アルバムレビュー:Get into You by Dannii Minogue

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

発売日: 1993年10月4日(UK)
ジャンル: ダンス・ポップ、R&B、ハウス、ニュー・ジャック・スウィング


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概要

『Get into You』は、オーストラリア出身のポップシンガー、**Dannii Minogue(ダニー・ミノーグ)**による2枚目のスタジオ・アルバムであり、
デビュー作『Love and Kisses』(1991)で確立したティーン・ダンスポップ路線から、より大人びたR&Bとクラブ・ミュージックへの本格移行を示す重要な作品である。

1990年代前半のUKクラブ・シーンやUSニュー・ジャック・スウィングの潮流を吸収しながら、
本作ではサウンド・プロダクション、ヴォーカル表現ともに前作以上に洗練され、
“カイリーの妹”という立ち位置から、“UKクラブ・クイーン”への転換点として記憶される一枚となった。

特に「This Is It」「This Is the Way」「Get into You」といったシングル曲は、
90年代初頭のハイエナジーなポップとソウルフルな歌唱を融合させた好例であり、
ゲイ・クラブやUKダンスチャートでの評価が高く、後年の『Neon Nights』へと続く路線の布石にもなっている。


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全曲レビュー

1. Get into You
アルバムタイトル曲。力強くグルーヴィなビートに乗せて、恋への高揚感と誘惑をストレートに表現。
当時のクラブ・ミュージックに即したソリッドなプロダクションが特徴。

2. Show You the Way to Go
The Jacksons(ジャクソンズ)のカバー。オリジナルのソウル感を保ちつつ、女性ヴォーカルでエレガントに再解釈。
ダニーのヴォーカルの成長を感じさせる一曲。

3. This Is It
最大のヒット曲であり、元々はMelba Mooreによるディスコクラシックのカバー。
ハイNRGと90sポップの融合で、ゲイ・クラブアンセムとしての地位を確立した代表曲。

4. This Is the Way
力強くドライヴ感のあるアップテンポ・ナンバー。
「これが私のやり方」と宣言するリリックが、キャリア初期の“自立”のテーマと重なる。

5. Be Careful
スローでソウルフルなバラード。これまでのダニー作品ではあまり聴けなかった情感的な側面を見せる。

6. Love’s on Every Corner
爽やかなメロディとポジティブなメッセージが魅力の一曲。
スプリングな雰囲気を持つ、当時のラジオ向けポップ。

7. Until We Meet Again
別れと再会の間に揺れる感情を丁寧に描いたスローバラード。
高音域のコントロールが巧みで、シンガーとしての深みを感じさせる。

8. Baby Love (E-Smoove Remix)
前作のリミックス・バージョン。よりハウス寄りのトラックとなり、ダンスフロア向けの仕上がり。

9. If You Really
ミッドテンポのアーバンR&Bトラック。90sらしい打ち込みのドラムと甘いコーラスワークが特徴。

10. Wish You’d Stop Wishing
恋愛の迷いと諦めを歌ったマイナー調の一曲。
ドラマティックな展開が多く、アルバム後半の山場となる。

11. Kiss and Make Up
アップリフティングなポップナンバー。恋の和解を明るく描いたメッセージ・ソング。

12. Feeling Good
アルバムを締めくくるラストナンバー。解放感に満ちたハウス・トラックで、未来へのステップを予感させる終わり方が秀逸。


総評

『Get into You』は、Dannii Minogueが**“アイドル”から“本格派クラブ系アーティスト”へと変貌を遂げる過渡期の記録**であり、
当時のポップ・シーンではまだ稀だった、女性アーティストによるUKクラブカルチャーへの積極的な接近を示す貴重なアルバムである。

この作品では、カバー曲の巧みな再構築や、ソウル/R&Bへのリスペクトを感じさせる選曲が光っており、
ダンス・ミュージックを単なる流行ではなく、自己表現の手段として昇華していくダニーの方向性が明確に見えてくる。

商業的には姉カイリーの成功に比べて控えめではあったが、
のちの『Girl』(1997)や『Neon Nights』(2003)での再評価を導く橋渡しとして、現在では再評価が進んでいる。


おすすめアルバム(5枚)

  1. Kylie MinogueKylie Minogue』(1994)
     姉カイリーによるR&B路線の意欲作。時期的にも音楽性が近い。

  2. Lisa Stansfield『Affection』
     UK R&Bとクラブミュージックの交差点。ダニーと同時代の洗練。

  3. CeCe Peniston『Finally』
     クラブ系女性シンガーとしての成功例。『This Is It』と文脈が重なる。

  4. Sophie Ellis-Bextor『Read My Lips』
     後年のUKクラブ・ポップの潮流。『Get into You』の先にあるスタイル。

  5. Deborah Cox『Deborah Cox』
     アーバンでソウルフルな90年代R&B女性ヴォーカル作品。


後続作品とのつながり

『Get into You』を経て、ダニーはよりクラブミュージック志向を強め、
1997年の『Girl』ではハウス/トリップホップを融合した実験的な作風に、
2003年の『Neon Nights』ではダンス・ポップの女王としての地位を確立するに至る。

つまり本作は、「ダニー・ミノーグは何者か?」という問いに対して、“変わることそのもの”が答えであることを証明する第一歩だった。

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