発売日: 1980年5月22日
ジャンル: ポップ、ディスコ、ソウル
Dianaは、ダイアナ・ロスのキャリアにおいて最も商業的に成功を収めたアルバムの一つであり、彼女の音楽スタイルを一新した作品である。アルバムはシック(Chic)のナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズがプロデュースを担当し、彼らのファンキーで洗練されたディスコサウンドが特徴的だ。80年代初期のディスコブームの最高潮にリリースされたこのアルバムは、シックのグルーヴィーなリズムとロスのエレガントなボーカルが完璧に融合したことで、彼女に新たな層のファンを獲得させることになった。
特に「Upside Down」と「I’m Coming Out」はダイアナ・ロスの代表的なヒット曲となり、ディスコサウンドを象徴する楽曲として今も愛され続けている。
各曲ごとの解説:
- Upside Down
このアルバムを象徴するリードシングルで、ディスコクラシックとして知られる大ヒット曲。ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズが手掛けたファンキーなベースラインと、軽快なギターリフが印象的。ダイアナ・ロスのソフトでしなやかなボーカルが、グルーヴィーなサウンドに見事に調和している。 - Tenderness
アルバムの中でもしっとりとしたバラード曲で、ロスの繊細な歌声が美しく響く。ディスコアルバムの中にありながら、ソウルフルなバラードとしての存在感があり、彼女の表現力の豊かさを示している。 - Friend to Friend
ピアノとストリングスが主導するエモーショナルなバラードで、友情の絆をテーマにした歌詞が心に響く。ロスのボーカルが感情豊かに曲を盛り上げ、聴き手に優しい余韻を残す。 - I’m Coming Out
アルバムのもう一つの代表曲であり、LGBTQ+コミュニティのアンセムとしても知られる楽曲。シックのプロダクションが際立ち、陽気でアップビートなサウンドが特徴的。ダイアナ・ロスの力強いボーカルと、解放感に満ちたメッセージが絶妙にマッチしている。 - Have Fun (Again)
軽快なテンポとディスコビートが際立つトラックで、自由に楽しむことを歌った陽気な楽曲。シンプルなリズムながら、エネルギッシュでダンサブルな雰囲気が魅力的だ。 - My Old Piano
ディスコビートに乗せて、ロスがピアノへの愛情を歌う遊び心のある楽曲。ナイル・ロジャースのギターが生き生きとしたグルーヴを生み出し、ダンサブルで楽しい雰囲気が漂う。軽やかでキャッチーな曲調が印象に残る。 - Now That You’re Gone
メロディアスでリズミカルなバラードで、別れの後の感情を描いている。ロスの繊細で切ないボーカルが楽曲に深みを与えており、アルバムの中でも感情的なナンバーとなっている。 - Give Up
ファンキーで力強いビートが特徴の楽曲で、決して諦めない心の強さを歌っている。ナイル・ロジャースのギターリフが躍動感を生み出し、ロスのパワフルなボーカルがそれを後押ししている。ディスコサウンドの中にしっかりとしたメッセージ性が込められている。
アルバム総評:
Dianaは、ダイアナ・ロスにとって80年代に向けた新たなスタートを切る重要な作品であり、ディスコサウンドの革新と共に彼女のアーティストとしての幅広さを示したアルバムである。ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズによる洗練されたプロダクションは、彼女のボーカルを引き立て、ファンクとディスコのエッセンスが詰まった楽曲の数々は、現在でもダンスフロアで親しまれている。特に「Upside Down」と「I’m Coming Out」は、ダイアナ・ロスのキャリアを象徴する名曲として今もなお支持され続けており、ポップミュージックの歴史に刻まれている。全体として、グルーヴィーでエネルギッシュな楽曲と、感情的なバラードのバランスが取れた作品だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚:
- C’est Chic by Chic
ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズが手掛けたシックの代表作。ファンキーなベースラインとディスコサウンドが詰まっており、Dianaのプロダクションをさらに深く堪能できる。 - Bad Girls by Donna Summer
ディスコクイーン、ドナ・サマーの名盤で、アップビートなディスコサウンドと感情豊かなバラードが融合している。ディスコ好きには外せない一枚。 - Off the Wall by Michael Jackson
クインシー・ジョーンズのプロデュースによる、ディスコとファンクを融合させた傑作。ダイアナ・ロスのディスコ路線と共通する要素が多く、グルーヴ感を楽しめる。 - I’m in Love by Evelyn “Champagne” King
ファンキーでダンサブルなサウンドが魅力のエヴリン・キングのアルバム。ディスコサウンドとソウルフルなボーカルの融合が、ダイアナ・ロスのDianaと共鳴する。 - I Am by Earth, Wind & Fire
ファンクとソウル、ディスコの要素を巧みに取り入れたアルバム。エネルギッシュなリズムと豊かなアレンジが、ダイアナ・ロスのディスコサウンドに通じる。
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