発売日: 1988年6月28日
ジャンル: クリスチャンメタル、ヘヴィメタル、グラムメタル
Stryperの4作目となる『In God We Trust』は、クリスチャンメタルの代表的バンドとしての地位を確立したStryperが、さらなる商業的成功を狙った作品である。前作『To Hell with the Devil』の爆発的な成功を受け、本作ではよりポップでキャッチーな要素が強調され、ラジオやMTVでのヒットを狙った楽曲が中心となっている。
プロデューサーには前作と同様にマイケル・ロイドとストライパー自身が名を連ね、きらびやかなプロダクションと分厚いハーモニーが特徴的だ。しかし、音楽性のポップ化は従来のメタルファンの間で賛否を分ける結果となった。一方で、「Always There for You」や「I Believe in You」といったシングル曲はMTVで広く放映され、バンドのメッセージを多くのリスナーに届けることに成功した。
『In God We Trust』は、Stryperが80年代メタルシーンの最前線に立ちながら、クリスチャンメタルとしての使命を全うした作品である。
1. In God We Trust
アルバムのタイトル曲で、力強いギターリフとシンセサウンドが特徴的なアンセム。信仰への確固たる信念を歌った歌詞が、スウィートの情熱的なボーカルで力強く表現されている。
2. Always There for You
キャッチーでメロディアスなシングル曲。感情的な歌詞と明るいコーラスが魅力で、MTVで広く放映されバンドの知名度をさらに高めた。
3. Keep the Fire Burning
エネルギッシュなリフとドラマチックなコーラスが際立つ楽曲。信仰を保ち続ける力強いメッセージが込められている。
4. I Believe in You
美しいバラードで、愛と信仰をテーマにした歌詞が心に響く。スティーヴ・スウィートのピアノとマイケル・スウィートの感動的なボーカルが楽曲を引き立てている。
5. The Writing’s on the Wall
ハードなギターリフと勢いのあるリズムが特徴の楽曲。社会的メッセージを含んだ歌詞が、Stryperの真摯な姿勢を感じさせる。
6. It’s Up 2 U
アップテンポでキャッチーなナンバー。選択と自由をテーマにした歌詞が明確に表現されている。
7. The World of You and I
メロディアスで叙情的な楽曲。個人的な愛と普遍的な信仰が交差するテーマが魅力的。
8. Come to the Everlife
壮大なスケール感を持つ楽曲で、救済と再生のテーマが美しく描かれている。
9. Lonely
哀愁漂うメロディが特徴のミッドテンポの楽曲。孤独の中に希望を見出すメッセージが込められている。
10. The Reign
アルバムを締めくくるハードロックナンバーで、力強いリフと重厚なコーラスが印象的。神の支配と信仰の勝利を讃える内容。
アルバム総評
『In God We Trust』は、Stryperが商業的な成功を追求しつつも、クリスチャンメタルとしての使命を全うしたアルバムである。プロダクションの洗練とキャッチーな楽曲構成により、より多くのリスナーにアピールする作品となった。一方で、ポップ寄りのサウンドは従来のファンに賛否をもたらしたが、楽曲のメロディアスさとバンドのメッセージ性は依然として健在である。「Always There for You」や「I Believe in You」といった名曲が、このアルバムの価値をさらに高めている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
To Hell with the Devil by Stryper
Stryperの代表作で、ヘヴィメタルのエッジとキャッチーなメロディのバランスが見事。
Hysteria by Def Leppard
キャッチーでポップ寄りのヘヴィメタルが特徴で、『In God We Trust』と共通する魅力がある。
The Final Countdown by Europe
アンセミックでキャッチーな楽曲が特徴のアルバムで、Stryperファンにおすすめ。
Slippery When Wet by Bon Jovi
ポップとハードロックの絶妙な融合が楽しめる名盤で、『In God We Trust』のポップな側面とリンクする。
Heaven and Hell by Black Sabbath
ドラマチックなメタルサウンドと宗教的なテーマが共通点を持つ作品。
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