- 発売日: 2013年11月26日 (EP)
- ジャンル: エレクトロ・ソウル、ジャズ、ダウンテンポ、インストゥルメンタル・ヒップホップ
フランスのマルチインストゥルメンタリスト、FKJ（French Kiwi Juice）によるTime for a Changeは、彼のデビューEPであり、スムーズでソウルフルなサウンドをベースにしたリラックスした音楽が詰まっている。本作では、ジャズ、ソウル、エレクトロニックを巧みに組み合わせ、FKJ独特のグルーヴ感あふれるビートが響く。また、サックスやピアノなどの生楽器を積極的に取り入れ、温かみのあるサウンドが特徴で、リスナーを豊かな音の世界へと誘う。
FKJは、サンプリングと生演奏を融合しながら、レイドバックしたトラックを作り上げるアーティストであり、この作品は彼のスタイルを確立した一枚といえる。ジャジーなビートに乗せて、落ち着きとリラックスを提供する楽曲が並んでおり、都会の夜のサウンドトラックや、リラックスしたいひとときにぴったりの作品となっている。
トラック解説
1. Instant Need
EPのオープニングトラックで、FKJの特徴的なジャジーなコード進行と、ゆったりとしたグルーヴが心地よく広がる。繊細なピアノと洗練されたビートが、穏やかなリズムを生み出し、リスナーをリラックスさせる。都会の夜を思わせるサウンドスケープが印象的。
2. So Much to Me
ソウルフルなベースラインと温かみのあるシンセサウンドが絡み合うトラックで、シンプルなメロディが深い感情を引き出す。リズムに乗ったピアノが曲全体を引き立て、心地よい浮遊感が感じられる。穏やかで優しい雰囲気が、FKJの多才な音楽性を示している。
3. Stay a Child
メロウなビートとジャジーなピアノが特徴の一曲で、無邪気さやノスタルジアを感じさせるメロディが印象的。タイトルの「Stay a Child」に込められた意味を象徴するように、リラックスした雰囲気と懐かしさが交錯し、FKJの演奏が楽曲に深みを与えている。
4. Unchained
ダウンテンポでグルーヴィーなトラックで、FKJのスムーズなサウンドが際立つ。落ち着いたビートとピアノが優雅に流れ、サックスが絶妙なタイミングで入ることで、曲にエレガントさと情感が加わっている。静かに高揚感を持たせるアレンジが秀逸。
5. Open the Door
ソウルフルでありながらメランコリックなトラックで、夢見心地のシンセサウンドが印象的。しっとりとしたピアノと暖かなベースラインが、どこか切ない雰囲気を醸し出しており、FKJの感情的な演奏が光る。終盤にかけて徐々に高まるビートがリスナーを引き込む。
6. Time for a Change
タイトル曲であり、EPの締めくくりにふさわしい一曲。落ち着いたテンポとジャジーなコード進行が織りなすサウンドは、タイトル通りの「変化」を思わせる。ゆったりとしたリズムが、静かに前進するような感覚を与え、FKJのソウルフルな音楽性が詰まっている。
アルバム総評
Time for a Changeは、FKJが持つ洗練されたサウンドを凝縮した作品であり、エレクトロ、ジャズ、ソウルが絶妙に混ざり合った楽曲が並ぶ。各トラックに流れる心地よいグルーヴと、彼の多彩な楽器演奏がリスナーを穏やかな音の旅へと誘い、都会的でスタイリッシュな雰囲気を漂わせる。リラックスしたいときや、夜のドライブ、落ち着きのひとときにぴったりなアルバムである。FKJはこの作品で、彼のサウンドの基礎を確立し、後の活動に繋がる礎を築いた。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Late Night Tales by Bonobo
ダウンテンポとエレクトロニックの要素が融合した、リラックスできる作品。FKJのサウンドと同様に、都会的で洗練された雰囲気が楽しめる。 - It Is What It Is by Thundercat
ジャズとソウルを融合した、ベーシストThundercatのアルバム。FKJのジャジーなサウンドが好きなリスナーにはぴったり。 - Cure by Moonchild
ネオソウルとジャズの要素が調和した作品で、メロウなビートと穏やかなサウンドが特徴。FKJファンにおすすめの一枚。 - 99.9% by Kaytranada
ダンスビートとソウルフルなエレクトロが融合したアルバムで、FKJのファンキーなサウンドと共鳴する部分がある。 - Drift by Nosaj Thing
静かなエレクトロニカとダウンテンポが心地よい一枚。FKJのミニマルなスタイルに共通するリラックスしたサウンドが特徴。
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