- 発売日: 2000年4月10日
- ジャンル: ガレージロック、パンクロック、オルタナティブロック
Veni Vidi Viciousは、スウェーデン出身のガレージロックバンドThe Hivesの2枚目のスタジオアルバムであり、彼らの知名度を一気に高めた重要な作品である。アルバムタイトルは「来た、見た、勝った」というラテン語に基づき、バンドの勢いと自信が感じられる。本作は、攻撃的なギターリフ、力強いボーカル、そしてエネルギッシュなビートが特徴で、ガレージロック・リバイバルの象徴的なアルバムとして知られるようになった。
ペレ・アルムクヴィストのエネルギッシュなボーカルと、ニコラス・アルムクヴィストのシャープで歯切れの良いギターが際立っており、キャッチーでありながらも攻撃的なサウンドが特徴的である。リードシングル「Hate to Say I Told You So」は、世界的なヒットとなり、The Hivesの名を一気に広めた。このアルバムは、単なるノスタルジーにとどまらず、新しい世代のロックファンに新鮮な衝撃を与え、2000年代のガレージロック・リバイバルの立役者としてThe Hivesを位置づけることとなった。
トラック解説
1. The Hives – Declare Guerre Nucleaire
アルバムの幕開けにふさわしい激しいトラックで、バンドが宣言する「核戦争」の意気込みが感じられる。わずか1分半のスピーディな演奏がインパクトを与え、リスナーを一気に引き込む。
2. Die, All Right!
シンプルでキャッチーなリフと、ペレの攻撃的なボーカルが特徴的。怒りとエネルギーが詰まった歌詞が印象的で、ガレージロックのエッセンスが凝縮された一曲。
3. A Get Together to Tear It Apart
アップテンポでエネルギッシュなトラック。シンプルなギターとキャッチーなメロディが融合し、短いながらも強烈なインパクトを残す。
4. Main Offender
アルバムの中でも特に人気のあるトラックで、重厚なリフとリズムが際立つ。ペレの挑発的なボーカルが楽曲全体を牽引し、ライブでの盛り上がりも必至の一曲。
5. Outsmarted
テンポが速く、ノイズの効いたギターが印象的。ペレのシャウトが炸裂し、パンク的なエネルギーが溢れる。ガレージロックの粗削りなエッセンスが詰まっている。
6. Hate to Say I Told You So
The Hivesの代表曲であり、アルバムのハイライト。キャッチーなギターリフとダイナミックなボーカルが印象的で、ガレージロック・リバイバルの象徴となった一曲。歌詞の挑発的なフレーズと、爆発的なサウンドが相まって、リスナーを圧倒する。
7. The Hives – Introduce the Metric System in Time
短いながらもエネルギッシュで、パンチの効いたトラック。ユーモアと攻撃的なサウンドが融合し、バンドの個性が強く感じられる。
8. Find Another Girl
アルバムの中で唯一のカバートラックで、ブルースの要素を含んだ少し異色の一曲。ペレのボーカルがしっとりとした側面を見せ、バンドの多様な音楽性が感じられる。
9. Statecontrol
スピーディなリズムとエッジの効いたギターリフが特徴のトラックで、ガレージロックとパンクの融合が楽しめる。リズムセクションが強調されており、力強い一曲。
10. Inspection Wise 1999
リズムの効いたキャッチーな楽曲で、シンプルながらも中毒性が高い。ペレのボーカルとギターリフの掛け合いが印象的で、アルバム全体のエネルギーを維持している。
11. Knock Knock
勢いのあるビートと、ハイエナジーなギターが印象的なトラック。短いながらも強烈なエネルギーで駆け抜ける、パンクとガレージロックの融合が楽しめる。
12. Supply and Demand
アルバムの最後を締めくくるパワフルなトラックで、シンプルなリフとリズムが印象的。反骨精神とパンク的なメッセージが感じられ、アルバム全体のテーマを見事に締めくくる。
アルバム総評
Veni Vidi Viciousは、The Hivesが世界的にブレイクするきっかけとなったアルバムであり、ガレージロックのエネルギーが詰まった名盤である。「Hate to Say I Told You So」や「Main Offender」など、攻撃的でキャッチーなトラックが並び、シンプルで力強いサウンドが特徴的である。バンドの荒々しいパフォーマンスと反骨精神に満ちた歌詞がリスナーの心を掴み、ガレージロックの原点に立ち返りながらも新鮮なインパクトを与える。The Hivesの勢いと自信が溢れるこのアルバムは、ガレージロックリバイバルの名作として今なお多くのファンに愛されている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Is This It by The Strokes
2000年代ガレージロック・リバイバルの代表作で、The Hivesと同様にキャッチーでシンプルなサウンドが特徴的。 - White Blood Cells by The White Stripes
ミニマルでパワフルなガレージロックが楽しめる一枚で、ギターとドラムのシンプルな構成ながらも圧倒的なエネルギーを放つ。 - Up the Bracket by The Libertines
イギリスのガレージロックバンドによるデビューアルバム。エネルギッシュでシンプルなサウンドが楽しめ、反骨精神に溢れた一枚。 - Highly Evolved by The Vines
オーストラリアのガレージロックバンドのデビュー作で、The Hivesと同様に荒々しくキャッチーなメロディが楽しめる。 - Raw Power by Iggy and the Stooges
プロト・パンクの名盤で、The Hivesに影響を与えた荒々しいサウンドが特徴。攻撃的でエネルギッシュなパフォーマンスが魅力。
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