発売日: 2016年1月29日
ジャンル: ポップ、エレクトロポップ
This Is Actingは、Siaが他のアーティストのために書いた曲を中心に構成されたアルバムであり、タイトル通り「演じること」をテーマにした作品である。彼女はこのアルバムを通じて、自身のソングライターとしての実力と多様なスタイルを披露しているが、その一方で彼女独自のエモーショナルな表現も鮮明に感じられる。
リードシングル「Alive」や「Cheap Thrills」といったヒット曲をはじめ、パワフルなボーカルとドラマチックなアレンジがアルバム全体を通じて特徴的だ。楽曲それぞれが異なるテーマとエネルギーを持ちながら、Siaの個性が一貫して感じられる一枚である。
各曲ごとの解説
1. Bird Set Free
アルバムの冒頭を飾る感情的な楽曲。自由をテーマにした歌詞が、Siaの力強いボーカルによって生き生きと表現されている。
2. Alive
リードシングルであり、もともとアデルのために書かれた曲。困難を乗り越えた力強さを歌ったアンセムで、Siaの圧倒的なボーカルパフォーマンスが際立つ。
3. One Million Bullets
アルバムの中で最も内省的な楽曲の一つ。愛のために何でも犠牲にするというテーマが、繊細なメロディとともに描かれている。
4. Move Your Body
ダンスフロアを意識したアップテンポな楽曲で、Shakiraのために書かれたと言われている。エネルギッシュなリズムが印象的。
5. Unstoppable
自信と力強さをテーマにしたアンセム的な楽曲。モチベーションを高めるようなメッセージが込められており、壮大なサウンドが特徴的。
6. Cheap Thrills
アルバムの最大のヒット曲で、Sean Paulをフィーチャーしたリミックスバージョンも有名。シンプルなメロディと親しみやすいリズムが楽曲をポップアイコンにした。
7. Reaper
カニエ・ウェストが共同プロデュースを務めた楽曲で、楽観的なトーンと軽快なビートが特徴。死という重いテーマをポップに描いたユニークな一曲。
8. House on Fire
切迫感のあるビートとドラマチックな展開が印象的な楽曲。Siaのボーカルが、楽曲の感情的な深みを強調している。
9. Footprints
愛と支えをテーマにしたバラード。控えめなアレンジが、Siaの感情豊かなボーカルを際立たせている。
10. Sweet Design
遊び心のあるリズムとメロディが楽しい一曲。アルバムの中で最もポップで軽快なナンバー。
11. Broken Glass
エモーショナルなバラードで、自己再生をテーマにした楽曲。Siaのボーカルがドラマチックな感情を伝えている。
12. Space Between
アルバムのエンディングを飾る静かで美しい楽曲。ピアノを中心としたアレンジが、Siaの声に集中させるような効果を生んでいる。
フリーテーマ: 他者の視点を通じた自己表現
This Is Actingは、他のアーティストのために書かれた曲を演じるというアプローチを通じて、Sia自身のアーティスト性をさらに掘り下げた作品である。異なる視点やテーマを持つ楽曲が集まっているものの、Siaの個性が強く反映されており、結果としてアルバム全体に一貫性が感じられる。これは、彼女のソングライターとしての技量と、どんなスタイルでも自分らしさを貫くアーティストとしての強さを証明している。
アルバム総評
This Is Actingは、Siaがアーティストとしての幅広い才能を披露したアルバムであり、彼女のエネルギーと感情的な深みが詰まった一枚だ。ポップでありながらも内省的な側面を持つ楽曲が揃っており、リスナーに多くのインスピレーションを与える。Siaの独特な歌声とソングライティングが、聴く者に強烈な印象を残す作品である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
21 by Adele
感情豊かなボーカルとパワフルな楽曲が、Siaのスタイルに共通する。
Lemonade by Beyoncé
自己表現とテーマ性を重視したアルバムで、Siaのアプローチに共鳴する。
Future Nostalgia by Dua Lipa
ダンサブルでありながら感情的な楽曲が多く、Siaの「Move Your Body」や「Cheap Thrills」に通じる。
Born to Die by Lana Del Rey
内省的なテーマと独自のサウンドスケープが、Siaのバラードに似ている。
How Big, How Blue, How Beautiful by Florence + the Machine
壮大なサウンドと感情的な歌詞が、Siaの「Alive」や「Unstoppable」と重なる。
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