発売日: 1973年10月19日
ジャンル: レゲエ
Bob Marley and the Wailersのアルバム『Burnin’』は、1973年にリリースされた彼らのキャリアを象徴する重要な作品であり、レゲエの力強いメッセージとリズムが詰まった名盤である。本作は、前作『Catch a Fire』の続編ともいえるアルバムで、政治的なテーマと社会的な意識がさらに深く掘り下げられている。
アルバムは、奴隷制度、貧困、反逆といったテーマに焦点を当て、ジャマイカの現実と闘争心を描き出している。同時に、「Get Up, Stand Up」や「I Shot the Sheriff」のような楽曲は、Bob Marleyが世界的な平和と正義の象徴としての地位を確立する一助となった。音楽的には、WailersのメンバーであるPeter ToshとBunny Wailerの貢献も顕著で、アルバム全体が調和のとれた一体感を持っている。
トラック解説
1. Get Up, Stand Up
アルバムのオープニングを飾るアンセム的な楽曲で、自己主張と自由を求めるメッセージが込められている。力強いリズムと歌詞が聴く者を鼓舞する。
2. Hallelujah Time
Bunny Wailerがリードを取るスピリチュアルな楽曲で、ジャマイカのルーツと希望への願いが描かれている。穏やかで感動的なトラック。
3. I Shot the Sheriff
Bob Marleyのキャリアを象徴する名曲で、不正義への抵抗と自己防衛の物語を描く。後にEric Claptonがカバーして世界的な注目を集めた。
4. Burnin’ and Lootin’
政治的なテーマが強調された楽曲で、都市暴動や社会的不正義に対する抗議を描写している。マイナーコードのリフが曲の緊張感を高めている。
5. Put It On
Wailersの初期の楽曲をリメイクしたトラック。スムーズなリズムとスピリチュアルな歌詞が特徴で、落ち着いた雰囲気を持つ。
6. Small Axe
エリートに立ち向かう小さな存在を象徴的に描いたプロテストソング。力強い歌詞とメロディが聴く者を勇気づける。
7. Pass It On
Bunny Wailerがリードを務めた楽曲で、平和と連帯をテーマにした心温まるメッセージが込められている。
8. Duppy Conqueror
ジャマイカのスラングで「邪悪なものを克服する者」を意味するタイトル。自信と力強さにあふれた楽曲で、メロディとリズムが軽快。
9. One Foundation
信仰と連帯をテーマにした楽曲で、共同体の重要性を説いている。Peter Toshのリードギターが楽曲にダイナミズムを加えている。
10. Rasta Man Chant
アルバムの締めくくりにふさわしい伝統的な楽曲で、アフリカへの帰還とスピリチュアルなテーマを強調している。パーカッションとコーラスが楽曲に神秘的な雰囲気を与えている。
アルバム総評
『Burnin’』は、Bob Marley and the Wailersが持つ音楽的およびメッセージ的な影響力を最大限に発揮したアルバムである。政治的なメッセージとスピリチュアルな要素が融合し、レゲエが単なる音楽ジャンルを超えた社会運動の一環であることを証明している。「Get Up, Stand Up」や「I Shot the Sheriff」のような楽曲は、レゲエを国際的な舞台に押し上げた歴史的な意義を持つ。本作は、ジャマイカのルーツと現代の闘争を結びつけ、時代を超えて多くのリスナーに影響を与える名盤である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
1. Exodus by Bob Marley and the Wailers
スピリチュアルで政治的なテーマが豊富で、『Burnin’』の次のステップを感じられる。
2. Catch a Fire by Bob Marley and the Wailers
『Burnin’』の前作で、レゲエを国際的な舞台に押し上げた重要なアルバム。
3. Legalize It by Peter Tosh
元WailersのメンバーPeter Toshによるソロデビュー作で、政治的なメッセージが共通している。
4. Survival by Bob Marley and the Wailers
解放と団結をテーマにしたアルバムで、レゲエの社会的メッセージが色濃く出ている。
5. Two Sevens Clash by Culture
レゲエの名盤で、スピリチュアルで政治的なメッセージが『Burnin’』と共通する。
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