- 発売日: 2016年2月5日
- ジャンル: インディーロック、パワーポップ、ガレージロック
Kingsizedは、Dressy Bessyの7作目となるアルバムで、彼らのポップなエネルギーとガレージロックの力強さが融合した一枚である。本作は、前作から8年という長いインターバルを経て制作され、成熟と同時に新鮮なエネルギーが吹き込まれている。リードシンガー、タミー・アイグレアートのボーカルと、ギタリストのジョン・ヒルによるダイナミックなギターワークは健在で、アルバム全体にわたって聴く者を楽しませる力強いサウンドが展開される。特に、本作ではベテランのロバート・シュナイダー（The Apples in Stereo）や、サポートにアンディ・メイソン（The Minders）など、同じThe Elephant 6 Collectiveの仲間たちも参加し、バンドに彩りを加えている。
このアルバムには、バンド特有のキャッチーで軽快なメロディと同時に、より深みのあるリリックとエネルギッシュなアレンジが盛り込まれており、ポップでありながらもエッジの効いたサウンドに仕上がっている。アルバムタイトル通り、「キングサイズ」のボリュームと厚みのある音の世界が展開されており、Dressy Bessyの新たな進化を感じることができる作品だ。
トラック解説
1. Lady Liberty
アルバムのオープニングを飾る、パワフルでアップビートなトラック。タミーのボーカルが力強く、リスナーを惹きつける。自由や自己表現がテーマになっており、バンドのメッセージ性が際立つ一曲。
2. Get Along (Diamond Ring)
キャッチーでノリの良いメロディが特徴の楽曲で、シンプルなギターリフとコーラスが心地よく響く。タミーの歌声が軽やかに響き、楽曲にポップなエネルギーを与えている。
3. Kingsized
アルバムタイトル曲で、ビートが効いたガレージロックサウンドが印象的。歌詞には、自信と自己肯定感が込められており、タミーの飾らないボーカルがそれを力強く伝えている。
4. Cup ‘O Bang Bang
軽快なギターリフとリズムが絡み合う楽曲。アップテンポでエネルギッシュなムードがあり、聴く者を元気づける。リフレインが中毒性を持ち、つい口ずさみたくなる一曲だ。
5. Make Mine Violet
甘くメロディアスな曲で、穏やかなギターサウンドとタミーのボーカルが調和する。個人の感情や繊細なテーマが描かれており、リスナーに感情移入を促す。
6. These Modern Guns
攻撃的なリフが特徴の一曲で、バンドのロックな一面が強調されている。社会的なメッセージも込められており、エネルギッシュなサウンドとボーカルが聴く者に強いインパクトを与える。
7. Pop Phenom
60年代のポップスやロックンロールにインスパイアされたトラックで、タミーの弾けるようなボーカルが際立つ。リズムセクションがしっかりと支え、明るく軽快なサウンドがアルバムに彩りを加えている。
8. Dirty Birdies
タイトル通り、やや皮肉の効いた歌詞が特徴の楽曲で、ラウドなギターとタイトなビートが引き立つ。ユーモラスでありながらも鋭いテーマが感じられる、バンドの個性が詰まった一曲。
9. Honeybee
シンプルなリズムに、愛らしいメロディが重なったポップなナンバー。タミーのボーカルが穏やかで、恋愛や愛情がテーマになっており、甘く優しいムードが漂っている。
10. Giddyup
ダイナミックなギターリフと力強いリズムが特徴で、アルバムの中でも特にエネルギッシュな楽曲。ロックンロールのエッセンスを取り入れ、聴く者を自然とリズムに乗せる。
11. 57 Disco
ディスコのようなビートと、ポップなメロディが融合した異色のトラック。ノスタルジックでレトロなサウンドが新鮮で、バンドの多彩な音楽性が感じられる。
12. Say Goodbye
アルバムの締めくくりにふさわしい、ややメランコリックな曲で、別れや過去をテーマにしたリリックが印象的。穏やかで心に染みるメロディが余韻を残し、アルバム全体をまとめ上げている。
アルバム総評
Kingsizedは、Dressy Bessyのカラフルで活気に満ちたサウンドをさらに進化させたアルバムであり、インディーポップとガレージロックの要素が絶妙にブレンドされている。タミー・アイグレアートの力強いボーカルとジョン・ヒルの鋭いギターワークは、バンドの成長と自信を表現し、The Elephant 6 Collectiveの仲間たちの参加もバンドのサウンドに深みを与えている。「自由」「自己表現」「愛」といったテーマが多様な楽曲に散りばめられ、リスナーにエネルギッシュな音楽体験を提供する。Kingsizedは、彼らのキャリアにおいても特に意欲的で、多彩なサウンドが楽しめる作品である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Electric Version by The New Pornographers
キャッチーでエネルギッシュなインディーポップが特徴で、Kingsizedと同様、明るくポップなメロディと力強いサウンドが楽しめる。 - Bee Thousand by Guided by Voices
ローファイかつキャッチーなメロディが満載で、Dressy Bessyのポップな側面と親和性が高い。シンプルながらも中毒性がある。 - The Apples in Stereo – Fun Trick Noisemaker
The Elephant 6 Collectiveの仲間であり、カラフルでポップなサウンドが魅力のアルバム。サイケデリックなエッセンスが加わり、Kingsizedのファンにもおすすめ。 - Primary Colours by The Horrors
ポップなメロディとダークなガレージサウンドが融合した作品で、エッジの効いたインディーロックが楽しめる。Dressy Bessyのファンにとっても興味深い要素が満載。 - Dig Me Out by Sleater-Kinney
力強いボーカルとギターが際立つ、エネルギッシュなロックアルバム。Dressy Bessyの攻撃的な面と通じるものがあり、女性ボーカルの魅力も共通している。
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