- 発売日: 2014年2月25日
- ジャンル: オルタナティブロック、ポップロック、エレクトロポップ
Heliosは、The Frayにとって4枚目のスタジオアルバムで、これまでのピアノロック中心のサウンドから大胆に脱却し、エレクトロポップやファンクの要素を取り入れた実験的な作品である。本作ではプロデューサーにスチュアート・プライス(Madonna、The Killersなど)を迎え、ダンサブルでポップなビートとモダンなサウンドが印象的な仕上がりとなっている。エネルギッシュでカラフルなアレンジが際立ち、The Frayの新たな一面を垣間見ることができる一枚である。
これまでのアルバムが内省的でエモーショナルな雰囲気を持っていたのに対し、Heliosは前向きで明るく、リスナーをダンスフロアに誘うような曲調が目立つ。テーマは依然として人間関係や自己探求が中心だが、ポジティブなメッセージがより強調されており、新しいリズムやエフェクトがサウンドに新鮮さをもたらしている。The Frayのファンにとっては、彼らの音楽的冒険を楽しめる作品だ。
トラック解説
1. Hold My Hand
アルバムの幕開けを飾るエネルギッシュなトラックで、ポップなビートと軽快なギターが印象的。人との繋がりや信頼をテーマにしており、スレイドのボーカルが爽やかに響く。アルバム全体のポジティブな雰囲気を象徴する一曲である。
2. Love Don’t Die
リードシングルであり、ファンキーなリズムとキャッチーなコーラスが特徴的。愛が永遠であることをテーマにした歌詞で、エネルギッシュなギターリフとポップなメロディが一体となり、アルバムの中でも特に盛り上がりを見せる楽曲。ライブ映えする一曲である。
3. Give It Away
シンセサイザーと軽快なドラムビートが融合したトラックで、新しい音楽的方向性が顕著に感じられる。愛と寛大さをテーマにしたポジティブなメッセージが込められており、キャッチーなメロディがリスナーを引き込む。
4. Closer to Me
エレクトロニックなサウンドが加わり、軽快で踊りやすいビートが印象的なナンバー。近くにいることの大切さを歌い、シンプルな歌詞とキャッチーなサビが耳に残る。The Frayの新しいスタイルが詰まった一曲。
5. Hurricane
少しダークなムードが漂うミディアムテンポのトラックで、内面的な葛藤や不安を描いた歌詞が印象的。シンセサウンドとスレイドの感情的なボーカルが曲に深みを加えており、アルバムの中でも独特の雰囲気を持つ。
6. Keep on Wanting
ピアノが中心に戻ったエモーショナルなトラックで、望み続けることの強さと難しさが歌われている。シンプルながらも心に響くメロディが特徴で、The Frayの従来のファンにも親しみやすい一曲である。
7. Our Last Days
シンセサウンドが鮮やかに映えるトラックで、終わりゆく関係性とそれに伴う複雑な感情を描いている。シンプルなビートとメロディアスなボーカルが美しく調和し、リスナーを切ない気持ちにさせる。
8. Break Your Plans
アルバムの中でも特にメロディアスなバラードで、愛のために人生を変える覚悟が歌われている。ピアノとギターが美しく絡み合い、スレイドのボーカルが感情的に歌い上げる感動的な一曲。
9. Wherever This Goes
軽快なリズムと明るいサウンドが印象的なトラックで、冒険心と新たな始まりをテーマにしている。リラックスしたムードが漂い、ポップで親しみやすいメロディがアルバムの流れを心地よく進める。
10. Shadow and a Dancer
少しダークで幻想的なムードが漂う、ミステリアスなナンバー。歌詞には孤独感と希望の狭間が描かれており、シンセとスレイドのボーカルが深い感情を表現。アルバムの中でも異色の存在感を放つ。
11. Same as You
アルバムのラストを締めくくる温かいバラードで、人間の共感や理解をテーマにしている。シンプルなアコースティックアレンジと温かみのある歌詞がリスナーを包み込み、アルバム全体のテーマをまとめる感動的なフィナーレ。
アルバム総評
Heliosは、The Frayの新しい音楽的探求と挑戦が感じられる一枚であり、ポップやエレクトロの要素を大胆に取り入れた意欲的な作品である。これまでのThe Frayのイメージを一新し、ダンサブルでモダンなサウンドが特徴的だが、「Break Your Plans」や「Same as You」のように彼ららしいエモーショナルなトラックも多く、ファンを魅了している。軽快で明るいエネルギーが詰まったHeliosは、バンドの音楽性の幅広さを感じさせると同時に、前向きなメッセージがリスナーに元気を与える一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- X&Y by Coldplay
エレクトロポップの要素とロックが融合した、広がりのあるサウンドが特徴。Heliosのファンにも響くモダンでドラマチックなアルバム。 - In a Perfect World by Kodaline
メロディアスでエモーショナルなポップロック作品。人間関係や人生の葛藤を描いた歌詞が共感を呼び、The Frayファンにおすすめ。 - Battle Born by The Killers
エレクトロとロックの融合で、シネマティックなサウンドが印象的な作品。Heliosの持つエネルギッシュな雰囲気と響き合う。 - Native by OneRepublic
エレクトロポップの要素を取り入れた、キャッチーでダンサブルなトラックが多い一枚。ポップとロックの融合が魅力的。 - The 1975 by The 1975
エレクトロとインディーロックをミックスしたアルバムで、スタイリッシュなビートとエモーショナルなリリックが楽しめる。
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