発売日: 2020年10月30日
ジャンル: ポップ、ダンスポップ、ソウル
Sam Smithの3枚目のスタジオアルバム『Love Goes』は、これまでのソウルフルで感情的なバラードから一歩踏み出し、より軽快でポップなトラックと大胆な自己表現を取り入れた作品だ。恋愛の喜びと痛み、自分自身を受け入れる過程がテーマとなっており、アルバム全体を通じて彼の成長と音楽的な進化が感じられる。
アルバムには、「Diamonds」や「How Do You Sleep?」といったキャッチーなダンストラックから、心に響くバラードまで、多彩な楽曲が揃っている。これらの楽曲は、Sam Smithが新たなステージに向けて進化し続けるアーティストであることを示している。
アルバムの背景
『Love Goes』は、元々『To Die For』というタイトルでリリースされる予定だったが、新型コロナウイルスの影響や社会情勢を考慮し、変更が行われた。アルバムは、恋愛や心の変化、自己受容をテーマにしており、前作『The Thrill of It All』の感情的な深みを引き継ぎつつ、よりカラフルでポップな要素が加わっている。
プロデューサーには、Jimmy NapesやMax Martinなどの常連に加え、StargateやIlya Salmanzadehといった新たな才能も参加し、多様性に富んだサウンドを生み出している。
各曲解説
1. Young
アカペラで始まるアルバムの冒頭トラック。Samのピュアなボーカルが、「若さ」をテーマにした自己受容と自由を歌い上げる。
2. Diamonds
アルバムを象徴するダンスポップトラック。失った愛の痛みを歌いながらも、解放感とエネルギーに満ちたサウンドが特徴。
3. Another One
軽快なメロディが特徴のポップトラック。恋愛における複雑な感情を描写しており、リズミカルな構成が耳に残る。
4. My Oasis (feat. Burna Boy)
アフリカンビートを取り入れたユニークなコラボレーション。Burna Boyとの相性が良く、新しい一面を感じさせる楽曲。
5. So Serious
内省的な歌詞が特徴のスロートラック。ポップなビートと切ない歌詞のコントラストが印象的。
6. Dance (‘Til You Love Someone Else)
キャッチーなダンストラックで、タイトル通り踊りながら愛の痛みを乗り越えるテーマを描いている。
7. For the Lover That I Lost
シンプルなピアノバラード。失恋の悲しみを歌い上げるSamのボーカルが、深い感情をリスナーに伝える。
8. Breaking Hearts
軽快なリズムに乗せて、心の傷を抱える葛藤を描いた楽曲。サウンドの明るさが、歌詞の切なさを際立たせている。
9. Forgive Myself
静かで感情的な楽曲。自分自身を許すことの難しさと大切さを描いている。
10. Love Goes (feat. Labrinth)
アルバムタイトル曲で、Labrinthとのコラボレーションが光る感動的なバラード。ドラマチックなアレンジと感情的な歌詞が印象的。
11. Kids Again
ノスタルジックなテーマを持つポップトラック。青春の思い出や、失った愛への郷愁を描いている。
デラックスエディション収録曲
12. How Do You Sleep?
グローバルヒットとなったダンストラック。リズミカルなビートと感情的な歌詞が融合し、Samの新しい方向性を示している。
13. To Die For
アルバムのタイトルとして予定されていた楽曲。深い孤独と愛への渇望を描いたバラードで、Samのソウルフルなボーカルが際立つ。
14. I’m Ready (feat. Demi Lovato)
Demi Lovatoとの力強いコラボレーション。ポップとソウルの要素が見事に融合している。
15. Fire on Fire
映画『ウォーターシップ・ダウン』のために制作された楽曲で、Samのボーカルが壮大なストリングスと調和している。
アルバム総評
『Love Goes』は、Sam Smithの音楽的な進化と多様性を示すアルバムである。恋愛や失恋を中心に据えながらも、ポップ、ソウル、ダンスといった幅広いジャンルを取り入れ、感情的な深みとカラフルなサウンドを見事に両立している。
「Diamonds」や「How Do You Sleep?」のようなダンスナンバーと、「Love Goes」や「To Die For」といったバラードがバランスよく配置され、アルバム全体を通じてSam Smithの多面的な魅力が伝わる作品となっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Future Nostalgia by Dua Lipa
ダンスポップとエモーショナルな楽曲が融合したアルバムで、Sam Smithファンにおすすめ。
Fine Line by Harry Styles
多様なジャンルを取り入れた感情的なアルバムで、『Love Goes』のファンに響く作品。
Blue Neighbourhood by Troye Sivan
セクシュアリティや愛をテーマにしたアルバムで、Sam Smithの感性に共鳴する楽曲が揃う。
21 by Adele
失恋をテーマにした感動的なアルバムで、Samのバラードを好むリスナーに最適。
The Thrill of It All by Sam Smith
前作で、ソウルフルなボーカルと感情的なテーマを中心に据えた作品。
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