発売日: 2012年2月14日
ジャンル: インディーポップ / ドリームポップ / サーフポップ
Tennisの2作目のアルバムYoung & Oldは、彼らのデビュー作Cape Doryで確立したノスタルジックなサウンドを引き継ぎつつ、よりダイナミックで深みのある方向へ進化を遂げた作品だ。本作では、デビュー作のセーリング旅というコンセプトを超え、より普遍的なテーマに取り組みながら、バンドの音楽的な幅を広げている。
アルバムのプロデュースにはThe Black KeysのPatrick Carneyが参加しており、より力強いドラムと分厚いサウンドが特徴だ。Alaina Mooreの繊細で優しいボーカルと、Patrick Rileyのメロディアスなギターが、洗練されたポップソングとして見事に仕上がっている。恋愛、自己発見、葛藤といったテーマが、ポップでありながらも奥深いトーンで描かれている。
トラック解説
1. It All Feels the Same
アルバムを開幕する軽快な楽曲。ピアノとギターが心地よく絡み合い、ノスタルジックでありながら現代的なサウンドに仕上がっている。
2. Origins
シングルとしてリリースされた代表曲で、キャッチーなメロディとドライブ感のあるビートが印象的。愛の始まりと期待感がテーマで、Alainaのボーカルが楽曲を引き立てる。
3. My Better Self
ミッドテンポの楽曲で、内省的な歌詞が印象的。ピアノを中心としたアレンジと、控えめながらも感情的なボーカルが心に響く。
4. Traveling
リズミカルなギターとドラムが特徴的なトラック。シンプルながらも、旅路をテーマにした歌詞が心に残る。
5. Petition
テンポの速いアップビートな楽曲で、エネルギッシュな演奏が際立つ。ライブ映えするナンバーとして人気が高い。
6. Robin
落ち着いた雰囲気を持つ楽曲で、柔らかなギターと抒情的な歌詞が心地よい。リスナーに静かな感動を与える。
7. High Road
エモーショナルな歌詞とメロディアスなギターが特徴。恋愛の葛藤を描いた深みのある楽曲で、アルバムのハイライトの一つ。
8. Dreaming
タイトル通り、ドリーミーで浮遊感のあるサウンドが特徴的。シンセサウンドが楽曲に幻想的な雰囲気を加えている。
9. Take Me to Heaven
軽快なテンポと明るいメロディが特徴の楽曲。幸福感とリラックスしたムードが漂う一曲。
10. Never to Part
アルバムのラストを飾るバラードで、シンプルなピアノアレンジとAlainaの感情的なボーカルが際立つ。静かな余韻を残す美しいエンディング。
アルバム総評
Young & Oldは、Tennisがデビュー作のノスタルジックな要素を洗練させ、新たな方向性を模索したアルバムだ。Patrick Carneyのプロデュースにより、バンドのサウンドはより力強く、洗練されたものに進化している。ポップでありながらも感情的な深みを持つ楽曲の数々は、聴き手に強い印象を与える。
「Origins」や「My Better Self」のようなキャッチーな楽曲から、「Never to Part」のような静謐なバラードまで、アルバム全体にわたって多彩なサウンドが楽しめる本作は、Tennisの音楽的な幅広さを示している。ノスタルジーとモダンなポップスの融合が見事に表現された名作であり、インディーポップファンにとって必聴の一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Crazy for You by Best Coast
Tennisと同じくノスタルジックなサウンドが特徴のインディーポップの名盤。
The Big Black and the Blue by First Aid Kit
繊細でエモーショナルな歌詞とアコースティックなアレンジが共通する作品。
Volume One by She & Him
オールドスクールなポップソングと現代的な感覚が融合したアルバムで、Tennisファンにも響く。
Days Are Gone by Haim
ポップでダンサブルなサウンドと感情的な歌詞が共通点を持つ。
Teen Dream by Beach House
ドリーミーで幻想的なサウンドスケープが、Tennisの雰囲気と親和性の高い作品。
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