発売日: 2018年10月26日
ジャンル: シンセポップ、エレクトロポップ、ダンスミュージック
Robynの8年ぶりのスタジオアルバム『Honey』は、深い感情と内面的な洞察が反映された作品であり、彼女の音楽キャリアにおける新たな章を示す作品である。前作『Body Talk』で築き上げたエレクトロポップの基盤を維持しつつ、より成熟したサウンドと自己探求をテーマにした歌詞が際立っている。
『Honey』は、クラブのエネルギーを背景にしながらも、パーソナルで繊細なトーンが全体を貫いている。アルバム制作にはプロデューサーのJoseph Mount(Metronomy)やKlas Åhlund、Adam Bainbridge(Kindness)が参加しており、洗練されたプロダクションがアルバムの叙情性とダンサブルな要素を引き立てている。
トラック解説
1. Missing U
アルバムの幕開けを飾る壮大なエレクトロポップナンバー。失った愛への郷愁がテーマで、Robynの感情豊かなボーカルが楽曲を彩る。
2. Human Being (featuring Zhala)
Zhalaをフィーチャリングしたミステリアスなトラック。重厚なビートとエキゾチックな雰囲気が際立ち、人間性と感情の脆さを探求している。
3. Because It’s in the Music
ノスタルジックでドリーミーな楽曲。音楽が持つ感情的な力をテーマにしており、柔らかなサウンドスケープが印象的。
4. Baby Forgive Me
繊細でミニマルなプロダクションが特徴の楽曲。許しと愛の再生をテーマにした歌詞が心に響く。
5. Send to Robin Immediately
アンビエントな雰囲気を持つトラックで、感情の揺れを巧みに表現している。シンプルなビートと浮遊感のあるメロディが魅力的。
6. Honey
アルバムのタイトル曲であり、繊細で官能的な一曲。甘美なメロディとグルーヴ感のあるプロダクションが融合しており、アルバムの中心的な楽曲となっている。
7. Between the Lines
軽快で遊び心のあるトラック。ダンサブルなビートにのせて、恋愛の曖昧さや微妙なニュアンスを歌っている。
8. Beach2k20
リズム重視の実験的な楽曲。クラブのような空間音響が特徴的で、アルバム全体に変化を与える。
9. Ever Again
アルバムのラストを飾る明るく希望に満ちた楽曲。失恋を乗り越えた後の解放感と新たな始まりを祝うポジティブなメッセージが印象的。
アルバム総評
『Honey』は、Robynが音楽的にも感情的にも大きく成長した姿を示すアルバムである。ダンスミュージックの持つエネルギーとパーソナルな感情表現を巧みに融合させた作品であり、彼女のキャリアの中でも特に成熟した内容となっている。「Missing U」や「Honey」といった楽曲は、リスナーに深い共感を呼び起こす一方で、「Beach2k20」のような実験的なトラックも収録され、彼女の音楽性の幅広さを感じさせる。このアルバムは、悲しみと癒し、そして再生の旅路を描いた、洗練されたエレクトロポップの傑作である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Emotion by Carly Rae Jepsen
感情的でポップなメロディが豊富で、『Honey』のリスナーにも響く作品。
What’s Your Pleasure? by Jessie Ware
ディスコとエレクトロポップが融合した洗練されたアルバムで、『Honey』と親和性が高い。
Fever Ray by Fever Ray
深い感情表現とミステリアスなサウンドが特徴で、Robynのエモーショナルな一面と共鳴する。
Solange – When I Get Home
ミニマルなプロダクションと自己探求のテーマが、『Honey』の雰囲気と一致する。
Metronomy Forever by Metronomy
リズム重視の楽曲とエモーショナルな歌詞が、『Honey』のダンサブルな一面に合う。
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