発売日: 2010年6月22日
ジャンル: ブルース、ジャズ、ソウル
『Memphis Blues』は、Cyndi Lauperがブルースジャンルに挑戦したアルバムで、彼女の音楽的な多様性と深い表現力を示した作品だ。このアルバムでは、彼女が得意とするポップサウンドから一線を画し、古典的なブルースの楽曲やスタイルを取り入れながら、独自のアプローチで再解釈している。制作にはブルース界の名手が多数参加しており、リアルで豊かな音楽体験を提供している。
商業的にも批評的にも成功を収めた本作は、ビルボードのブルースアルバムチャートで首位を獲得し、Cyndiのキャリアに新たな魅力を加えた。このアルバムは、彼女のアーティストとしての深みと音楽に対する真摯な姿勢を感じさせる。
以下、各トラックの詳細を解説する。
1. Just Your Fool
アルバムの幕開けを飾るエネルギッシュなブルースナンバー。ハーモニカの音色とCyndiの力強いボーカルが楽曲を引き立てている。
2. Shattered Dreams
切ないブルースのバラードで、愛の喪失をテーマにしている。Cyndiの感情的な歌唱が深い共感を呼ぶ。
3. Early in the Mornin’ (feat. Allen Toussaint & B.B. King)
Allen ToussaintとB.B. Kingを迎えたこのトラックは、ブルースの伝統に敬意を払った楽曲。3人のアーティストの共演が聴きどころ。
4. Romance in the Dark
しっとりとしたムードが漂う楽曲で、夜のロマンスを描いたクラシックブルース。Cyndiの繊細なボーカルが美しい。
5. How Blue Can You Get? (feat. Jonny Lang)
Jonny Langとの共演による感情豊かなトラック。Cyndiの力強い歌声とギターサウンドが楽曲を彩っている。
6. Down Don’t Bother Me
軽快でリズミカルなブルースナンバー。Cyndiの遊び心あふれるパフォーマンスが楽しい一曲。
7. Don’t Cry No More
感情的なバラードで、愛と慰めをテーマにしている。Cyndiの表現力が存分に発揮されている。
8. Rollin’ and Tumblin’
伝統的なブルースナンバーのカバーで、リズムセクションとCyndiのエネルギッシュな歌声が印象的。
9. Down So Low
切ない心情を描いた感動的なバラード。Cyndiのソウルフルなボーカルが心に響く。
10. Mother Earth (feat. Allen Toussaint)
環境と生命の尊さをテーマにした楽曲。Allen ToussaintのピアノとCyndiの声が美しく調和している。
11. Crossroads (feat. Jonny Lang)
伝説的なブルースナンバーのカバー。Jonny Langとの共演で、力強いパフォーマンスが印象に残る。
アルバム総評
『Memphis Blues』は、Cyndi Lauperがブルースへの敬意を込めて制作した挑戦的なアルバムであり、彼女の音楽的な探求心が感じられる作品だ。ブルースの伝統に忠実でありながらも、Cyndiの個性が随所に光る楽曲が揃っている。
特に「Early in the Mornin’」や「How Blue Can You Get?」といったトラックでは、共演アーティストとのケミストリーが素晴らしく、アルバム全体にリアルなブルースの雰囲気を与えている。『Memphis Blues』は、彼女のファンだけでなく、ブルースを愛するリスナーにも楽しんでもらえる作品だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
B.B. King – Blues on the Bayou
ブルースのクラシックサウンドを楽しめるアルバムで、Cyndiのブルース作品に通じる。
Bonnie Raitt – Nick of Time
ブルースとポップを融合したアルバムで、Cyndiの『Memphis Blues』に響く要素が多い。
Etta James – At Last!
ブルースとソウルの融合が特徴で、Cyndiの感情的な歌声に共通する魅力がある。
Susan Tedeschi – Just Won’t Burn
ブルースの伝統を継承しつつモダンな要素を加えたアルバムで、Cyndiの作品に共鳴する。
Mavis Staples – You Are Not Alone
ソウルフルなボーカルと深い感情が特徴で、『Memphis Blues』のファンにおすすめ。
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