発売日: 2008年3月24日
ジャンル: インディーロック、ニューウェーブ、エレクトロポップ
Twenty Oneは、ロンドンのバンドMystery Jetsが発表した2作目のスタジオアルバムで、前作Making Densで見せたサイケデリックで実験的なサウンドから大きく方向転換し、よりポップでエレクトロニックな要素を取り入れた作品である。アルバムタイトルは、当時のバンドメンバーが21歳に達することを記念しており、若者の恋愛や失恋、成長がテーマに織り込まれている。バンドは、ニューウェーブやエレクトロポップの影響を色濃く取り入れ、キャッチーでダンサブルな楽曲を多数収録。特にリードシングル「Young Love」では、エレクトロポップの女王Laura Marlingとのデュエットが話題を呼び、バンドにとって新たなファン層を開拓するきっかけとなった。
本作は、プロデューサーにErol Alkanを迎え、ダンサブルなビートと繊細なシンセサウンドが特徴的で、Mystery Jetsにとって新境地を開拓した作品となっている。「Two Doors Down」や「Half in Love with Elizabeth」などのキャッチーなメロディとリズミカルなアレンジが際立ち、バンドの軽快なエネルギーとノスタルジックなメロディが見事に調和している。Twenty Oneは、インディーロックとエレクトロポップのファンにとって魅力的な作品であり、Mystery Jetsの成長と進化が感じられるアルバムである。
トラックごとの解説
1. Hideaway
エネルギッシュでパワフルなビートが印象的なオープニングトラック。リズミカルなギターとシンセが組み合わさり、アルバムの幕開けを鮮やかに飾る。
2. Young Love (feat. Laura Marling)
ポップで軽快なナンバーで、Laura Marlingとのデュエットが魅力的。キャッチーなメロディと親しみやすい歌詞がリスナーに響き、アルバムの代表曲として人気を集めた。
3. Half in Love with Elizabeth
アップテンポでノスタルジックな雰囲気が漂う楽曲。軽快なメロディとロマンチックな歌詞が、Mystery Jetsの青春らしい一面を表現している。
4. Veiled in Grey
メロディアスでややダークな雰囲気が特徴のトラック。バンドの繊細で感傷的な側面が表れており、他の曲とは一線を画すエモーショナルな一曲。
5. Two Doors Down
アルバムのハイライトであり、80年代のニューウェーブを彷彿とさせるポップなトラック。キャッチーでダンサブルなメロディが印象的で、Mystery Jetsの代表曲の一つに数えられる。
6. MJ
リズミカルでエネルギッシュなサウンドが特徴のトラックで、バンドのポップでダンサブルな一面が感じられる。ノスタルジックなメロディが心地よい。
7. Umbrellahead
カラフルなシンセサウンドと軽快なリズムが融合した楽曲。ユニークな構成とエキセントリックなサウンドが特徴で、アルバムに新鮮な風を吹き込んでいる。
8. Hand Me Down
ノスタルジックでメランコリックなメロディが印象的な一曲。Mystery Jetsの叙情的な一面が際立ち、アルバムの中でも特に感傷的なトラック。
9. First to Know
リズムが変化しながら展開するトラックで、軽快なギターリフとダンサブルなビートが耳に残る。ポップでエネルギッシュな一曲。
10. Flakes
バンドの感傷的な側面が表現されたバラード。静かに展開されるメロディと、情緒的な歌詞が心に染みる一曲で、アルバムの中で異彩を放つ存在。
11. Behind the Bunhouse
エモーショナルなサウンドが特徴のラストトラックで、アルバム全体のテーマをまとめ上げる。感傷的なムードが漂い、余韻を残しながらアルバムを締めくくる。
アルバム総評
Twenty Oneは、Mystery Jetsがこれまでの実験的なサウンドからポップでダンサブルな方向へシフトした作品で、ニューウェーブやエレクトロポップの要素を取り入れた楽曲が印象的だ。シンセサウンドと軽快なリズムが多用され、若者らしいエネルギーとロマンチックな感性が詰まった内容となっている。「Two Doors Down」や「Young Love」のようなキャッチーでポップな楽曲は、アルバム全体の軽快さと親しみやすさを増し、Mystery Jetsの音楽的な成長が感じられる。Twenty Oneは、Mystery Jetsの新たな魅力を引き出し、インディーシーンでの評価を確立した一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
A Weekend in the City by Bloc Party
エモーショナルでエレクトロニックなアレンジが特徴。ポップなメロディとダンサブルなリズムが、Twenty Oneのファンにも響く作品。
Antidotes by Foals
エクスペリメンタルでリズミカルなサウンドが印象的なアルバムで、エレクトロポップとインディーロックの融合が楽しめる。
Silent Alarm by Bloc Party
エネルギッシュでメロディックなインディーロックの名盤。Mystery Jetsのダンサブルなエネルギーと重なる部分が多い。
Oracular Spectacular by MGMT
サイケデリックなエレクトロポップが特徴で、カラフルで夢幻的なサウンドがTwenty Oneのファンに共感を呼ぶ作品。
Costello Music by The Fratellis
ポップでキャッチーなサウンドが詰まったアルバムで、Mystery Jetsのポップな一面が好きなリスナーにおすすめ。
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