発売日: 1988年8月9日
ジャンル: ハードロック / グラムメタル
Out of This Worldは、ヨーロッパが世界的成功を収めたThe Final Countdownに続いてリリースした4作目のスタジオアルバムである。前作の圧倒的な人気を背景に制作されたこのアルバムでは、バンドはより洗練されたメロディと多層的なアレンジを追求している。ギタリストのジョン・ノーラムが脱退し、新たにキーボードにも精通したキー・マルセロが加入。彼のテクニカルなギタープレイがサウンドに新たな彩りを加えている。
プロデュースは、デフ・レパードやフォリナーとの仕事で知られるロン・ネヴィソンが手掛け、クリアでパワフルな音像が特徴となっている。本作は、ラジオフレンドリーなハードロックと叙情的なバラードがバランス良く収録されており、ヨーロッパの音楽性がさらなる成熟を遂げた一枚だ。
各曲解説
1 Superstitious
アルバムのオープニングを飾る、キャッチーでドラマチックな一曲。力強いギターリフとジョーイ・テンペストの情感豊かなボーカルが特徴で、サビのメロディは耳に残る。歌詞は迷信や運命について語っており、ギターソロとキーボードの掛け合いが絶妙だ。
2 Let the Good Times Rock
明るく前向きなエネルギーに満ちたロックナンバー。軽快なリズムとキャッチーなサビが特徴で、ライブでも盛り上がる一曲だ。キー・マルセロのギターソロはメロディアスかつパワフルで、新加入メンバーの実力をアピールしている。
3 Open Your Heart
もともとはバンドのセカンドアルバムWings of Tomorrowに収録されていた曲を再アレンジしたバラード。叙情的な歌詞と美しいメロディが際立ち、ジョーイのボーカルが感情的に響く。新しいアレンジによって、曲に洗練された深みが加わっている。
4 More Than Meets the Eye
疾走感のあるギターリフと力強いリズムが特徴の楽曲。歌詞は自己発見と成長をテーマにしており、ポジティブなエネルギーが溢れている。マルセロのギターとテンペストのボーカルが絶妙に調和している。
5 Coast to Coast
壮大なバラードで、広がりのあるアレンジが特徴。歌詞は別れの哀しみを描いており、ジョーイのボーカルがその感情を切実に伝える。キー・マルセロのギターソロが曲のクライマックスをドラマチックに盛り上げている。
6 Ready or Not
アルバム後半のハイライトとなる、勢いのあるロックナンバー。イントロのギターリフが印象的で、パワフルなコーラスがサビを引き立てている。スピーディーな展開とダイナミックな演奏が心地よい一曲だ。
7 Sign of the Times
キャッチーなメロディとユニークなリズムパターンが印象的な楽曲。歌詞は変化の兆しをテーマにしており、テンペストのボーカルが力強いメッセージを伝える。ギターとキーボードの掛け合いが楽曲に深みを与えている。
8 Just the Beginning
爽やかで希望に満ちたメロディが特徴の一曲。歌詞は新しいスタートをテーマにしており、ジョーイの歌声が楽曲にポジティブな雰囲気を加えている。アルバム全体のトーンを象徴する楽曲だ。
9 Never Say Die
力強いビートとキャッチーなサビが特徴のハードロックナンバー。歌詞は逆境に屈しない精神を歌っており、エネルギッシュなギターリフが楽曲を引き立てている。
10 Lights and Shadows
ミステリアスでドラマチックな雰囲気を持つ楽曲。歌詞は人生の光と影をテーマにしており、テンポの変化やアレンジの緻密さが印象的だ。
11 Tower’s Callin’
壮大なバラードで、アルバムの中でも特に叙情的な一曲。ジョーイのボーカルが哀愁を帯び、キー・マルセロのギターが楽曲にスケール感を加えている。クライマックスの展開が感動的で、心に残る楽曲だ。
12 Tomorrow
アルバムのラストを締めくくる明るく希望に満ちた楽曲。歌詞は未来への期待を歌い上げており、ポジティブなエネルギーが全体に広がっている。軽快なリズムとキャッチーなメロディが、アルバムの終わりを爽やかに彩る。
アルバム総評
Out of This Worldは、前作The Final Countdownの成功を受けて、さらに洗練された音楽性を追求した作品だ。キー・マルセロの加入により、ギターワークが新しい次元へ進化し、楽曲のクオリティも全体的に向上している。キャッチーなメロディと叙情的なバラードのバランスが絶妙で、ヨーロッパの幅広い音楽性を堪能できる一枚となっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
The Final Countdown by Europe
ヨーロッパ最大のヒット作で、本作のファンなら外せない一枚。
Slippery When Wet by Bon Jovi
キャッチーなメロディとドラマチックな楽曲が共通する1980年代の代表的な作品。
Crazy Nights by Kiss
ラジオフレンドリーなハードロックを楽しめるアルバムで、メロディアスな楽曲が多い。
Hysteria by Def Leppard
メロディアスで洗練されたハードロックアルバムで、本作との共通点が多い。
Rising Force by Yngwie Malmsteen
北欧メタルらしいテクニカルなギターとドラマチックな楽曲が楽しめる名盤。
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