発売日: 2013年5月7日
ジャンル: ガレージロック、インディーロック、パワーポップ
MCIIは、Mikal Croninの2作目のスタジオアルバムで、デビュー作からさらにポップでメロディアスな要素が強調された作品である。MCIIは、個人的な成長や関係性の変化をテーマにした楽曲が多く、クローニンが抱える葛藤や希望が込められている。ガレージロックのエネルギーにポップのキャッチーさが融合したサウンドは、洗練されたメロディと感情的なリリックで、前作よりも一層親しみやすい印象だ。
プロデュースを手掛けたクローニン自身が、アコースティックギターやピアノ、弦楽器を取り入れ、より多様で奥深いサウンドを実現。特に、シングル「Weight」や「Shout It Out」では、メロディとパワフルなボーカルが印象的で、クローニンの音楽的成長を感じさせる。MCIIは、ガレージロックの中にあるメロディアスな美しさを引き出し、クローニンのアーティストとしての幅を広げた一枚である。
トラックごとの解説
1. Weight
アルバムのオープニングを飾るリードシングルで、軽快なギターポップサウンドが特徴。心の重荷やプレッシャーをテーマにしながらも、クローニンの爽やかなボーカルとキャッチーなメロディが、解放感を与える一曲。
2. Shout It Out
パワフルで疾走感のあるナンバーで、クローニンの感情がストレートに表現されている。エネルギッシュなギターリフとシンガロングのコーラスが印象的で、ライブ映えしそうな一曲。
3. Am I Wrong
少しメランコリックなトーンが特徴で、内省的なリリックが心に響く楽曲。シンプルながらもリズム感のあるギターが心地よい。
4. See It My Way
軽やかで明るいサウンドが際立つ一曲。ポップでリズミカルなメロディと、クローニンの柔らかな歌声が心を明るくする。
5. Peace of Mind
ゆったりとしたテンポの中に、クローニンの落ち着いたボーカルとアコースティックギターが優しく響く。内面の静かな葛藤を描いたバラード。
6. Change
成長と変化をテーマにしたポップロックトラック。勢いのあるギターと力強いボーカルが、クローニンの決意と感情を象徴している。
7. I’m Done Running from You
切なさと情熱が交錯する楽曲で、クローニンのエモーショナルな歌声が印象的。ギターソロが曲のハイライトとなっている。
8. Don’t Let Me Go
アコースティックなサウンドが中心のバラードで、クローニンの素直な感情が表現されている。シンプルなアレンジが、彼の歌声を際立たせている。
9. Turn Away
爽やかなメロディが心地よいパワーポップトラックで、アルバムの中でも特にキャッチーな一曲。軽快なリズムとポップなメロディが耳に残る。
10. Piano Mantra
アルバムの最後を締めくくる荘厳なトラックで、ピアノとギターが美しく調和している。クローニンの内省的なリリックが響き、余韻を残すフィナーレにふさわしい。
アルバム総評
MCIIは、Mikal Croninがガレージロックからさらに一歩進み、メロディとリリックの深みを追求したアルバムである。シンプルながらも感情に溢れた歌詞と、ポップで聴きやすいサウンドが、彼の音楽の魅力を最大限に引き出している。ノスタルジックな雰囲気と親しみやすいメロディがアルバム全体に広がり、クローニンのアーティストとしての成長を感じさせる一枚。MCIIは、インディーロックファンやガレージロックファンにとって必聴の作品であり、クローニンのキャリアの中でも特に重要な位置を占めるアルバムである。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Manipulator by Ty Segall
タイ・セガールの作品で、ガレージロックとポップメロディが融合しており、クローニンの音楽と共通するエネルギーが感じられる。
Post-Nothing by Japandroids
力強いギターとアンセミックなサウンドが特徴で、クローニンのメロディアスな一面に共鳴する作品。
Attack on Memory by Cloud Nothings
パワフルでエモーショナルなガレージロックが楽しめるアルバムで、クローニンのダイナミックなサウンドが好きな人におすすめ。
Worship the Sun by Allah-Las
サーフロックや60年代の影響を受けたインディーロックで、ノスタルジックな雰囲気がMCIIと共通する。
Light Up Gold by Parquet Courts
パンクとインディーロックが融合した作品で、疾走感のあるトラックとストレートなリリックが楽しめる。
コメント