- 発売日: 2002年
- ジャンル: インディーポップ、パワーポップ、ローファイ
Dressy Bessyの3枚目のアルバムSound Go Roundは、バンドのキャッチーで明るいポップセンスをさらに深化させた作品であり、カラフルでリズミカルなエネルギーに満ちている。前作に続き、60年代のガレージポップやパワーポップの影響を受けつつも、より洗練されたサウンドと繊細なメロディが取り入れられているのが特徴だ。リードシンガー、タミー・アイグレアートの愛らしく飾らないボーカルと、ジョン・ヒルの軽快なギターワークがこのアルバムでも中心的な役割を果たしており、インディーポップの楽しさが詰め込まれた作品である。
アルバム全体にわたるカラフルで無邪気なサウンドは、The Elephant 6 Collectiveの一員であるバンドならではの独特な感性と相まって、聴く者に楽しい空間を提供している。リスナーを自然とポップな世界に引き込み、アルバムが終わるまでその世界観に浸らせてくれる。
トラック解説
1. Just Once More
軽快でアップテンポなギターポップで、アルバムの幕開けにふさわしい一曲。繰り返しの効いたキャッチーなメロディが心地よく、無邪気なポップエネルギーが溢れている。
2. Baby Six String
甘く愛らしいメロディが特徴で、シンプルなリフとボーカルが耳に残る。タミーのボーカルがリズミカルに展開し、ローファイなサウンドが曲全体の親しみやすさを際立たせている。
3. Big to Do
バンドの得意とするパワーポップサウンドに、軽快なビートと明るいギターが映えるトラック。タイトルにふさわしく、元気で陽気な雰囲気が特徴的だ。
4. The Things That You Say That You Do
懐かしさを感じさせるリフと軽やかなボーカルが絶妙にマッチした楽曲。恋愛や友情をテーマにしたポップな歌詞が親しみやすい。サビの盛り上がりが楽しく、リスナーを元気づけてくれる。
5. Maybe Laughter
ゆったりとしたテンポのミディアムナンバーで、甘く切ないメロディが印象的。タミーの優しい歌声が際立ち、アルバム全体の中で一息つけるような瞬間を提供している。
6. That Hot and Hey
アップビートでノリの良い一曲。ギターリフがリズムを引き立て、陽気なコーラスとエネルギッシュなボーカルが際立つ。60年代のポップスの影響が色濃く、シンプルな構成ながらも中毒性が高い。
7. Lipstick
シンプルながらも強いメロディが耳に残る、エネルギッシュなトラック。タミーのボーカルが軽快に響き、歌詞には恋や友情に対する愛らしい視点が込められている。
8. Flower Jargon
ミディアムテンポのポップナンバーで、穏やかなリズムが心地よい。タミーのボーカルとギターリフが調和し、ロマンチックなムードが漂う。
9. Just Being Me
明るく軽快なリズムが特徴で、歌詞には自分らしさへの肯定が込められている。リフの繰り返しが耳に残り、シンプルながらも一度聴くと忘れられないフックが満載。
10. Oh Mi Amour
アルバムの中でも特にキャッチーな一曲で、リズムの良いビートとポップなコーラスが特徴的。甘酸っぱい恋愛をテーマにした歌詞が、シンプルなメロディとともに楽しい一体感を生んでいる。
11. Sue
ギターポップの要素が強い、ノリの良い曲。軽快なビートとタミーのボーカルが絶妙にマッチし、アルバムのエネルギッシュなフィナーレを飾るのにふさわしい。
アルバム総評
Sound Go Roundは、Dressy Bessyのシンプルでキャッチーなポップエッセンスが詰まった作品であり、60年代ポップスやパワーポップの影響が色濃く反映されている。タミー・アイグレアートの弾むようなボーカルと、ジョン・ヒルのリズミカルなギターが、このアルバムでもバンドの魅力を余すところなく表現している。ノスタルジックで無邪気なサウンドがリスナーに心地よい高揚感をもたらし、聴く者を明るい気持ちにさせる一枚である。バンドのポップな世界観が、今作でより洗練され、成熟している。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Bee Thousand by Guided by Voices
ローファイでありながらもポップセンスが際立つ作品で、Dressy Bessyのファンにとってはキャッチーさと親しみやすさが共通する。 - Let’s Go! by The Apples in Stereo
同じくThe Elephant 6 Collectiveに所属するバンドで、カラフルなエネルギーが共通。60年代のポップスから影響を受けたサウンドが楽しめる。 - Grand Prix by Teenage Fanclub
パワーポップとインディーロックの要素がバランスよく融合しており、Dressy Bessyの明るいギターポップに通じる。 - Tone Soul Evolution by The Olivia Tremor Control
サイケデリックでノスタルジックなインディーポップ。ローファイな質感とカラフルなアレンジがDressy Bessyのファンに響くだろう。 - Oh, Inverted World by The Shins
メロディアスで親しみやすい楽曲が揃ったアルバム。インディーポップの持つ優しさとポップエネルギーが共通している。
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