発売日: 2014年6月16日
ジャンル: インディーポップ、シンセポップ、エレクトロニカ
Love Frequencyは、Klaxonsの3枚目にしてラストアルバムであり、バンドがこれまでのサイケデリックなサウンドから、より洗練されたエレクトロポップやシンセポップへとシフトした作品である。本作では、プロデューサーにジェームズ・マーフィー(LCDサウンドシステム)やトム・ローランド(ケミカル・ブラザーズ)など、エレクトロニックミュージックの第一人者を迎え、ダンスビートとシンセサウンドが際立つモダンな音作りが特徴的だ。サウンドは軽快でポップながら、リズミカルでエッジの効いたエレクトロニカの要素が強く、洗練されたバンドの最終形態が感じられる。
アルバムの全体像は明るく、エネルギッシュなムードが漂うが、リリックには愛や自己探求といった深いテーマが込められている。「There Is No Other Time」や「Show Me a Miracle」といったキャッチーな楽曲がリードトラックとして印象を残し、バンドのエレクトロニカとポップの融合が最高潮に達した。バンドにとっての新しい方向性を探求した作品であり、Love FrequencyはKlaxonsの独自のサウンドが完成形として結実した一枚である。
トラックごとの解説
1. A New Reality
アルバムの幕開けを飾る楽曲で、エレクトロニックなサウンドが印象的。浮遊感のあるシンセと、明るいメロディが重なり合い、新たな現実のビジョンを描き出している。
2. There Is No Other Time
ポップでダンサブルなナンバーで、キャッチーなシンセリフとグルーヴィーなリズムが特徴的。バンドの新しい方向性を象徴する曲で、シングルとしても人気を集めた。
3. Show Me a Miracle
強力なビートとエレクトロポップのメロディが融合したトラックで、ミステリアスで高揚感のある雰囲気が漂う。明るいサウンドに隠された歌詞のメッセージが奥深い。
4. Out of the Dark
シンセサウンドとギターが融合し、リズムに重きを置いた楽曲。暗闇からの脱却をテーマにしたリリックが印象的で、ポップでありながらも内省的な一面が感じられる。
5. Children of the Sun
エネルギッシュなナンバーで、ポップなサウンドにパーカッションがアクセントを加える。明るいメロディが力強く、バンドの楽観的なムードが漂う。
6. Invisible Forces
シンセとビートが絡み合う一曲で、リズムが中心に据えられ、控えめなギターが雰囲気を引き立てている。見えない力に導かれる感覚を歌い、内省的な側面も併せ持つ。
7. Rhythm of Life
軽快なリズムと明るいシンセが特徴のトラックで、人生のリズムや流れについて歌っている。ダンスフロアにぴったりのキャッチーなナンバーで、ポジティブなエネルギーに溢れている。
8. Liquid Light
ドリーミーで浮遊感のあるサウンドが印象的なトラックで、幻想的なムードが漂う。タイトル通り、液体のように流れるようなシンセが美しい。
9. The Dreamers
アルバム終盤を飾るエモーショナルな一曲で、未来への希望と夢を見ることの大切さを歌っている。メロディアスなシンセと穏やかなリズムが心地よい余韻を残す。
10. Love Frequency
タイトル曲であり、アルバムのクライマックスとなるトラック。軽快でポップなサウンドと共に、愛のエネルギーや振動をテーマにしたリリックが描かれている。明るいエンディングが印象的。
アルバム総評
Love Frequencyは、Klaxonsがシンセポップやエレクトロニカの要素を取り入れ、よりダンサブルで軽快なサウンドを追求した作品である。ポップでキャッチーな楽曲が揃っており、これまでのサイケデリックやダークな要素とは異なる、明るくエネルギッシュな方向性が打ち出されている。新しいプロデューサー陣と共に、音楽的な洗練を目指し、エレクトロポップとしての完成度を高めた結果、バンドの進化が感じられる。Love Frequencyは、バンドの終焉を迎えたラストアルバムとしても、Klaxonsの独自のスタイルが総括された意欲作であり、新しいサウンドの地平を開拓した作品である。
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Settle by Disclosure
エレクトロニックとポップが融合したダンサブルな作品で、洗練されたリズムとメロディが魅力。Love Frequencyのファンに響くエネルギーが詰まっている。
Random Access Memories by Daft Punk
ポップとエレクトロの融合が極まった名盤で、シンセポップとエレクトロニカが好きなリスナーに最適の一枚。
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ポップとロック、エレクトロニカが絶妙に融合したアルバムで、キャッチーなメロディがLove Frequencyと通じる。
In Ghost Colours by Cut Copy
エレクトロポップとシンセサウンドが印象的な一枚で、ポップで軽快なリズムがKlaxonsのサウンドと似通っている。
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インディーロックとエレクトロポップが融合したアルバムで、軽やかでドリーミーなサウンドが特徴。Klaxonsのポップな面を気に入ったリスナーにおすすめ。
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