発売日: 2009年1月20日
ジャンル: インディーロック、アコースティック、ローファイ
親密な空間で奏でるRivers Cuomoの音楽——ファンとの特別なライブ体験
Not Alone – Rivers Cuomo & Friends: Live at Fingerprints は、Weezer のフロントマン Rivers Cuomo によるアコースティック・ライブアルバムで、カリフォルニア州ロングビーチにあるインディーレコードショップ Fingerprints で行われたパフォーマンスを収録した作品だ。
本作は、Cuomoとファンとの距離が非常に近い、インティメイトな雰囲気のライブ録音 であり、彼のソロ楽曲やWeezerの楽曲を、シンプルなアコースティック編成で披露しているのが特徴。観客とのやりとりやカジュアルな雰囲気がそのまま記録されており、まるでその場にいるような感覚で楽しめる。
全曲レビュー
1. I Was Made for You
アコースティックギターの柔らかい音色とCuomoの温かいボーカルで始まるオープニング。オリジナルのスタジオ版と比べ、より親密な雰囲気が際立つ。
2. I Want to Take You Home Tonight
前作 Alone II に収録された楽曲のライブバージョン。ファンの歓声や笑い声が入り、ホームパーティーのようなリラックスした空気が感じられる。
3. Can’t Stop Partying
本来はポッププロデューサー Jermaine Dupri とのコラボレーションで書かれた楽曲だが、ここではシンプルなアコースティックバージョンで披露される。ダークな歌詞と軽快なアレンジの対比が面白い。
4. The Prettiest Girl in the Whole Wide World
しっとりとしたバラード。Weezerの公式リリースでは聴けない、Cuomoの素朴な魅力が詰まった楽曲のひとつ。
5. Say It Ain’t So
Weezerの名曲をアコースティックバージョンで披露。オリジナルのエネルギッシュなアレンジとは異なり、より感情的でパーソナルな雰囲気が漂う。観客の合唱が加わり、ライブの一体感を感じることができる。
6. Wondering
Weezerのデモ音源として知られる楽曲のライブ版。リリースされたことのないレア曲をライブで聴けるのは、ファンにとって嬉しいポイント。
7. Buddy Holly
Weezerの代表曲のひとつで、アコースティックギター一本で披露。通常のバンド演奏とは異なり、カジュアルな雰囲気が楽しい。
8. Blast Off!
幻のロック・オペラ Songs from the Black Hole に収録予定だった楽曲のライブバージョン。宇宙をテーマにしたユニークな歌詞が際立つ。
9. Silent Night
最後に演奏されるのは、意外にもクリスマス・キャロル「Silent Night」。ライブの最後にふさわしい、穏やかで心温まるエンディング。
総評
Not Alone – Rivers Cuomo & Friends: Live at Fingerprints は、Rivers Cuomo の音楽をより身近に感じられる、温かみのあるライブアルバム だ。
通常のWeezerのライブとは異なり、アコースティックギターのみを用いた演奏や、観客とのやり取りがそのまま収録されているため、まるで彼のリビングルームでプライベートライブを聴いているような気分になる。また、セットリストにはWeezerの代表曲だけでなく、Alone シリーズに収録されたソロ楽曲や未発表曲も含まれており、ファンにとっては貴重なトラックが満載。
音楽的にはローファイでシンプルだが、その分Cuomoの歌声や歌詞がより際立ち、彼のアーティストとしての魅力を改めて感じることができる。
おすすめのリスナー:
- Rivers Cuomo のよりパーソナルなライブパフォーマンスを楽しみたい人
- アコースティックバージョンの Weezer の楽曲を聴いてみたい人
- 観客との距離が近いインティメイトなライブ録音が好きな人
おすすめアルバム
1. *_Weezer – _MTV Unplugged (Unofficial Recordings)__
Weezerの楽曲をアコースティックセットで楽しめるライブ音源（非公式）。本作と似た親密な雰囲気を持つ。
2. Rivers Cuomo – Alone: The Home Recordings of Rivers Cuomo (2007)
Cuomoのソロワークの原点とも言える未発表デモ音源集。彼のソングライティングの過程を深く知ることができる。
3. Elliott Smith – Either/Or (1997)
ローファイで親密なアコースティックサウンドを楽しみたいなら、このアルバムもおすすめ。
4. Jeff Tweedy – Together at Last (2017)
Wilco のフロントマン Jeff Tweedy が自身の楽曲をアコースティックで演奏したアルバム。Cuomo のライブセットと共通する要素が多い。
5. The Mountain Goats – The Coroner’s Gambit (2000)
ローファイなアコースティックサウンドとパーソナルな歌詞が特徴的で、本作の雰囲気と似ている。
Not Alone は、通常のライブアルバムとは一線を画す、親密でアットホームな作品だ。シンプルな楽器編成だからこそ、Rivers Cuomo のソングライティングの魅力が際立ち、ファンにとっては特別な一枚となることは間違いない。
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