Let It Go by Idina Menzel(2013)楽曲解説

 

1. 歌詞の概要

Let It Go」は、2013年にディズニーのアニメーション映画**『アナと雪の女王(Frozen)』のために書かれた楽曲で、アメリカの女優・歌手であるイディナ・メンゼル(Idina Menzel)**によって歌われました。この曲は、映画の中で主人公エルサが自分の力を受け入れ、恐れから解放される瞬間に歌われる重要な楽曲です。

歌詞では、「もう過去の自分には縛られない。私は私として生きるんだ」というエルサの心境の変化が表現されており、自由、自己受容、変化の肯定がテーマとなっています。「Let It Go(ありのままで)」というタイトルの通り、社会の期待や制約を捨て、自分の本当の姿を受け入れることが、この楽曲の中心的なメッセージです。

2. 歌詞のバックグラウンド

「Let It Go」は、映画『アナと雪の女王』のために、ロバート・ロペス(Robert Lopez)とクリステン・アンダーソン=ロペス(Kristen Anderson-Lopez)によって作曲・作詞されました。彼らは、エルサのキャラクターの変化を表現するために、この曲を制作しましたが、当初の映画のストーリーでは、エルサはより典型的な「悪役」として描かれる予定でした。しかし、「Let It Go」の楽曲が持つ力強いメッセージが、制作チームにエルサをより複雑なキャラクターへと作り変えるきっかけを与えました。

この曲は、第86回アカデミー賞(2014年)で最優秀歌曲賞を受賞し、世界中で大ヒットしました。また、イディナ・メンゼルが歌うバージョンと、エンドクレジット版としてデミ・ロヴァートが歌うバージョンが存在しますが、より感情的でドラマティックな表現が際立つイディナ・メンゼル版が特に人気を博しました

3. 歌詞の抜粋と和訳

以下に「Let It Go」の歌詞の一部を抜粋し、日本語訳を添えます。

原文:

The snow glows white on the mountain tonight
Not a footprint to be seen
A kingdom of isolation
And it looks like I’m the queen

和訳:

今夜 山には白い雪が輝いている
足跡ひとつ残っていない
孤独の王国
そして どうやら私はその女王みたい


原文:

Let it go, let it go
Can’t hold it back anymore
Let it go, let it go
Turn away and slam the door

和訳:

もう ありのままで
もう 抑えつけられない
ありのままで
振り返らず 扉を閉める


原文:

It’s funny how some distance
Makes everything seem small
And the fears that once controlled me
Can’t get to me at all

和訳:

少し離れてみると
すべてが小さく見える
かつて私を支配していた恐れは
もう 何の力も持たない


原文:

Here I stand and here I’ll stay
Let the storm rage on

和訳:

ここに私は立って ここで生きる
嵐よ 吹き荒れるがいい

歌詞の完全版は こちら で確認できます。

4. 歌詞の考察

「Let It Go」は、単なるディズニー映画の挿入歌ではなく、エルサの内面の変化を象徴する力強い楽曲です。

特に、「Let it go, let it go(ありのままで)」というリフレインは、彼女がこれまで抱えていた抑圧や恐れを手放し、自由に生きる決意を示している重要なラインです。

また、「**The fears that once controlled me can’t get to me at all(かつて私を支配していた恐れは、もう何の力も持たない)」**という歌詞は、エルサが自分の力を受け入れ、過去のトラウマから解放される瞬間を描いています

「**Here I stand, and here I’ll stay(ここに私は立って、ここで生きる)」**というラインは、エルサが外の世界の期待やプレッシャーに縛られず、自分自身として生きることを選んだことを象徴しています。

この楽曲は、LGBTQ+コミュニティや、自己受容のプロセスに悩む人々にとっても強い共感を呼ぶメッセージとなり、広く愛されるようになりました。

5. この曲が好きな人におすすめの曲

  • Into the Unknown” by Idina Menzel(『アナと雪の女王2』)
    「Let It Go」の続編的な楽曲で、未知への挑戦を歌ったナンバー。
  • Defying Gravity” by Idina Menzel(『Wicked』)
    自己解放と新しい世界への飛躍をテーマにした、ブロードウェイの名曲。
  • “How Far I’ll Go” by Auli’i Cravalho(『モアナと伝説の海』)
    自分の運命を切り開くことを歌ったディズニーのアンセム。
  • “Reflection” by Christina Aguilera(『ムーラン』)
    自分の本当の姿を求める心情を歌ったバラード。
  • “Brave” by Sara Bareilles
    自分らしく生きることをテーマにしたポップソング。

6. 「Let It Go」の影響と評価

「Let It Go」は、ディズニーの歴史において最も成功した楽曲のひとつとなり、世界中のリスナーに大きな影響を与えました

  • 2014年アカデミー賞で最優秀歌曲賞を受賞
  • 2015年グラミー賞で最優秀映画・テレビ・メディア楽曲賞を受賞
  • 全世界で累計1,000万枚以上の売り上げを記録
  • YouTubeで10億回以上再生される大ヒット

また、この楽曲は多くの言語で翻訳され、世界中の子どもや大人に愛されるディズニーソングの代表格となりました。映画の成功とともに、イディナ・メンゼルの名を世界的に広めるきっかけにもなりました

さらに、「Let It Go」は**「自己解放」「自己肯定」のテーマを持つため、特にLGBTQ+コミュニティや、アイデンティティに悩む人々にとってのアンセム**となり、社会的にも大きな意味を持つ楽曲となりました。

まとめ

「Let It Go」は、自己受容と解放をテーマにしたディズニーの象徴的な楽曲。エルサの成長をドラマティックに描き、全世界で共感を呼んだ。アカデミー賞受賞曲として音楽的にも高く評価され、ディズニー史に残る名曲として今なお影響を与え続けている。」

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