- 発売日: 2004年7月19日
- ジャンル: ガレージロック、パンクロック、オルタナティブロック
Veni Vidi Viciousの成功から4年、The Hivesは満を持して3枚目のアルバムTyrranosaurus Hivesをリリースし、ガレージロックリバイバルの熱気を再燃させた。このアルバムは、より精巧で洗練されたサウンドを取り入れながらも、The Hivesらしい勢いと攻撃性が詰まった一枚である。彼らの特徴であるエネルギッシュでキャッチーなメロディ、ユーモアと自信に満ちた歌詞がさらに強化され、聴き手を熱狂させる。
アルバムは、爆発的なリフとペレ・アルムクヴィストの力強いボーカルが特徴的で、シンプルなガレージロックスタイルを維持しつつも、よりタイトな演奏とクリアなプロダクションが加わっている。シングル「Walk Idiot Walk」や「Two-Timing Touch and Broken Bones」は瞬く間にヒットし、The Hivesの存在感を再確認させた。このアルバムは、ガレージロックの原点に忠実でありながらも、バンドとしての成長を感じさせる作品である。
トラック解説
1. Abra Cadaver
アルバムの幕開けを飾る疾走感あふれるトラックで、リスナーを一気に引き込む力強いナンバー。シンプルなリフとペレのシャウトが印象的で、The Hivesの荒々しいエネルギーが全開。
2. Two-Timing Touch and Broken Bones
キャッチーで攻撃的なサウンドが特徴の代表曲。グルーヴ感あふれるリフとダイナミックなリズムが融合し、リスナーを圧倒する。ライブでも人気の一曲で、The Hivesのエネルギッシュなパフォーマンスが感じられる。
3. Walk Idiot Walk
シングルとしてリリースされたヒット曲で、パンクロックの反骨精神とキャッチーなメロディが融合している。リズミカルなギターと軽快なビートが心地よく、ペレの挑発的なボーカルが映える。
4. No Pun Intended
高速なテンポとタイトなビートが特徴的で、短いながらも強烈な印象を残す一曲。ギターとベースの掛け合いが心地よく、バンドの一体感が感じられる。
5. A Little More for Little You
シンプルでキャッチーなリフが印象的なトラックで、The Hivesのユーモアが垣間見える。メロディアスなフレーズが耳に残り、アルバムの中でも際立ったポップさを持つ一曲。
6. B Is for Brutus
力強いビートとリズムの変化が魅力のナンバーで、少しダークな雰囲気が漂う。ペレのボーカルが一段と力強く響き、リスナーに強いインパクトを与える。
7. See Through Head
疾走感のあるギターリフとエネルギッシュなリズムが特徴的。シンプルな構成ながらも、リズムの緩急が曲にダイナミズムをもたらしている。
8. Diabolic Scheme
アルバムの中でも異色の一曲で、ミッドテンポでやや暗いトーンが印象的。オルガンの音色が加わり、The Hivesの新しい音楽性が感じられるトラックで、バンドの実験的な一面が垣間見える。
9. Missing Link
スピーディーでパンキッシュなナンバーで、疾走感が強調されている。ペレのボーカルが荒々しく、バンドの勢いと熱量が存分に感じられる一曲。
10. Love in Plaster
キャッチーなリフとシンプルなビートが特徴のトラックで、バンドの持つ軽快さとポップな要素が表現されている。エネルギッシュながらも親しみやすいメロディが印象的。
11. Dead Quote Olympics
攻撃的なリフと力強いビートが融合し、バンドの個性が際立つ一曲。ペレの挑発的なボーカルとリズミカルなギターが心地よく、リスナーを引き込む。
12. Antidote
アルバムの締めを飾るパワフルなトラックで、激しいリフとタイトなリズムが展開される。The Hivesのエネルギーが最高潮に達し、アルバムを見事に締めくくる。
アルバム総評
Tyrranosaurus Hivesは、The Hivesが持つガレージロックのエッセンスとエネルギーが凝縮されたアルバムであり、彼らの音楽的進化を感じさせる一枚である。爆発的なリフとキャッチーなメロディが詰まっており、短いながらも濃厚な楽曲が並ぶ。シングル「Walk Idiot Walk」や「Two-Timing Touch and Broken Bones」をはじめ、聴きやすくもパワフルなトラックが揃い、リスナーを最後まで飽きさせない。
2000年代のガレージロック・リバイバルの象徴的なバンドとして、The Hivesはこのアルバムでさらに進化を遂げた。Tyrannosaurus Hivesは、彼らの荒々しさとポップさが絶妙に調和した名作であり、ガレージロックのファンにとっても必聴の一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Is This It by The Strokes
2000年代のガレージロック・リバイバルの代表作。シンプルでキャッチーなサウンドがThe Hivesファンにも響く。 - Elephant by The White Stripes
ミニマルでエネルギッシュなサウンドが特徴で、ガレージロックとブルースが融合した名盤。The Hivesと同じくシンプルで力強い。 - Up the Bracket by The Libertines
英国ガレージロックの名盤。荒削りながらもポップなエッセンスが感じられ、反骨精神が溢れる作品。 - Room on Fire by The Strokes
Is This Itの続編ともいえるアルバムで、キャッチーでありながらも奥深いサウンドが特徴。 - Raw Power by Iggy and the Stooges
プロト・パンクの名盤で、The Hivesに大きな影響を与えた荒々しいエネルギーが楽しめる。
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