発売日: 1983年4月27日
ジャンル: ニューウェーブ、シンセポップ、ダンスロック
「Whammy!」は、The B-52’sが1983年にリリースした3作目のスタジオアルバムであり、バンドがシンセサウンドを大幅に取り入れた転換点となる作品である。従来のニューウェーブ、サーフロック、ポストパンクの要素を維持しつつ、シンセポップの影響を加え、よりエレクトリックでダンサブルなサウンドを打ち出している。
ギタリストRicky Wilsonの個性的なリフは健在だが、シンセサイザーが主役となることで、バンドの楽曲に新たなテクスチャーと未来的な雰囲気が加わった。また、Fred Schneider、Cindy Wilson、Kate Piersonのボーカルがこれまで以上にユーモアとエネルギーを増し、アルバム全体を通してポップで楽しいトーンが一貫している。
トラック解説
- Legal Tender
アルバムの幕開けを飾るリードシングルで、キャッチーなシンセリフとユーモラスな歌詞が印象的な一曲。手作りのお札をテーマにした風刺的な内容が、軽快なビートとともに楽しさを引き立てている。 - Whammy Kiss
ダンサブルなビートとピコピコしたシンセが特徴の楽曲。ラブソングのパロディ的な歌詞と、Cindy WilsonとKate Piersonの息の合ったボーカルが楽曲に明るさを加えている。 - Song for a Future Generation
The B-52’s初の全員ボーカルをフィーチャーしたトラック。各メンバーが自己紹介をするユニークな構成で、未来志向のテーマをユーモラスに表現している。 - Butterbean
ファンキーなギターリフとシンセが絡み合う一曲。バター豆をテーマにした風変わりな歌詞が、バンドの奇抜なセンスを象徴している。 - Trism
エレガントなシンセリフと控えめなリズムが印象的な楽曲。女性陣の滑らかなボーカルが楽曲にメランコリックな深みを加えている。 - Queen of Las Vegas
スローなテンポで、幻想的な雰囲気が漂うトラック。ラスベガスを舞台にした歌詞がドラマチックなストーリー性を持たせている。 - Moon 83
デビューアルバムの「There’s a Moon in the Sky (Called the Moon)」を再構築したトラック。シンセサウンドが前面に出ており、原曲よりも未来的なアレンジが施されている。 - Big Bird
コミカルな歌詞とエネルギッシュなサウンドが特徴。シンセとギターが交互に主張しながら、バンドのユーモラスな世界観を伝えている。 - Work That Skirt
シンセベースのリズムがリードするダンサブルなナンバー。軽快でポップな展開がアルバムの締めくくりにふさわしい。
アルバム総評
「Whammy!」は、The B-52’sがシンセサウンドを取り入れることで新しい音楽性を模索した実験的な作品である。エレクトロニックなアプローチが加わったことで、従来のニューウェーブとダンスロックの要素に未来的なテイストが融合し、ポップでありながらも斬新なサウンドが特徴だ。
「Legal Tender」や「Song for a Future Generation」などの楽曲は、バンドのユーモアと創造性が最大限に発揮されており、ファンにとっても新鮮な聴き心地を提供している。本作は、従来のバンドサウンドの枠を超え、80年代のエレクトロポップ時代を代表する一枚として評価されている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Freedom of Choice by Devo
シンセサウンドを全面に押し出したニューウェーブの名盤で、「Whammy!」と同じく未来的な雰囲気が楽しめる。
Remain in Light by Talking Heads
ファンクとエレクトロを融合させた革新的な作品で、ダンサブルなビートが「Whammy!」のファンに響く。
Dare by The Human League
シンセポップの傑作で、エレクトロニックなアプローチが「Whammy!」のサウンドと共通する。
Speaking in Tongues by Talking Heads
ユーモラスでエレクトロニックな要素が詰まったアルバムで、The B-52’sの遊び心とリンクする。
Rio by Duran Duran
ポップでキャッチーなニューウェーブサウンドが特徴で、「Whammy!」のリスナーにおすすめできる。
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