- 発売日: 1970年4月10日
- ジャンル: ロック、ソフトロック、バロックポップ
Elton Johnは、エルトン・ジョンの2枚目のアルバムであり、アーティストとしてのキャリアを決定づけた作品である。彼の名を冠したこのアルバムは、シンガーソングライターとしての実力を世界に示し、特にシングル「Your Song」はエルトンの代表作となった。本作では、バロックポップやクラシックの影響を受けた華麗なピアノアレンジと、作詞家バーニー・トーピンの詩的なリリックが融合し、叙情的でありながら力強いサウンドが特徴的だ。
アルバム全体を通じて、エルトンのピアノ演奏が中心に据えられ、クラシカルなストリングスアレンジが楽曲に深みを与えている。この作品で彼は、ソウルフルでドラマチックな楽曲を次々と披露し、70年代のロックシーンで独自のスタイルを確立した。デビューアルバムEmpty Skyからの成長が明らかで、エルトン・ジョンの名声を確立した一枚である。
トラック解説
1. Your Song
エルトン・ジョンのキャリアを象徴するバラードで、彼の代表曲のひとつ。愛する人への思いを純粋に綴った歌詞と、温かみのあるメロディが印象的。バーニー・トーピンの詩が見事にエルトンのピアノメロディと融合し、時代を超えて愛されるラブソングとしての地位を確立している。
2. I Need You to Turn To
ハープシコードが導入された美しいバラードで、バロック音楽の影響が感じられる。エルトンの力強いボーカルとトーピンの詩的な歌詞が、曲に深い感情をもたらしている。叙情的なメロディが、孤独や渇望を静かに表現している。
3. Take Me to the Pilot
ゴスペルやソウルの要素が取り入れられたファンキーなロックナンバー。エネルギッシュなリズムとリフが特徴的で、エルトンのボーカルが力強く響く。歌詞はやや謎めいており、トーピンが言葉遊び的に描いた抽象的なイメージが面白い。
4. No Shoe Strings on Louise
ブルースの影響が色濃く感じられるロックンロールナンバーで、ボヘミアンな女性を描いた歌詞が印象的。エルトンのダイナミックなピアノプレイと、パワフルなボーカルが曲を引き立て、アルバムの中でもひときわエネルギッシュなトラックである。
5. First Episode at Hienton
叙情的でメランコリックなバラードで、少年時代の淡い恋を描いている。トーピンの詩が繊細に感情を表現し、エルトンのピアノが静かにその詩を包み込むように響く。アルバム全体の中でも特に内省的な一曲で、幻想的な雰囲気が漂う。
6. Sixty Years On
オーケストラによる壮大なアレンジが施されたドラマチックな楽曲。老年期に思いを馳せるような深いテーマが歌われており、エルトンのボーカルが力強く響く。ストリングスとピアノが調和し、荘厳で感動的なムードを生み出している。
7. Border Song
ゴスペル調の楽曲で、人間の平等や希望をテーマにした歌詞が印象的。エルトンのソウルフルなボーカルが曲のメッセージを力強く伝え、バックコーラスがゴスペル風の雰囲気をさらに高めている。後にアレサ・フランクリンによってもカバーされた。
8. The Greatest Discovery
赤ん坊の誕生という神秘的なテーマが歌われた、美しいバラード。ストリングスが曲全体に温かみを与え、エルトンのピアノが優しく響く。トーピンの歌詞が見事にエルトンのメロディと溶け合い、純粋な喜びと感動が感じられる。
9. The Cage
アップテンポなロックナンバーで、閉塞感や葛藤を描いた歌詞がエネルギッシュなメロディとマッチしている。エルトンのピアノとバンドの力強い演奏が楽曲にダイナミズムを与え、アルバムに新たな活力を加えている。
10. The King Must Die
アルバムを締めくくる壮大なバラードで、王の終焉というシリアスなテーマが描かれている。ドラマチックなストリングスとエルトンの情熱的なボーカルが曲を彩り、壮麗で感動的なフィナーレを演出している。
アルバム総評
Elton Johnは、エルトン・ジョンのキャリアを確固たるものにしたアルバムであり、彼のソングライティングと演奏力が一体となって響き合う傑作である。バーニー・トーピンとのコンビによる詩的なリリックと、クラシカルなストリングスのアレンジが、エルトンのシンガーソングライターとしての実力を最大限に引き出している。「Your Song」をはじめ、シンプルでありながら深い感動を呼ぶ楽曲が揃っており、エルトンのソウルフルなボーカルとピアノが光る一枚だ。本作はエルトン・ジョンの音楽的な成熟と進化を象徴しており、1970年代ロックの名盤として今なお評価され続けている。
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壮大で感動的な楽曲が詰まった作品。エルトンの「Your Song」に通じるような、普遍的な美しさが感じられる。
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