PDA by Interpol（2002年）楽曲解説

ロック

2025.01.07

1. 歌詞の概要
2. 歌詞のバックグラウンド
3. 歌詞の抜粋と和訳
4. 歌詞の考察
5. この曲が好きな人におすすめの曲
6. 楽曲の影響と評価

1. 歌詞の概要

「PDA」は、Interpolのデビューアルバム『Turn on the Bright Lights』（2002年）に収録された楽曲のひとつであり、バンドの初期の代表曲として高い評価を受けています。この楽曲は、リリース前からバンドのライブで披露されており、Interpolの初期のサウンドを象徴する重要な一曲です。

歌詞は、関係性の終わりや崩壊を暗示し、無関心や孤独感がテーマとして浮かび上がります。特に、「PDA」というタイトルは「Public Display of Affection（公共の場での愛情表現）」の略であると一般に解釈されていますが、楽曲ではそれを皮肉的に、また冷ややかに使っていると考えられます。

メロディは、鋭いギターリフと力強いリズムが特徴的で、ポストパンクリバイバルのエッセンスを存分に含んでいます。特にエンディングの長いギターセクションは、楽曲全体をダイナミックに締めくくる見どころのひとつです。

2. 歌詞のバックグラウンド

「PDA」は、Interpolが初期の段階からライブで演奏していた楽曲で、2002年のアルバムリリース以前にデモ版としてリリースされていました。これにより、バンドが契約を結ぶきっかけとなり、デビューアルバム『Turn on the Bright Lights』の制作へとつながりました。

楽曲の構成は、複雑でありながらも感情的な緊張感を維持するバンドの特徴がよく表れています。ポール・バンクスの抽象的で詩的な歌詞は、リスナーに具体的な解釈を押し付けることなく、個々の体験に基づいた共感を呼び起こします。バンドの特徴的なサウンド、特にダニエル・ケスラーのギターとカルロス・デンゲラーのベースラインが、この曲に独特のエッジを加えています。

3. 歌詞の抜粋と和訳

以下に「PDA」の歌詞の一部を抜粋し、和訳を添えます。

英語

Yours is the only version of my desertion
That I could ever subscribe to
That is all that I can do

日本語訳

君の語る僕の裏切りだけが
僕が納得できる唯一の物語なんだ
僕にできるのは、それを受け入れることだけ

英語

Sleep tight, grim rite
We have two hundred couches where you can
Sleep tonight

日本語訳

安らかに眠れ、薄暗い儀式よ
今夜眠れる場所は
二百ものソファがある

英語

You have got to be kidding me
It was the smallest room for the biggest plan

日本語訳

冗談だろう
大きな計画に対して、部屋はあまりに狭すぎた

4. 歌詞の考察

「PDA」の歌詞は具体的な物語というよりも、抽象的で断片的なイメージの積み重ねで構成されています。特に、別れや喪失、関係の断絶を暗示する内容が中心にあると解釈されています。また、「二百のソファ」という奇妙なイメージは、現実からの切り離された空間や感情的な無関心を象徴しているかのようです。

「冗談だろう（You have got to be kidding me）」というラインには、自己欺瞞や期待外れの感情が込められており、リスナーに複雑な感情を想起させます。また、タイトル「PDA」は、本来「愛情表現」を指す言葉ですが、この曲では冷たさや皮肉を含む形で使われているように感じられます。

5. この曲が好きな人におすすめの曲

“Obstacle 1” by Interpol
同じアルバムに収録されており、鋭いギターリフと内省的な歌詞が「PDA」と共通しています。
“Red Light” by Interpol
バンドの他の楽曲の中でも暗く魅惑的な雰囲気が特徴で、PDAと似たテーマを感じさせます。
“Heart in a Cage” by The Strokes
ギターの力強いリフとエネルギーのある展開が共通しており、ポストパンクリバイバルのファンにおすすめです。