イントロダクション
HAIM(ハイム)は、カリフォルニア出身のエスティ、ダニエル、アラナの3姉妹から成るバンドで、ポップロックとR&B、フォーク、シンセポップの要素を巧みに融合させたサウンドで世界的に人気を集めている。
2013年のデビューアルバム『Days Are Gone』で一躍注目を浴び、その後も独自の音楽スタイルを確立しながら進化を続けている。彼女たちの音楽には、Fleetwood Mac(フリートウッド・マック)やPrince(プリンス)の影響が色濃く反映されており、ヴィンテージな響きとモダンなポップセンスが共存しているのが特徴だ。
今回は、そんなHAIMの音楽キャリア、代表曲、影響を受けたアーティスト、そして彼女たちが与えた影響について深掘りしていこう。
アーティストの背景と歴史
結成の経緯
HAIMは、ロサンゼルス出身の3姉妹、エスティ(ベース・ボーカル)、ダニエル(ギター・ボーカル)、アラナ(ギター・キーボード・ボーカル)によって結成された。
幼少期から音楽好きの両親の影響を受け、家族バンド「Rockinhaim」としてイベントで演奏するなど、早くから音楽活動を開始。その後、姉妹は個々にさまざまなバンド活動を経験し、ダニエルはJulian Casablancas(ザ・ストロークス)のバックバンドとしてツアーにも参加。こうした経験を経て、2012年に本格的にHAIMとしての活動をスタートさせた。
デビューとブレイク
彼女たちは2012年にデビューEP『Forever』をリリースし、これが音楽ファンや批評家の間で話題となる。
翌2013年にはフルアルバム**『Days Are Gone』**を発表し、「The Wire」や「Falling」といったシングルがヒット。Fleetwood Macのような70年代ロックと現代的なポップが融合したサウンドが絶賛され、デビュー作にして世界的な成功を収めた。
音楽スタイルと影響
ジャンルの融合と独自のスタイル
HAIMの音楽は、ロック、ポップ、R&B、フォークをミックスしたユニークなスタイルが特徴だ。
- Fleetwood Macの影響を受けたメロディアスなロック
- 90年代R&Bのリズム感(特にドラムサウンド)
- シンセポップやエレクトロの要素を巧みに取り入れたモダンなサウンド
といった要素を組み合わせ、独特のグルーヴ感を生み出している。ダニエルの低めの歌声とエスティのスムーズなベースライン、アラナの華やかなギターリフが絶妙に絡み合い、洗練された楽曲を生み出している。
また、彼女たちはライブでの演奏力にも定評があり、エネルギッシュなステージングや3人の息の合ったパフォーマンスも魅力のひとつだ。
代表曲の解説
「The Wire」(2013)
デビューアルバム『Days Are Gone』からのシングルで、HAIMの名を世界に知らしめた曲。Fleetwood Macの「Go Your Own Way」を彷彿とさせるカントリーロック風のサウンドに、シンプルでキャッチーなコーラスが加わった名曲。
「If I Could Change Your Mind」(2013)
80年代のAORやR&Bの雰囲気を感じさせる楽曲で、ダンスミュージックの要素も含まれている。特にギターのカッティングとリズムの心地よさが際立っている。
「Want You Back」(2017)
2作目『Something to Tell You』のリードシングルで、シンプルなビートに乗せた美しいメロディと、切ない歌詞が印象的な曲。
「Now I’m In It」(2019)
エレクトロ要素を大胆に取り入れたナンバーで、ハイテンポなビートとシンセサウンドが新境地を感じさせる。歌詞は精神的なストラグルを描いており、HAIMの楽曲の中でも特に感情的な一曲。
「The Steps」(2020)
アルバム『Women in Music Pt. III』のシングルで、シンプルなギターリフとダニエルの力強いボーカルが印象的なロックソング。女性の独立心を歌った力強いメッセージが込められている。
アルバムごとの進化
『Days Are Gone』(2013)
- Fleetwood Mac風のロックとR&Bのミックス
- 「The Wire」「If I Could Change Your Mind」などの名曲を収録
- キャッチーなメロディとシンプルなグルーヴが際立つ
『Something to Tell You』(2017)
- デビュー作よりも深みのあるサウンド
- 「Want You Back」など、より洗練された楽曲
- R&B要素を強化しつつも、ロックのエネルギーは健在
『Women in Music Pt. III』(2020)
- ジャズ、エレクトロ、インディーロックの要素を融合
- 「The Steps」「Now I’m In It」など、より多様な楽曲
- 社会問題や女性の視点を歌った歌詞が印象的
影響を受けたアーティストと音楽
HAIMは、以下のアーティストから影響を受けている。
- Fleetwood Mac(メロディーとコーラスのハーモニー)
- Prince(リズムとグルーヴ感)
- Joni Mitchell(歌詞のストーリーテリング)
- Destiny’s Child(R&B的なリズム感)
影響を与えたアーティストと音楽
HAIMの音楽スタイルは、多くのアーティストに影響を与えている。特に、女性アーティストやバンドにとって、彼女たちはロールモデル的な存在となっている。
- Taylor Swift(『Evermore』『Folklore』でのフォーク的サウンド)
- Clairo(インディーポップとR&Bの融合)
- Boygenius(インディーロックの女性アーティストグループ)
まとめ
HAIMは、ヴィンテージなサウンドとモダンなポップセンスを融合させた唯一無二のバンドだ。彼女たちの音楽は、ジャンルを超えた魅力を持ち、ロック・ポップの境界を広げ続けている。
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