発売日: 2015年10月16日
ジャンル: シンセポップ、エレクトロファンク、ニューディスコ
VEGA INTL. Night Schoolは、Neon Indianの3作目のスタジオアルバムで、これまでのチルウェイブからさらに進化した、グルーヴィーでファンキーなサウンドが際立つ作品である。Alan Palomoはこのアルバムで、夜のクラブシーンや都会の夜をテーマに、ディスコやファンク、エレクトロポップの要素をふんだんに取り入れており、彼の音楽がもつ多様性と創造力が詰まった一枚となっている。アルバムタイトルの「VEGA」は、PalomoがサイドプロジェクトとしていたVEGA名義から由来し、夜の街で繰り広げられる魅惑と幻想がサウンドに表現されている。
本作は、煌びやかなシンセサウンドとファンキーなベースラインが特徴で、80年代のレトロなディスコサウンドを現代的にアレンジしたようなサウンドが楽しめる。「Annie」や「Slumlord」といった楽曲には、キャッチーなメロディとダンサブルなビートが融合し、リスナーを華やかなナイトシーンへと誘う。前作Era Extrañaのメランコリックなトーンから一転し、VEGA INTL. Night Schoolでは夜の遊び心や高揚感が満載のサウンドが展開されている。
トラックごとの解説
1. Hit Parade
アルバムの幕開けを飾るインストゥルメンタルで、シンセとエフェクトが生み出すサイケデリックなサウンドが、夜の魅惑的な世界へとリスナーを導く。
2. Annie
キャッチーでグルーヴィーなリズムが特徴のポップなナンバーで、ラジオから流れるような軽快なサウンドが印象的。物語性のある歌詞とダンサブルなメロディが耳に残る一曲。
3. Street Level
ファンキーなベースラインとシンセの響きが融合したトラックで、夜の街をテーマにしたムーディーな楽曲。リズムが心地よく、Mystery Jetsの都会的な雰囲気を楽しめる。
4. Smut!
遊び心が感じられる曲で、カラフルなサウンドとエキゾチックなムードが漂う。クラブシーンにぴったりのダンサブルなリズムが印象的で、ユーモアが効いた一曲。
5. Bozo
アシッドハウスとディスコの影響を感じさせるインストゥルメンタル。グルーヴィーで実験的なサウンドが特徴で、パーティーの高揚感を感じさせるトラック。
6. The Glitzy Hive
華やかでノリの良いトラックで、80年代ディスコへのオマージュが込められた一曲。明るいメロディとリズミカルなビートが心地よく、ナイトシーンの盛り上がりを表現している。
7. Dear Skorpio Magazine
エレクトロファンクの影響が強い楽曲で、ノスタルジックなサウンドとセクシーなリズムが融合。都会的でグラマラスな雰囲気が感じられる一曲。
8. Slumlord
アルバムの中でも特にダンサブルなナンバーで、強力なシンセリフとエネルギッシュなビートが特徴。ポップでエレクトリックなサウンドが、夜の高揚感を盛り上げる。
9. Slumlord’s Re-Lease
「Slumlord」の続編的なインストゥルメンタルトラックで、パーティーのクライマックスから終息へと向かうような流れを感じさせる。華やかな夜の余韻を表現している。
10. Techno Clique
重めのシンセベースとエレクトロニックなビートが主役の楽曲で、都会のクラブシーンを彷彿とさせる。エネルギッシュでアーバンな雰囲気が漂う一曲。
11. Baby’s Eyes
軽快なリズムとメロディアスなシンセが特徴の曲で、バンドの感傷的な一面が感じられる。エモーショナルなトーンが加わり、アルバムに深みを与えている。
12. C’est la vie (Say the Casualties!)
ノスタルジックでありながらも未来的なサウンドが特徴で、夜の終わりを告げるような一曲。リリックには無常観が漂い、アルバムを締めくくるにふさわしいエモーショナルなフィナーレ。
アルバム総評
VEGA INTL. Night Schoolは、Neon Indianがこれまでのチルウェイブから脱却し、ディスコやエレクトロファンクの影響を取り入れた一枚である。煌びやかでダンサブルなサウンドと共に、夜のクラブシーンや都会のグラマラスな雰囲気が感じられる。Psychic ChasmsやEra Extrañaのノスタルジックでメランコリックなトーンとは異なり、VEGA INTL. Night SchoolではAlan Palomoが新たな方向性を打ち出し、都会的でグルーヴ感溢れる音楽が展開されている。「Annie」や「Slumlord」などのトラックは、どれもキャッチーで夜の高揚感を完璧に捉えており、リスナーをナイトライフへと誘う。Neon Indianのファンにとっても、新たな一面が楽しめるエネルギッシュな作品である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Cross by Justice
エレクトロファンクとダンサブルなサウンドが融合したアルバムで、VEGA INTL. Night Schoolのファンキーなエネルギーと共鳴する。
Discovery by Daft Punk
ディスコやエレクトロの要素が豊富なアルバムで、Neon Indianのレトロなディスコサウンドに共感するリスナーにおすすめ。
Woman by Justice
煌びやかなシンセサウンドとディスコ調のリズムが特徴で、VEGA INTL. Night Schoolの都会的でダンサブルな雰囲気が好きな人にぴったり。
In Ghost Colours by Cut Copy
カラフルでダンサブルなエレクトロポップで、ノスタルジックな80年代サウンドと現代的なアレンジが魅力。
Random Access Memories by Daft Punk
ディスコとファンクの要素が詰まったアルバムで、VEGA INTL. Night Schoolの煌びやかなサウンドとリンクする一枚。
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