
1. 歌詞の概要
「Into the Unknown」は、2019年に公開されたディズニー映画『アナと雪の女王2(Frozen II)』のメイン楽曲であり、イディナ・メンゼル(Idina Menzel)とノルウェーのアーティストAURORAが歌いました。
この楽曲は、主人公エルサが未知なるものへの不安と興味の間で揺れ動く心情を表現しており、**「自分の運命に導かれるまま、まだ見ぬ世界へ進むべきなのか?」**というテーマが描かれています。「Let It Go」と同様に、エルサの成長と自己発見の瞬間を象徴する楽曲であり、前作の「自己解放」からさらに進んで、「新しい自分を見つける旅」に出る決意が込められています。
2. 歌詞のバックグラウンド
この楽曲は、**ロバート・ロペス(Robert Lopez)とクリステン・アンダーソン=ロペス(Kristen Anderson-Lopez)**によって作詞・作曲されました。彼らは、「Let It Go」の成功を受けて、続編のテーマに合った強力なメインソングを作る必要があったと語っています。
「Into the Unknown」では、エルサの心の中に響く謎めいた歌声(AURORAが担当)が、彼女を未知の世界へと誘うという設定になっています。この「歌声」は、エルサにしか聞こえないものであり、彼女の中にある「まだ知らない自分の使命」への呼びかけを象徴しています。
また、この曲は映画の最も象徴的なシーンのひとつであり、エルサが自分の殻を破り、新しい冒険に踏み出すきっかけとなる場面で使用されました。
3. 歌詞の抜粋と和訳
以下に「Into the Unknown」の歌詞の一部を抜粋し、日本語訳を添えます。
原文:
I can hear you, but I won’t
Some look for trouble while others don’t
和訳:
あなたの声は聞こえる でも 私は耳を貸さない
トラブルを求める人もいるけど 私は違う
原文:
There’s a thousand reasons I should go about my day
And ignore your whispers which I wish would go away
和訳:
何千もの理由がある いつもの日常を続けるべき理由が
でも そのささやきを無視しようとしても 消えてくれない
原文:
I’ve had my adventure, I don’t need something new
I’m afraid of what I’m risking if I follow you
和訳:
私はすでに冒険を経験した もう新しいことなんて必要ない
でも あなたについて行ったら 何を失うのかが怖い
原文:
Into the unknown
Into the unknown
Into the unknown
和訳:
未知の世界へ
未知の世界へ
未知の世界へ
原文:
Are you out there? Do you know me?
Can you feel me? Can you show me?
和訳:
そこにいるの? 私のことを知っているの?
感じることはできる? 私に見せてくれるの?
歌詞の完全版は こちら で確認できます。
4. 歌詞の考察
「Into the Unknown」の歌詞は、エルサが内なる声に導かれながらも、未知の世界への恐れを感じている様子を表現しています。
特に、「**I’ve had my adventure, I don’t need something new(私はすでに冒険を経験した、もう新しいことなんて必要ない)」**というラインは、エルサが「Let It Go」の旅を経て、すでに自由を手に入れたのだから、これ以上の挑戦は不要だと自分に言い聞かせている様子を表しています。
しかし、「**Can you feel me? Can you show me?(感じることはできる? 私に見せてくれるの?)」**というラインでは、彼女が結局は未知の世界への好奇心を抑えきれず、運命の声に導かれていくことを示唆しています。
この楽曲は、「恐れ」と「好奇心」の間で揺れるエルサの心情を見事に表現した楽曲であり、「Let It Go」との対比が際立ちます。「Let It Go」では「今ここに生きること」がテーマでしたが、「Into the Unknown」では「さらに自分の本当の運命を探す旅」が描かれています。
5. この曲が好きな人におすすめの曲
- “Let It Go” by Idina Menzel(『アナと雪の女王』)
エルサが自分の力を解放する瞬間を描いた名曲。 - “Show Yourself” by Idina Menzel & Evan Rachel Wood(『アナと雪の女王2』)
エルサがついに自分の運命を受け入れる曲。 - “Defying Gravity” by Idina Menzel & Kristin Chenoweth(『Wicked』)
自由と自己発見をテーマにしたブロードウェイの名曲。 - “How Far I’ll Go” by Auli’i Cravalho(『モアナと伝説の海』)
未知の世界へ踏み出す勇気を歌ったディズニーソング。 - “Speechless” by Naomi Scott(『アラジン(2019)』)
自分の声を奪われず、力強く生きることを歌ったバラード。
6. 「Into the Unknown」の影響と評価
「Into the Unknown」は、『アナと雪の女王2』のメインソングとして大きな注目を浴びました。
- 2020年のアカデミー賞で「最優秀歌曲賞」にノミネート
- 『アナと雪の女王2』のサウンドトラックは、全米・全英チャートで1位を獲得
- AURORAが歌う神秘的なパートが話題となり、YouTubeやSNSで多くのカバーが投稿される
- 『Frozen II』の日本語版では松たか子が歌い、日本でも大ヒット
特に、この曲のオスカー授賞式パフォーマンスでは、各国語バージョンのシンガーが参加し、世界中のファンに感動を与えました。
まとめ
「Into the Unknown」は、『アナと雪の女王2』の象徴的な楽曲であり、「恐れと好奇心の狭間で揺れる心情」を描いたパワフルなナンバー。エルサの成長を示し、「Let It Go」の次の章として、さらに未知の世界へ進む勇気をリスナーに与える。神秘的なAURORAのボーカルと、壮大なオーケストレーションが魅力のディズニー史に残る名曲である。」
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