- 発売日: 1988年4月11日
- ジャンル: ヘヴィメタル、プログレッシブメタル
Seventh Son of a Seventh Sonは、Iron Maidenの7枚目のスタジオアルバムであり、バンド初のコンセプトアルバムとしても知られている。この作品は、ミスティカルな伝説「第七の息子が産む第七の息子」というテーマを基にし、人間の運命や予言、善と悪の葛藤といった壮大な物語を描いている。音楽的にもこれまでのアルバムとは一線を画し、シンセサイザーを大胆に取り入れることで、プログレッシブなサウンドと壮大なスケールを実現。Bruce Dickinsonの迫力あるボーカル、Steve Harrisの複雑なベースライン、そしてギターのリフとソロが織り成すシンフォニックなアレンジが、この作品の独特な雰囲気を作り上げている。
Seventh Son of a Seventh Sonは、スピード感とメロディの美しさを兼ね備えた名曲が揃っており、バンドの音楽的な野心と創造性が詰まったアルバムである。物語性を追求しつつも、Iron Maidenならではのエネルギーとスリルを失わない、メタルファンには必聴の一枚だ。
トラック解説
1. Moonchild
アルバムのオープニングを飾るドラマチックなトラックで、聖書的な予言と闇の世界をテーマにしている。シンセサイザーとギターが融合したイントロから、ディッキンソンのパワフルなボーカルが響き、物語の幕開けにふさわしい迫力ある一曲である。
2. Infinite Dreams
内省的で哲学的な歌詞が特徴的なミッドテンポのトラック。ディッキンソンの感情豊かなボーカルとリズミカルなギターリフが絡み合い、幻想的でありながらもエモーショナルなムードを作り出している。曲中の変化に富んだ構成が、聴く者を引き込む。
3. Can I Play with Madness
アルバムのシングル曲としてリリースされた、キャッチーでメロディアスなトラック。運命や予言に翻弄される若者の葛藤を描いており、ディッキンソンのボーカルと力強いギターリフが楽曲を盛り上げる。親しみやすくも、Iron Maidenの持つダークなエッセンスが垣間見える。
4. The Evil That Men Do
アルバムの中でも特に人気の高い一曲で、人間の本質とその内に潜む邪悪さをテーマにしている。エネルギッシュなリフとドラマティックなメロディが特徴で、ディッキンソンのボーカルが力強く響く。ライブでの定番曲としてもファンに愛されている。
5. Seventh Son of a Seventh Son
アルバムのタイトル曲であり、10分を超える大作。スティーヴ・ハリスによる複雑で重厚なベースラインと、シンセサイザーが作り出す荘厳なムードが印象的である。物語のクライマックスを飾るこの楽曲は、Iron Maidenのプログレッシブメタルへの挑戦が感じられる、壮大でドラマチックな名曲だ。
6. The Prophecy
メロディアスでミステリアスなトラックで、ギターのリフが印象的な一曲。預言の成就と悲劇のテーマが反映されており、ディッキンソンのボーカルが楽曲のドラマ性をさらに引き立てる。アコースティックギターが織り交ぜられることで、アルバムに多様なテクスチャをもたらしている。
7. The Clairvoyant
疾走感のあるリフと躍動感あふれるベースラインが特徴的なトラック。アルバムの中でも特にエネルギッシュで、未来を予知する力に翻弄される主人公の葛藤が表現されている。スティーヴ・ハリスのベースが楽曲を引き立て、ダイナミックなサウンドが印象的だ。
8. Only the Good Die Young
アルバムを締めくくるこのトラックは、悲劇と希望が交錯するテーマを持ち、ブルース・ディッキンソンのボーカルがエモーショナルに響く。キャッチーなリフとメロディが聴きやすく、アルバム全体のストーリーを集約するような締めくくりにふさわしい一曲である。
アルバム総評
Seventh Son of a Seventh Sonは、Iron Maidenがプログレッシブな要素を大胆に取り入れた意欲作であり、バンドの音楽的な深みと幅を象徴する作品である。伝説的なテーマを基にしたコンセプトアルバムとして、物語性と音楽性が見事に融合しており、シンセサイザーの使用によってこれまでのIron Maidenとは異なるシンフォニックなサウンドを生み出している。この作品では、スティーヴ・ハリスの複雑なベースライン、ディッキンソンの感情豊かなボーカル、そしてギターのメロディが一体となり、聴き手を壮大な物語の中へと誘う。
アルバム全体に流れるダークでミスティカルなムードと、ドラマチックな楽曲構成が特徴的で、Iron Maidenの音楽的成熟を感じさせる一枚である。Seventh Son of a Seventh Sonは、Iron Maidenの最高傑作のひとつとして広く愛され、ヘヴィメタルファンには欠かせない名盤である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Operation: Mindcrime by Queensrÿche
コンセプトアルバムとしての完成度が高く、物語性とメタルの融合が魅力。Seventh Son of a Seventh Sonファンにおすすめ。 - Somewhere in Time by Iron Maiden
シンセサウンドを取り入れた前作で、同じく未来的なテーマが楽しめる。メロディアスでドラマティックなサウンドが印象的。 - Awaken the Guardian by Fates Warning
プログレッシブメタルの先駆けとなった名作で、壮大なサウンドとファンタジー要素がIron Maidenファンに響く。 - Holy Diver by Dio
神話やファンタジーの要素が満載の名盤で、力強いリフとドラマティックな展開が楽しめる。 - Images and Words by Dream Theater
プログレッシブメタルの名作で、複雑な構成とシンフォニックなサウンドが魅力。壮大な物語性がSeventh Son of a Seventh Sonと共通する。
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