private Idaho
アルバムを象徴する代表曲。緊張感のあるリズムとリフが特徴的で、歌詞には謎めいたメッセージ性が含まれている。エネルギッシュな展開とシュールな雰囲気が印象的。 - Devil in My Car
奇抜な歌詞とキャッチーなメロディが特徴のトラック。シンプルな構成ながらも、The B-52’sらしい遊び心が詰まっている。 - Quiche Lorraine
犬の名前をテーマにしたユーモラスな楽曲。Fred Schneiderの独特のボーカルが楽曲の面白さをさらに引き立てている。 - Strobe Light
ダンサブルなビートとシュールな歌詞が絡み合った一曲。軽快なテンポとシンセサウンドが際立ち、ディスコ的な魅力も感じさせる。 - 53 Miles West of Venus
アルバムを締めくくるインストゥルメンタルのトラックで、サイケデリックな雰囲気とミニマルな構成が宇宙的な広がりを感じさせる。余韻を残すエンディングにふさわしい一曲。
アルバム総評
「Wild Planet」は、The B-52’sがデビュー作の勢いをそのままに、さらに洗練された音楽性を披露した作品である。「Private Idaho」や「Give Me Back My Man」などの楽曲は、彼らの代表曲として知られ、アルバム全体を通して一貫したエネルギーと遊び心が感じられる。
本作では、奇抜さやユーモアに加え、楽曲のメロディやアレンジに深みが増しており、ニューウェーブ時代の象徴的なアルバムとして後世に語り継がれる価値がある。ダンスフロアを盛り上げる軽快さと、彼ら特有のシュールな世界観を存分に楽しむことができる一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Q: Are We Not Men? A: We Are Devo! by Devo
奇抜でエネルギッシュなニューウェーブアルバムで、The B-52’sのユーモラスな一面と共通点がある。
Remain in Light by Talking Heads
ニューウェーブとファンクの融合が楽しめるアルバムで、シュールな雰囲気が「Wild Planet」と似ている。
Freedom of Choice by Devo
キャッチーで風変わりな楽曲が揃うアルバムで、The B-52’sのファンに響く要素が満載。
Dare by The Human League
シンセポップの名盤で、ダンサブルな要素とエッジの効いたサウンドが「Wild Planet」に共鳴する。
Rio by Duran Duran
ダンスフロア向けのニューウェーブアルバムで、The B-52’sのポップな側面に通じる作品。
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