- 発売日: 1970年11月
- ジャンル: ブルースロック、ロック
Layla and Other Assorted Love Songsは、エリック・クラプトンが新たに結成したバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスの唯一のスタジオアルバムであり、ブルースロックの歴史に残る名盤として高く評価されている。クラプトンの情熱的なギターと、デュアン・オールマンのスライドギターが絡み合い、失恋や渇望をテーマにした曲が並ぶこのアルバムは、クラプトンの個人的な感情が色濃く反映された作品でもある。特に「Layla」は、当時クラプトンが友人ジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドへの秘めた恋心を歌ったもので、その激しい感情が全編を通して響き渡っている。
アルバム全体にはブルースの伝統が息づき、ギターリフとソロがエネルギッシュに展開され、クラプトンの歌声が深い哀愁を帯びている。商業的には当初それほど注目されなかったものの、時間を経てその音楽的な価値が再評価され、今ではクラプトンの代表作のひとつとして認められている。
トラック解説
1. I Looked Away
アルバムの冒頭を飾るアップテンポなブルースロック。別れの悲しみを歌っており、クラプトンの軽快なギタープレイと哀愁漂うメロディが心地よく響く。オープニングにふさわしい、感情的な一曲。
2. Bell Bottom Blues
クラプトンの切実な恋心を描いたバラードで、パティ・ボイドへの渇望が色濃く表れている。スローテンポなリズムとエモーショナルなボーカルが聴きどころで、特にコーラスの「Do you want to see me crawl across the floor?」の歌詞が心に刺さる。
3. Keep on Growing
デュアン・オールマンがギターで参加しており、軽快で伸びやかなギタープレイが印象的なナンバー。愛と成長をテーマにしたポジティブなメッセージが込められている。クラプトンとオールマンの掛け合いが見事。
4. Nobody Knows You When You’re Down and Out
ブルースのスタンダードナンバーをカバーした一曲で、友情や困難に対する複雑な感情を歌っている。クラプトンのソウルフルなボーカルが楽曲に深みを与え、バンドの一体感が伝わる。
5. I Am Yours
トーピンの詩的な歌詞とエキゾチックなメロディが特徴のラブソングで、クラプトンの柔らかいボーカルが温かみを添える。愛の誓いが描かれた、落ち着いたバラード。
6. Anyday
エリック・クラプトンとデュアン・オールマンのギターデュオが光るナンバー。愛と喪失をテーマにした力強い曲で、ギターのリフが耳に残る。クラプトンの歌声が、内に秘めた感情を表現している。
7. Key to the Highway
ブルースのクラシックナンバーで、ジャムセッションのようなリラックスした演奏が魅力的。8分を超える長尺のトラックで、クラプトンとオールマンのインタープレイが堪能できる。ギターソロの応酬が圧巻。
8. Tell the Truth
ファンキーでテンポの速いロックナンバーで、クラプトンの情熱的なギタープレイが特徴的。デュアン・オールマンのギターも加わり、バンドの勢いとエネルギーが存分に発揮されている。
9. Why Does Love Got to Be So Sad?
疾走感あふれる楽曲で、失恋の痛みと混乱を激しいギターと共に表現している。クラプトンのボーカルとギターが絡み合い、悲しみと怒りが渦巻くエモーショナルな一曲。
10. Have You Ever Loved a Woman
ブルースのスタンダード曲で、クラプトンのブルースルーツが感じられる。彼の切ないボーカルとギタープレイが、未練と葛藤を描き出している。シンプルながらも心に響く演奏。
11. Little Wing
ジミ・ヘンドリックスの名曲をカバーしたトラックで、クラプトンとバンドのリスペクトが感じられる。オールマンのスライドギターが楽曲に哀愁を与え、オリジナルに劣らない感動を呼び起こす。
12. It’s Too Late
短めのブルースナンバーで、シンプルなギタープレイが印象的。クラプトンのボーカルが苦しみと切なさを滲ませ、アルバムのブルース的なテーマを際立たせている。
13. Layla
アルバムのハイライトで、クラプトンの代表曲。「Layla」という名前の女性に対する禁断の愛と、届かない想いが激しく歌われている。デュアン・オールマンのスライドギターと、ピアノが切なさを極限まで引き立て、ロック史に残るギターリフとともに、クライマックスを迎える。
14. Thorn Tree in the Garden
アルバムの最後を締めくくるアコースティックなバラードで、デリケートで穏やかなメロディが印象的。喪失感と希望が交錯するような曲で、エモーショナルな余韻を残す。
アルバム総評
Layla and Other Assorted Love Songsは、エリック・クラプトンがブルースと愛の苦悩を深く表現した、彼のキャリアにおける傑作である。アルバムを通して、クラプトンとデュアン・オールマンのギターが火花を散らし、ブルースロックの純粋な魅力を存分に堪能できる。失恋や未練といった普遍的なテーマが共感を呼び、特に「Layla」はロック史上に残る名曲として多くのリスナーに愛されている。激しいギターリフと哀愁を帯びたメロディが心を揺さぶり、このアルバムはクラプトンの音楽の頂点として位置づけられている。
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ジミ・ヘンド
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