発売日: 2015年5月25日
ジャンル: インディーロック / シンセポップ / ガレージロック
「English Graffiti」は、The Vaccinesが前作までのギターロック路線を進化させ、新たなサウンドを追求した3作目のスタジオアルバムである。本作では、シンセポップやエレクトロニカの要素が取り入れられ、より洗練されたプロダクションとキャッチーなメロディが際立つ作品となっている。
プロデューサーにはデイヴ・フリッドマン(The Flaming Lips、MGMTなどで知られる)を迎え、サウンド面での冒険が明確に表れている。「Handsome」や「Dream Lover」といったシングルは、新たな方向性を示しつつも、The Vaccinesらしいエネルギーと若々しさを失わない楽曲だ。
各トラック解説
1. Handsome
アルバムの幕開けを飾るアップテンポなトラック。キャッチーなギターリフとシンセサウンドが融合し、バンドの新しい方向性を感じさせる。
2. Dream Lover
リードシングルとしてリリースされたミッドテンポの楽曲。重厚なギターサウンドとダークな雰囲気が特徴で、夢の中での愛をテーマにした歌詞が印象的。
3. Minimal Affection
80年代のシンセポップを彷彿とさせるメロディとアレンジが魅力的な一曲。冷たさと親しみやすさが同居する独特のトーンが際立つ。
4. 20/20
疾走感のあるビートと鋭いギターが光るトラック。ライブ映えするエネルギッシュな楽曲で、アルバムの中でも特に勢いがある。
5. (All Afternoon) In Love
静かでロマンチックなバラード。シンプルなメロディと感情的な歌詞が、アルバムの中で穏やかな一息を提供する。
6. Denial
シンセサウンドを大胆に取り入れたトラックで、ポップかつ実験的なアプローチが楽しめる。歌詞は自己否定や矛盾に焦点を当てている。
7. Want You So Bad
エレクトロとガレージロックが融合した楽曲。欲望や執着心をテーマにした歌詞が、バンドの新たな一面を示している。
8. Radio Bikini
短く鋭いパンク調のトラック。反抗的なエネルギーとユーモラスな歌詞が印象的。
9. Maybe I Could Hold You
穏やかで感情的なメロディが特徴のミッドテンポの楽曲。愛や希望をテーマにした歌詞が美しく響く。
10. Give Me a Sign
シンセとギターがバランスよく融合したトラックで、切なさと希望が入り混じった歌詞が心に響く。
11. Undercover
アルバムを締めくくるアンビエントな雰囲気のトラック。静かで広がりのあるサウンドが、アルバム全体を穏やかに締める。
アルバム総評
「English Graffiti」は、The Vaccinesが音楽的な多様性を広げた作品であり、バンドの新たな方向性を模索する姿勢が反映されている。これまでのガレージロックやインディーロックに加え、シンセポップやエレクトロニカの要素が加わり、より洗練されたサウンドが楽しめる一枚だ。特に「Handsome」や「Dream Lover」のような楽曲は、彼らの新しいアプローチの中でもキャッチーな魅力を持っており、バンドの可能性を強く感じさせる。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Oracular Spectacular by MGMT
シンセポップとインディーロックが融合したアルバムで、「English Graffiti」の新しい方向性と共鳴する。
Hot Fuss by The Killers
キャッチーなシンセサウンドとロックの融合が、「Minimal Affection」のような楽曲が好きな人におすすめ。
A Brief Inquiry into Online Relationships by The 1975
ポップと実験性が共存するアルバムで、The Vaccinesの新しいスタイルが楽しめた人にぴったり。
AM by Arctic Monkeys
ロックのエッジを保ちつつ洗練されたプロダクションが特徴で、「Dream Lover」に共通するダークな雰囲気が魅力。
The Bones of What You Believe by CHVRCHES
シンセポップを前面に押し出した作品で、「English Graffiti」のポップな要素が好きな人におすすめ。
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